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押井守のサブぃカルチャー70年「YouTubeの巻 その27」 【2023年3月号 押井守 連載第62回】

今回ご紹介いただく押井さんおすすめのYouTubeチャンネルは、スパイダーマンのコスチュームでシットコムのノリをやっているという海外のチャンネル『Spider Slack』と、いつもお話には出てくるものの、しっかり語っていただくのは今回が初となる『ももじオンライン』!

そしてそのまえに……押井さんの "新刊発売” のニュースからスタートです!!

取材・構成/渡辺麻紀
撮影/ツダヒロキ

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<新刊情報>
人生相談なのに、傷口に塩!?
前代未聞の人生相談本が、あらたな悩みを追加して刊行!!

『押井守の人生のツボ 2.0』
4月3日(月)発売

「友人のマウンティングがウザい」、「パワハラ、セクハラの線引きは?」、「成果を横取りする上司が許せない」、「母親との折り合いが悪い」など、寄せられたお悩みに答え、そのロジカルで実践的な回答が読者の間で話題を呼んだ『押井守の人生のツボ』が、増補版となって待望の再登場!

「結婚や出世に興味をもたず、マイペースに生きる息子や若者の姿を見ていると、日本がどんどん落ちぶれそうで不安になる」、「韓国ドラマ沼から抜け出せない」、「環境破壊をする人間に、その愚かしさを気づかせたい」など新たな悩みを加え、それぞれの“お悩みに効く映画”についても、たっぷり語っていただきました。

押井監督自身の体験と思索の日々に裏付けされた、刺激的でユーモラスなアドバイスに価値観を揺さぶられること間違いなし。

早くも人生に悩んでいるような押井少年のお写真が目印です!

『押井守の人生のツボ 2.0』
著者 押井守
構成・文 渡辺麻紀
発行:東京ニュース通信社 発売:講談社
全国の書店、ネット書店にてご予約いただけます。詳細は TOKYO NEWS magazine & mookをご確認ください。

「ももじ」さんは、見ている間に情が移ってしまったという感じ。

――前回は“勝手に吹き替え”が面白い『六丸の工房』について語って頂きました。今回はどんなチャンネルを? そういえば押井さん、まだゲームのチャンネルについて語って頂いてないですよ。

『ももじオンライン』とか、もう話したよね?

――ヘタなおじさんがゲーム中継するチャンネルですよね。いつもちょこっとだけで本格的には一回もないです。

そうだったんだ。すっかり話したと思っていた

……ていうか、いま思い出したんだけど、最近、久々にアーカイブを全部チェックしたチャンネルがあって、まずはそれを紹介してもいいかな?

――もちろんです! 

『Spider Slack』という海外のチャンネル。このタイトル通り、スパイダーマンのコスチュームで出てくる。

――タイトルの意味は「いいかげんなスパイダーマン」くらいの感じなんでしょうか。

とてもいい加減です。息子がヘマばかりやっているので、いつもお母さんが叱っている。典型的なダメ息子としっかり者のお母さん。この組み合わせは王道だし、王道のようなヘマやケンカをやっているだけだけど、それがちゃんと面白い。母親がダメ息子をフライパンで叩いたり、椅子を投げつけたり。ふたりがとてもいい感じなんですよ。

――アメリカのシットコムやカートゥーンなノリなんですね。

そうそう。ちゃんと体を張ってやっている。ときどきスパイダーマン息子のガールフレンドや友だちも出てくるんだけど、果たして彼らは本当に母子で恋人なんだろうかって。実は息子も母親も売れない役者なんじゃないだろうか? 虚実がよく判らないのがYouTubeの面白さであり、このチャンネルに興味をもった一番の理由。私がアーカイブを見たのも、それが判らないからですよ。

――見てみたら、コントのようなことをやってみたり、いろんなことにチャレンジしたりしてますね。

YouTubeにあふれているさまざまなチャレンジ。ペットボトルの小さな口に、離れた場所からペンを投げ入れるとか。そういうことにもチャレンジしている。途中でインチキしたりするんだけど、それもこのキャラクターの持ち味なわけだ。

――ドアを壊したり、派手なこともやってますね。

だから、プロなんじゃないかと思うわけ。家具を壊したり天井が落ちてきたりするから、素人のレベルじゃないようにも見える。笑えるし、そういう虚実を探る面白さもあるチャンネルだよね。

――なるほど!

まあ、それはさておき『ももじオンライン』の話ね。すっかり話したつもりだったよ。

――押井さんの会話によく出てくるのは「ナカイド」くんと「ももじ」さんです。好きなんだーって思ってますけど。

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