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魅力+魅力=魅力∞! バディ、シンメ、俳優同士の”関係性”を語りたい!

テレビブロス本誌でも活躍中の、エンタメ業界に詳しいライターの吉田可奈氏、横川良明氏に、注目のコンテンツや昨今のイケメン事情を語り尽くしていただくこの企画、これまでタイのBLドラマや俳優たちのヒゲ事情、ネクストブレイクなどを語りまくりました。前回に引き続き俳優やボーイズグループの”バディ”をテーマに、様々なジャンルの”バディ”や”シンメ”をご紹介します。

<過去記事はこちらから!>

文/横川良明

よしだ・かな●エンタメ系フリーライター。著者本『うちの子、へん?』『シングルマザー、家を買う』(ともに扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。
よこがわ・よしあき●演劇とテレビドラマを得意とするライター。初のインタビュー本『役者たちの現在地』(KADOKAWA)が発売中! 電子書籍『俳優の原点』(ライブドアニュース編集部)も発売中。

ーー前回は横川さんイチオシの”バディもの”をテーマに、ドラマや舞台に出てくる俳優やボーイズグループにまつわる関係性にフォーカスしてご紹介しました! 今回は、吉田さんがお仕事で携わることも多いジャニーズ事務所に所属している皆様からスタートしましょう(今回も、文中に出てくる人物名は親しみと敬意を込めて敬称略で表記させていただきます)。

吉田可奈 はーい、吉田です。僭越ながら、そもそもジャニーズに詳しくない方のために改めて説明すると、ジャニーズには「シンメ(シンメトリー)」と呼ばれる制度があるんですね。これはダンスなどステージのポジションが左右対称になっているコンビのことを言うんですけど、そんな物理的なところにとどまらず、より精神的に深く結びついたシンメに、オタクたちは熱狂するのです。

横川良明 古いところで言えば剛健(V6の森田剛と三宅健)なんかはシンメですよね。

吉田 そう! そして今、ジャニーズのシンメの代表格と言えるのが、ふまけん(SexyZoneの菊池風磨と中島健人)です。

――確か去年、『anan』のバディ特集で表紙を飾っていましたよね。

吉田 あれはいい特集でした……。なぜふまけんにみんなが夢中になるかと言うと、ズバリそれはふたりの積み重ねてきた歴史です。正反対の性格のふたりが、ある日、「ユーたち今日からシンメね」と組まされて、あらゆる局面でシンメとして過ごすことになるんだけど、性格が正反対すぎるせいか、あまりうまくいかなかったみたいで。多感な年頃っていうのもあったと思うけど、同じクラスだったら絶対仲良くならないタイプなんですよ、ふまけんって。

横川 本当だ。ふまけんで検索したら、検索候補に「氷河期」って出てくる……。

吉田 そんな中、ふたりの所属するSexyZoneにも事件が。もともとメンバーだった松島聡とマリウス葉がSexy 松とSexy Boyzという新しいユニットに加入となり、SexyZoneはセンターの佐藤勝利を含む3人体制に。グループとしての方向性が見えづらい中、ふまけんに関してはお互い口もきかない時期もあったそうです。

横川 それはツラい……。

吉田 ところが、ある1日をもってふたりの関係に劇的な変化が起きるんです。冷戦状態が続いていたふまけんの雪解けの日として知られているのが、通称8.25事件。先輩の山下智久が菊池風磨を誘ってケンティー(中島)のソロコンサートへ行ったんです。

――山Pがふたりの間を取り持ったんですか?

吉田 そう! しかも菊池風磨が来ていることをケンティーは知らなくて。本当にうれしかったそうで、後に「いつも見ていた流れ星が手に落ちてきた感覚だった」と、そのときの気持ちをケンティーが表現しているのを見て、あまりの尊さに膝から崩れ落ちそうになりました……。

横川 ケンティーのボギャブラリー最高すぎるだろ……。

吉田 そこからふたりは、それまでの時間を取り戻すかのように仲を深めて行って。お互いを信頼し認め合う最強のバディ、シンメ、パートナーとして、今も刺激を与え合っているというわけ!!!

――バディって日本語で訳すと”相棒”が近いのかなと思いますが、”パートナー”とか”運命共同体”とか、その関係性によって、しっくりくる日本語訳のバリエーションがたくさんある感じですね。ふまけんはボーイズグループに所属するふたりですが、俳優とはまた違う関係性の楽しみがあります。

横川 そこで言うと、僕はグループのツートップが好物です。いちばんわかりやすい例で言えば、SMAPの中居正広と木村拓哉。決して表に出したりはしないんだけど、グループを背負い、先頭を走ってきたふたりの間で交わされる無言の会話と、ふたりが並んだだけで画の圧が変わる圧倒的な全能感が好きですね。

――それこそ横川さんの好きなM!LKの佐野勇斗と板垣瑞生とかも当てはまるのでは?

横川 いたちゃの(佐野と板垣の愛称)は本当にいい……。残念ながら板垣瑞生はM!LKを卒業してしまいましたが(涙目)。またあのふたりが俳優というフィールドで並び立つ瞬間を心待ちにしています……。

吉田 私は最年長と最年少という組み合わせも好き。ちょっと私の応援しているJO1の話をしてもいいですか???

一同 どうぞどうぞ。

吉田 JO1の最年長は24歳の與那城奨。そして最年少はオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』で1位合格した18歳の豆原一成。このふたりのバディ感がもう尊くて尊くて……! ふたりが仲良くしているのを眺めているだけで、ありがとうって気持ちになる(と、拝む)。

ーーそんなに仲が良いんですか?

吉田 関係性の話で言うと、與那城奨は『PRODUCE 101 JAPAN』の頃からメンバーの白岩瑠姫を推していて。口を開けば「瑠姫は顔がいい」「瑠姫が好き」と褒め称えているのを、白岩くんが「やめろよ」と恥ずかしがっていたんだけど、あるとき急に矢印の向きが逆転して。「知らないうちに瑠姫が部屋に来てる」って與那城くんが答えるようになったんですね。それを知ったオタクたちは「瑠姫の方から行くようになったの!?」って大興奮。白岩くんは、與那城くんの下の部屋に住んでるんですけど、「奨くんの歌がうるさくて眠れないから夜中に遊びに行っちゃいました」なんて話をサラッとしてて。「夜中に部屋へ遊びに行くって……」と、勝手な想像を膨らませてはザワザワしていました(笑)。

横川 そうやって想像してキャッキャするのがまた楽しいんですよね(ニッコリ)。というか、みんな同じマンションに住んでるんですね(衝撃)。

吉田 そうなの。だからお部屋事情を聞いているのがすごく楽しくて。最近のインタビューで與那城くんに対して「お部屋に来るのは誰ですか?」っていう質問があって、ファンはみんな白岩瑠姫って答えるだろうと思っていたら、「最近は豆(豆原)が来ます」って言ってて。「よなまめが始まったね!!」ってこれまたザワザワしていました(笑)。

――完全に翻弄されている……。

横川 僕、あまり詳しくないんですけど、LDHにもそういうバディ感ってあるんですか?

吉田 あるある。特にTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEは人数も多いから、そういう関係性を楽しむと面白いかも。THE RAMPAGEだと川村壱馬と吉野北人がイチオシだな。

――”かずほく”はいいバディですよね。顔も全然違うし。

吉田 メンバーが16人もいるから他にもおすすめしたいバディはいるんだけど、今回は王道のかずほくで! かずほくはお顔のタイプも、性格も正反対。川村壱馬は体育会系の世界で生きてきて、HIROのことを心から尊敬し、その背中を見て育ったLDHの申し子みたいな人。反対に、吉野北人はド天然。すごくふわふわしていて、現場で「ちょっとトイレに行ってきます」って言うのをカッコつけて、「ちょっとウォシュレットに行ってきます」って言ったのは伝説です(笑)。

――最高じゃないですか!

吉田 そうなの。そんな正反対のふたりだからこそ、バディとしての相性はいいんですよね。

横川 なるほど。ボーイズグループの良さがわかってきました。

吉田 じゃあ、ここで私からとっておきのバディを紹介させてください。

一同 は、はい(ゴクリと固唾を吞む)。

吉田 それは、Travis Japanの松倉海斗と松田元太です!!! ふたりは年齢こそ違えど小さい頃からずっと一緒にやってきて、SexyZoneのバックをつとめたり、Sexy松という派生ユニットに加入したかと思えばそれも空中分解になったりで、いろいろ大変な思いをしながらも、その苦労を分かち合ってきたんですね。そんな中、松倉海斗が舞台『Endless SHOCK』のオーディションで合格して、1年間、ふたりバラバラで活動する時期があったの。そのときに松田くんが自腹でチケットを買って大阪まで『Endless SHOCK』を観に来たんだけど、舞台の上で相方が頑張っているのを目にして「なんで自分は何もできないんだろう……」って悔しくて泣いたそうなんです。

横川 うわあ、ツラい……。

吉田 でも、ここからが松田元太のすごいところなの。絶対に来年は自分も『Endless SHOCK』に出るぞってめちゃくちゃ努力をして、厳しいオーディションをくぐり抜けて、見事に次はふたりで『Endless SHOCK』の出演を勝ち取ったんです。

一同 ええ話やー!!(と、拍手)。

吉田 ふたりはなかなかグループに入れなくて大変だったんですけど、2017年11月にTravis Japanに加わることになって。やっぱりもともとTravis Japanのファンだった人の中には「なんで?」という声もあったみたいなんです。でもふたりは笑顔で「やっと帰る家ができました」と言ってて。そんなふたりのまっすぐさに、昔からのファンもふたりを受け入れるようになったそうですよ。

――いいお話すぎて涙が出そうです。教科書に載せて欲しい。

吉田 ふたりは小学校高学年の頃からずっと一緒にいるから、もう心が通じ合っているのね。Travis Japanには中村海人、宮近海斗、そして松倉海斗と3人の「カイト」がいるんだけど、同じ「カイト」なのに、松倉海斗は松田元太が自分を呼んでいる「カイト」はちゃんとわかるんだって!! そういう一心同体のふたりのやりとりを見るたびに語彙力を失ったファンたちが「#やっぱり松松かよ」ってハッシュタグをつけてざわつくのが、定番になっているようです(笑)。

――横川さんは2.5次元舞台に詳しいですけど、2.5次元俳優の間でもバディってあるんですか?

横川 このコンビは仲が良いっていうのはありますね。たとえば舞台『刀剣乱舞』などで共演している荒牧慶彦と和田雅成は仲良しで有名。『テレビ演劇 サクセス荘』のシーズン1の第1話で、停電中にいきなり荒牧慶彦が和田雅成の膝の上に座るやりとりがあるんですけど、あれは打ち合わせなしで荒牧慶彦がやったことで。そういうアドリブを遠慮なくし合えるところに、ふたりの関係性が見えますよね。

吉田 2.5次元系で言えば、私は黒羽麻璃央と崎山つばさのバディ感が大好き。私、ふたりに取材するときは絶対にお互いのエピソードを聞き出すようにしているもん(笑)。私が特に好きだったのは、黒羽麻璃央は急に人から食事の席などに呼び出されてもあまり乗らないそうなんですけど、崎山つばさに誘われたら絶対行くんだって。なぜかと言うと、崎山つばさは食べるものがすごくヘルシーで、時間管理もきっちりしてて、早く寝る子だから、僕も早い時間に帰って眠れてちょうどいいって。聞きながら、何それ可愛いって倒れそうになりました(笑)。

横川 うん。黒羽麻璃央と崎山つばさは王道のバディだと思う。

吉田 ふたりの関係の良さがよく表れているのが、『広告会社、男子寮のおかずくん 劇場版』。ふたりがただ江ノ島の砂浜を歩くシーンが10分くらいあって、ファンではない人から見たらちょっとびっくりするような長さなんだけど、ソフトクリームを食べ合ったりしている姿がもう尊くてね……。オタクたちはむしろあの10分のために1800円払っているんだなと思いました!!(断言)

――2.5次元俳優でいえば鈴木拡樹が有名ですけど、鈴木拡樹は誰とバディなんですか?

横川 鈴木拡樹の印象は孤高のキングだから、バディという人はいないイメージなんですけど、強いて挙げるなら村井良大。キャリアの初期にふたりは『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』というバラエティ番組で信長と蘭丸をやっているんですね。村井良大が信長、鈴木拡樹が蘭丸でして。このふたりが歌う『敦盛2011』が良すぎるからオタクたちは全員黙って見てください!!

――やっぱり作品の印象って強いですね。

吉田 それこそ、これはバディというよりはBLになっちゃうんだけど、タイのBLドラマが今こんなにも人気なのは、作品が終わったあともそのカップルで活動してくれることが効いていると思う。

横川 あのシステムは本当にすごい。僕は『2gether』のBrightとWinに身も心も全部持っていかれているわけですが、それもやっぱり彫りの深いBrightとベビーフェイスのWinというお顔の相性もさることながら、母子家庭で育って苦労人のBrightと、裕福な家庭に育ち、初出演ドラマで初主演に選ばれたWinという生い立ちも歩みも正反対なところに運命を感じるから。そんなふたりがドラマが終わったあとも、バラエティで仲良くしてくれたり、お互いのインスタにしょっちゅう登場しているのを見ると、人類の楽園はここにあったんだという気持ちになります……。

吉田 仲良さそうなふたりがお互いのインスタに登場してくれるのはうれしいよね。

横川 もちろんカップルという意味ではないですけど、2.5次元はわりと作品が終わったあとも人気のコンビは一緒に活動してくれることが多いですね。それこそ前編で紹介した『メサイア』の松田凌と小野健斗はその後も『おふたりさん(仮)』というトーク番組をずっとやってくれていますし。

吉田 うれしい。そういうのもっとほしい!

横川 このふたりの推しどころをもう少し説明すると、実はまだ『メサイア』の出演が続いている時期に、小野健斗が事務所を退社し、一時期芸能活動を休止しているんです。

――そうなんですか。

横川 本来ならそうした場合、新しい俳優を見つけてキャスト変更をするのが舞台業界の常。だけど、『メサイア』はたったひとりの魂の片割れだから、それが通用しないんです。そのため、小野健斗が芸能活動を休止している間、松田凌も『メサイア』から離れ、ふたりが演じた鋭利と珀は物語上からドロップアウト。そして1年後、小野健斗が芸能界に復帰すると共に、鋭利と珀も復活。ふたり仲良く『Messiah メサイア -翡翠ノ章-』をもってシリーズ卒業を果たしたんです。小野健斗の復帰が発表されたときに松田凌はブログで「おかえり珀。おせえーんだよ!」と喜びを綴り、その絆にオタクたちはむせび泣くこととなりました……。もちろん僕も……。

――ちょっとその『メサイア』という作品が観たくて仕方なくなりました。

横川 このふたりは本当に仲が良いんですよ。公演中にひとつのシャワールームにふたりで入っていたという目撃談もあるほどです!

吉田 シャワールーム……! ボーイズグループでもよくシャワールームに一緒に入ったというエピソードが出てくるよ!

横川 あれは何なんでしょうか。僕たちは何か騙されているのでしょうか……? 夢なの……?

吉田 いいんだよ、それは。たぶん彼らにとっては何気ない日常なのかもしれないけど、思い切り転がされよう!

横川 何で大の男ふたりがひとつのシャワーを一緒に浴びる必要があるの?って。どういう世界なんだそれって頭がバグを起こします。

――きっと時間短縮のため、とか、空くのを待つのが面倒だから、とか、そういう合理的な理由からなんでしょうけど、たしかに色々と想像してしまうシチュエーションではありますね。『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)でも春田(田中圭)がシャワーを浴びているところに牧(林遣都)が入ってきましたよね。

横川 たしかに! そうか。シャワールームを許すというのは心を許す暗喩だったんですね……。

吉田 『2gether』でもTineがシャワーに入っているところをSarawatが割り込むくだりがあったしね。

横川 本放送が始まる前のティザーではふたりがシャワーを浴びながら仲良く歯磨きをしているカットがほんの一瞬入ってるんです。その1カットをどうしてもスクショしたくて、僕、初めてYouTubeの再生速度を0.25倍にまで下げました。

吉田 『なぜ男たちはシャワールームを共用するのか』っていうタイトルで新書を書きたくなってきたよ。これからはインタビューのときも隙あらばシャワールームにまつわる話を聞いていこう!!

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――じゃあ、話題がだいぶディープになってきたところで、そろそろまとめさせてください。みなさんが選ぶベストバディはどの組み合わせですか? 私は断然、『HiGH&LOW』シリーズの村山良樹と轟洋介を推します!!

吉田 私は「#やっぱり松松かよ」で。ぜひこのハッシュタグで検索して、もっと世間に松倉海斗と松田元太の良さを知ってほしい!!

横川 じゃあ僕は松田凌と小野健斗で。ふたりは身長差もいいんですよ。身長169cmの松田と、身長187cmの小野のデコボコ感が画的にも最高で。顔や身長、性格、環境など何かしら正反対のところがあるのが、いいバディのポイントだと思います!


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