小河ドラマ「徳川☆家康」公開記念　細川徹×三宅弘城スペシャル対談１　最も有名だけど最もつまらない武将――それが家康だ！

（Ｃ）時代劇専門チャンネル／カンテレ

細川徹監督・脚本による“非”本格派時代劇・小河ドラマが帰ってきた！　誰もが知っている歴史上の偉人がなぜか現代の時代劇制作現場にタイムスリップ、あまり知られていない偉人たちの地味なエピソードを本人がドラマ化してしまうという本シリーズ。第１弾では「織田信長」、第２弾では「坂本龍馬」が登場したが、今回はなんと天下人・徳川家康が登場！　さらに、松平健が大物時代劇スタア役で出演するという。今回は細川徹監督と、シリーズすべてで現代にタイムスリップしてしまう偉人を演じている三宅弘城との対談が実現。まさかの第３弾、まさかの松平健出演について語ってもらった。

取材・文・構成／末光京子　撮影／高岡弘

“非”本格派時代劇第３弾
「小河ドラマ 徳川☆家康」

大河じゃないよ、小河だよ！
スケールの小さい笑える時代劇が帰ってきた！
まさかの松平健が小河に登場!!

細川徹が監督を務める「小河ドラマ」は、スケールの小さい笑える史実だけで歴史上の偉人を描く“非”本格派時代劇。毎回、偉人が現代にタイムスリップしてきて、自分を主人公にした時代劇ドラマの制作現場にADとして参加することになり、バカバカしいけど本当のエピソードを描こうとして現場を混乱させるというストーリーだ。第１弾「織田信長」（2017年）、第２弾「龍馬がくる」（2018年）に続く、第３弾は徳川家康がタイムスリップ！　

超大物時代劇スタア・白川新太郎（松平健）の前に、本物の徳川家康（三宅弘城）がタイムスリップしてきた！　「今までにない、リアルな時代劇を作ってやる」と燃える白川は、家康から聞き出した生のエピソードを次々とドラマ化。しかし、格好よく描いてほしい家康の意に反して、白川が採用するのは「三方ヶ原の戦い」での知られたくない逸話をはじめ、地味で格好悪いエピソードばかり。かつてないスケールの小さな家康の物語が完成してしまう。それは全然「大河」じゃない、「小河（しょうが）ドラマ」だった！　どうする家康!?

監督・脚本／細川徹
出演／三宅弘城 武田梨奈 入野自由 早出明弘 大水洋介 松村邦洋 山崎銀之丞 松平健
主題歌／「行け」ケツメイシ（avex trax）

３月27日（土）〜４月2日（金）　渋谷ユーロスペースにて特別上映。
３月31日（水）深夜２：05〜　関西テレビにて放送（全４話、毎週水曜深夜）
５月22日（土）午後９：00〜　時代劇専門チャンネルにて全４話一挙放送。時代劇専門チャンネルだけの特別編も放送。

まさかの第３弾！　まさかの松平健！　
でも一番重要なのは三宅弘城のスケジュール!?

――小河ドラマシリーズ第３弾ということですが、まさか３回目がやってくるとは思ってもみませんでした！　しかも、松平健さんがご出演されるとは！

細川　誰も思ってないんですよ！　誰しも思ってない！　びっくりしましたよ！　どうですか？

三宅　松平さんが出たら小河感が薄くなるんじゃないかなって思ってたんですけど、やっぱり、そこはね、細川さんの書く世界は小河でしたね。さらに僕が出ることによって小河感が確立されるというか。

細川　自然な小河感が醸し出されますよね。松平さんに合わすんじゃなくて、松平さんが小河のサイズに合わせてくれましたもん。スケールダウンしてくれるっていう。

三宅　そうなんです。だって、松平さんがコソコソする演技なんて見たことないでしょ？　胸を張ってるとか、堂々と立ってるとかじゃないですか。キョロキョロ、コソコソしてひたすら逃げるっていう松平さんが見られるのは小河だけ！

細川　確かに！　皆さんが見たい松平さんではないかもしれないんだけど（笑）、意外な松平さんが見られますよね。

（Ｃ）時代劇専門チャンネル／カンテレ

――今日は第３弾公開を記念して、細川監督と全作に皆勤で出演されている三宅さんにお話をお伺いしたいと思いまして。

細川　皆勤というか、もはや三宅さんありきの企画になってるみたいで。みたいっていうか、そうなってるんです、実際。実は撮影期間中、三宅さんが『監察医朝顔』と『俺の家の話』にも出てて。

三宅　さらに『サ道』のスペシャル（※）もあって。

※２月14日に放送されたスペシャルドラマ『サ道 ～2021年冬 東京の空の下、少し離れてととのう～』。

細川　そこでスケジュールを取りあってたんです。で、小河がどうしても敗戦しがちだったんですけど（笑）。

三宅　ハハハハハ！（爆笑）

細川　だから、三宅さんを出さなくしたらスケジュール調整が楽になるのに、三宅さんじゃないとダメだみたいになって。

――ええっ!?　細川さんは三宅さんがいなくてもいいと…？

細川　このスケジュールでやるなら、それしかないんじゃないかと思ったんです。せめて三宅さんをいいところに出して二役にしようとか、家康には影武者がいるから、誰か似てる人を影武者にしようって言って。でも、やっぱり三宅さんだってことになって。なんで影武者なんだ！　って言われちゃった（笑）。

三宅　ちょっと細川徹＆三宅弘城の企画になりつつあるんで（笑）。でも、今回もし影武者になったら、ちょっと無理したらできたんじゃないの？　って後悔しそうだったんで、頑張ればなんとか大丈夫じゃないかなと判断しまして。ここまできて影武者になったら悔しいですから。

細川　３話から急に別の人になっちゃったらね（爆笑）。

まさかの本家・大河ドラマとリンク　
有名だけどつまらない武将・家康をドラマに

――三宅さんは、第１弾では織田信長、第２弾では坂本龍馬、そして今作では徳川家康を演じられました。大河ドラマでも主役級の３人を演じた俳優さんはなかなかいないと思います。