Engineering Managerが「採用よろ!」と言われてから学んだこと
メルカリでEngineering Managerと 採用担当をしている@_tweeeety_です。
この記事は
Engineering Manager vol.2 Advent Calendar 2019 - Qiita
の12日目の記事です。
1. はじめに
こんにちわ!note初挑戦です。
これまでBackend Engineerとして直近3社でLeadやEngineering Managerをやってきました。
現在は、EM的な役割から少しかわり、採用をメインで担当させて頂いています。
みなさんは"採用"というと何をイメージするでしょうか?
EngineerやEngineering Managerとして浮かぶのは面接が多いのではないかと思います。
もし、そうではなく「採用よろ!」とまるっと任されたとしたら、何をイメージするでしょう。
ぼくはまったくイメージがつきませんでした。
本稿では、Engineerからガッツリ採用へ関わることになった経験をもとに、採用の全体像のイメージを自分なりにまとめてみました。
同じように新たに採用に関わることになったEngineerやEngineering Managerの方の一助になれば幸いです。
2. はじめて採用を任されたときの課題感
はじめて採用を任されたときを振り返ると、ただただ「よくわからん」だったのを覚えています。
この「よくわからん」を言語化してみました。
課題感:
・「採用」という言葉は知っている
- いざ任されるとなにがなんやらよくわからない
・「採用」という言葉でググると"面接", "新卒", "求人"がよく出てくる
- それではない感
・「採用」関連の書籍を買い漁ってもセオリーや概念的な情報が多い
- 実際に何をすべきかはよくわからないまま
・「採用」関連の書籍は広いか狭い
- 労務, 組織開発含む広義の"人事" or 面接などの特化型が多い
では、どういう情報が知りたかったのか...
言語化すると以下のような感じでした。
欲しかった情報:
・「採用」という活動の全体像はどんなもので
・「採用」の全体像はどんな流れで行われ
・「採用」の各アクティビティは全体のどこにマッピングされているのか
ということで、これをぼくなりにまとめてみました。
3. 採用の全体像を捉える
「採用」を行っていくなかで、いくつかの視点で捉えると全体像がクリアになりました。ということで、視点別で採用を捉えてみます。
・「人材を扱う機能別」でみる採用
・「活動のサイクル」でみる採用
・「戦略・作戦・戦術・兵站」でみる採用
3.1. 「人材を扱う機能別」でみる採用
採用は、書籍などでは「人事の機能」とされていますが、
最近のEngineernig Managerであれば担うことが多くなっているのではないかと思います。
EM的にいうとPeople Managementの領域でもあり、EM Meetupでもわりと良く出てくるwordの一つが"採用"です。
それぞれは以下のような活動です。
・採用: 企業外部に必要な人材を求めて、社内に採り入れる活動
・育成: 企業内部の人材を業務で必要な特性を持つ人材に変化させる活動
・配置: 企業内部の人材を、社内の業務やポジションとマッチングする活動
・評価: ミッションや目標、行動、成果の達成度合いに基づき人材価値を評価する活動
・報酬: 一定期間の評価に基づき、人材に配分する価値を決める活動
・代謝: “採用”とは逆に、内部にいる人材に外部に退出してもらう活動
これら全部を一貫して考えるのが「人事機能」または「People Management」と言えるようです。
そして、People Managementを人材フローとして考えた場合、
外部からのフローが採用、内部からのフローが”育成”, ”配置”, ”代謝(退職)”となります。
※ 一部以下から引用させていただいてます
今回は、この中の「採用」にフォーカスしたはなしになります。
3.2. 「活動のサイクル」でみる採用
次に、採用の活動サイクルで見てみます。
長期〜短期のサイクルでみると「採用」はたくさんの過程を経て行われていることがわかります。
サイクル全体
採用をはじめとする人材マネジメントも軸は「事業」です。
「組織は戦略に従う」と言われるとおり、“事業ミッション”、”中長期経営計画” から戦略を立てます。戦略に従い “人員計画” を立て、計画に沿った人員をどう確保するかという作戦として ”採用計画” を立てます。
そして、“採用計画”を実行する戦術として “採用活動” を日々行うという流れです。最後に全体を通して分析を行うことで戦略・作戦・戦術を修正したり改善を行います。
(本来は、事業軸の最上位の戦略としますが、ここでは採用範疇の最上位となる人員計画を戦略として説明しています)
組織は戦略に従う:
組織は組織が属するトップの戦略目的を達成するための手段として存在します。組織は存在することが目的ではないので、組織をどうするかは、まず戦略が先行しなければなりません。
参考: チャンドラー著「組織は戦略に従う」を解説し経営に生かせる組織を考える
長期サイクル
それぞれをもう少し深堀りしてみます。
EMが担うPeople Managementの観点からすると“人員計画”あたりから携わることもあります。
“プロダクトロードマップ”や”組織/Teamロードマップ”はいわゆるBig Pictureを描く業です。
EMの責務であったり、Job Descriptionに記載されていることもあります。
四半期、半期、通年でプロダクトをどうしていくか、そのためにどんなTeamが必要か、それを描くことでTeamに必要な人員がある程度見えてきます。
"現在のTeam構成"と"未来のTeam構成"を比較して足りない部分を以下のいずれかでおぎないます。
・採用
・育成
・配置
全て採用で賄うのであればそれが採用人数となります。
(本記事では、「採用」のみを扱います)
中期サイクル
採用する人数が見えてくると、いよいよ採用に向けてプロジェクト化を行います。(スタートアップや小さいTeamでは、強いEMが1人でがんばることもありそうです..)
次に、”まだぼんやりしている人員”からターゲット、つまり、採用人員の明確化を行います。これを言語化したものがJob Descriptionになります。
(“人材要件の決め方”や”良いJob Descriptionの書き方” などの知見もたくさんありますがここでは割愛します)
採用すべき職種/要件の人員をいつまでに何人採っていくかをスケジューリングします。そして、プロジェクトを回すための採用Memberを選抜して採用活動を開始します。
短期サイクル
(短期というよりは日々の活動というイメージです)
“採用活動”は、一番イメージが付きやすいのではないでしょうか。
具体的には以下のような活動です。
・母集団形成(認知、興味、チャネル活動、応募など)
・screening(書類選考など)
・interview(面接など)
・Offer(内定など)
さらに、日々の活動をブレイクダウンすると、以下のようなものに分類できます。
日々の採用活動
Engineering Managerとしては以下で関わることは多いでしょう。
母集団形成:
・Job Descriptionの記載
・Tech Eventを開いて認知・興味を取りに行く活動
・リファラル、スカウト、SNS活用
選考:
・Screening - 書類選考
・Skills Test - 技術試験
・Interview - 面接
・Offer - 決定
スケジュール管理の部分は、主に人事が行う場合も多いと思いますが、スタートアップなどであればEngineerが候補者の管理を手動で行ったり自前でツール化するなども行うという事はありそうです。
お金があればATSを導入することも早々に考えると良さそうです。
ATSとは:
採用管理システムのことで、以下のようなものがあります
・HRMOS
・HERP
・HITO-Link リクルーティング
・Talentio
・Workable
参考:
採用管理システム(ATS)とは | ツール22選比較【2019年最新版】
3.3. 「戦略・作戦・戦術・兵站」でみる採用
前述でも戦略・作戦・戦術はでてきましたが、1つ足りません。
“戦略・作戦・戦術”とは別に”兵站”となる採用活動が必要になります。
採用における“兵站”とは、
Process構築や仕組み化、基準・ガイドラインの策定などです。
兵站
"兵站"は、おもに活動サイクルを支える土台です。
もし、ゼロから採用をはじめる場合、
・採用基準の作成
・選考プロセスの構築
・採用の数値化
あたりを言語化・仕組み化・見える化し、採用に関わるmemberやステークスフォルダーと共有していくことでワンチームで採用が行えます(ワンチーム言いたかっただけ)。
そろそろ書くのがつかれたので
ひとつひとつの説明は省略しますが、”兵站”だけ見てもとても大変ですね。
4. おわりに
以上が、Engineerから採用を担当することになり見えた採用の全体像です。
昨今では、Engineer採用が激化しておりEngineerが採用の前線に立つことも多くなってきました。
EM Meetupでも「採用」関連のテーマは多いですし、ジンジニアなんて言葉も出てきています。
はじめて「採用よろ!」と言われたら、全体像を見渡すことで
”何をすべきか”、"何が足りないか"、"何が課題か" が見えるかもしれません。
今回書かせて頂いた”戦略・作戦・戦術・兵站”については、
・いくつかの視点から深堀りしてみる
・いくつかの視点で分類してみる
ができそうなので、気が向いたらまた書いてみようかと思います。
最後の最後に:
メルカリでは、
・Big Impact
・Micro Decision
・Diversity & Inclusion
・ + カオス
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お気軽にご応募・ご相談ください。気になる方はDMも歓迎です。(@_tweeeety_)
それでは、ご精読ありがとうございました!!
ウィーアーハイアリング!!!!
補足:
・この内容は、あくまでも採用初心者Enginee視点で書かれています
・間違っている箇所などがあればお気軽にコメント、もしくは多めにみてやってください
・また、あくまでも在籍企業での経験をもとにしているため、企業や規模、フェーズによっても違うと思います
ハイカロリーなものかお酒に消費します🍺