無駄の吹き溜まりに暮らして

今日はライブがある
ギターを弾いたり歌ったりする
落語家だけど
こんなことをよくやっている

ギターを弾いて30年ぐらいになる
上手くないけれど
気持ちよく弾けるようにはなった

ギターをやっていてよかった
本当に
生きていて
ギターで稼いだお金は少ないけれど
ギターで助かった日々はうんとある
ギターをやっていて本当によかった

弾き始めた頃
意味もなく楽器屋に行っていた
何故か楽器屋さんの店員は少し怖い
これは今も変わらない
なぜだろう?

あの頃は意味もなく
ギター屋を巡り
古着屋を巡り
レコード屋を巡った

いい買い物をする日もあれば
後悔する買い物をしたことも多々ある

無駄な買い物をするたびに
不思議だけれど
ギターが上手くなったり
音楽の事が詳しくなったり

急がば回れ というけれど
言い得ていると思う

最近は通販で物を買うことが増えた
なので
街をぶらぶら出歩くことが減った様に思う

通販サイトはアルゴリズムとやらで
僕の傾向を知り
無駄の少ない買い物を勧めてくる

他人のレビューを添えて だ

そのおかげで
歩くことなく
あまり迷うことなく
買い物をする人になってしまった

コロナ禍になって
その傾向はさらに強くなる

それがとても不安なのだ
上手く言えないけれど
とても怖くて
とても心細くなる

最近は街をよく歩く
気候もそうさせてるかもしれない

古着をかったり
本を買ったり

ついこないだ
ヘンテコな服を買って
笑われたけど
気分は悪くなかった

今日も楽器屋に行って
ジェフベックが特集されている雑誌を買った

三大ギターリスト
エリッククラプトン
ジミーペイジ
ジェフベック

この中で一番長生きすると思っていた
ジェフベックが今年の1月に亡くなった
享年78歳
うちの父と一緒

父はきっと
ジェフベックを知らない
ジェフベックも
もちろん父を知らない

父とジェフを結びつけるのは
僕しかいないのだ

結びつけてもしゃーないけどね

父よ
そしてジェフさん

おかげで僕は今日も
割と楽しく生きてますよ

こんな文章のように
無駄なことに想いを馳せて

さ、ライブがんばろ






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