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じゃない方芸人のような人生 #2

 クラスのみんなとは基本的に仲が良く、男女ともに基本的に仲良くできていた。しかし、異性からの恋愛対象にならない。自分で言うのもあれだけど典型的な「話しやすい男子」の枠だったのだろう。
 別に彼女が欲しかったわけではない。モテたかったのだ。中学二年生にもなればそれくらい考え出してもおかしくはないだろう。とは言っても好きな人の作り方すら分からない俺にとってはどうすることも出来なかったんだけどね。

勉強も出来ない、素行は良くない、部活でもなかなか思い通りにいかない。イケメンでもないし人気者でもない。明るい未来が見えない、まさに卑屈の逆エレクトリカルパレードな人間だった。しかし、コミュニケーション能力だけはあった。だからクラスのみんなとは仲が良かったし遊びに行ったりもしていた。でも、クラスの人気者が笑いをとったりイケメンが彼女を作ったりするとどうも悔しかった。「俺もああなれたらな」って何回考えたことか。けれど、その勇気がなかったし努力もしたくなかった。怠惰にも程がある。

そんな時、転機が訪れた。掃除場所が同じ可愛い女の子が私の親友に恋心を抱いた。私は相談を受けた。自分なりに親身になって協力し、時にはアドバイスもした。その子は最終目的であったバレンタインチョコを渡すことに成功すると、次の日の学校の掃除の時間、「ありがとう!渡せた!」と弾けるような笑顔で言ってきた。私はこの時に決心した。

「いてもいなくてもいい。けれどいたら嬉しいと思われる人間になろう。決して主役ではない。脇役かもしれないけど、誰かの主役になれるように頑張ろう。」

そう。この時に私は自身の弱点を悲観する人間から、弱点を受け止め強みを伸ばす人間へと変わる決心をしたのだった。この決心は私の人生を大きく変えることになった。

#3へ続く。



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