今日も誰かの誕生日
株価が大暴落を起こしている。悲しいかな、自分には株という物が何なのか全く分からない。「つみたてNISA」というやつをやらないといけない、やらないと、始めないともう本当にやばいんだろう、でも本当に心から面倒臭いんだ、見ず知らずの他人とごちゃごちゃした数字の話をしたくないんだ、携帯が壊れて機種変更とかする際でも携帯ショップの職員の話が理解不能過ぎて息が出来なくなるんだ、「このですね、お得プランというものがありまして」みたいな発言が嫌すぎて脳が情報処理を拒否するんだ、関わりたくないんや、とか思ってダラダラと日々を重ねていたところ、今日いきなりの(いや、前からこうなる兆候はあったのかも知れない)阿鼻叫喚、地獄絵図がX上で繰り広げられていた。
しかし、ここで勘違いをしてはいけない。 「自分は賢いからつみたてNISAに踊らされなかった、だから今慌てる必要は全く無いんだぜ!」 みたいな謎の自画自賛にゆめゆめ浸ること無かれ。そもそも、株は大暴落したらしいが、それにしても今からでもつみたてNISAは始めた方がいいのか、この事態によってまた物価は値上がりするのか、また増税とかなるのか?経済に関して何の知識も無い自分には一切分からない。確実に言えるのは、この事態で資産が減って大騒ぎしている人の方が、自分よりかは未来に於いて生き延びられる可能性が遥かに高いという事だけだ。その人達は真面目にこれからの人生やお金について考えて、そして今「リスクありきの決断」の「リスク」の部分に嵌まって呻吟している。しかし、自分は、ただ、何もしなかった。今何が起こっているのかも把握出来ていないし、失敗する事すらも出来なかっただけだ。アンパンマンのエンディングの歌詞、「わからないままおわる そんなのはいやだ」が急に頭をよぎり猛烈な不安に襲われる。あれが 「わからないままおわる… それでいいのかもなあ」とか言い出す、なぎら健一みたいな歌詞だったらどれだけ気が楽になっただろう。やなせたかしはそれを許さない。
椎名林檎の「丸の内サディスティック」において、若い身空だった自分が真に感じ入るべきだった部分とは、「青姦で〜いって〜頂戴〜」 みたいな過激な表現ではなく、「領収書を書いて頂戴〜」という、地に足の着いた態度にこそあった、そう思わされる日が増えた。自分が青春時代に聴いて、そして今でもコンスタントに活動しているミュージシャン達の大半は、ちゃんと税金対策として領収書を貰っていそうな人達ばかりだ。いや、適当に生きてる雰囲気が全身からまろび出ている音楽家達が未だ素晴らしい作品を作り続けている例も多々あるんですが。奥田民夫とか。恐らく、「自分は、クリエイティブな行為に興味があります!」 という高い志を持った青年には、訳の分からない欲望をふわふわと適当に茫洋に追い続ける「ピザ屋の彼女になってみたい」 コースと、現実的な収入、支出を見据えた上で己の個性を生かした表現活動を持続できる様に努力する「領収書を書いて頂戴」コースの二種類があるのだろう、と気付いた時には、自分は最早後戻り出来ないレベルでピザ屋コースを履修していた。もうピザ屋の彼女になるしか道は残されていない。あ〜望む処っすわ!!血が滾るっすわ。あと、これはこの文と関係あるのか無いのか分からないんだけど、奥田民夫の「イージュ☆ライダー」の「何もないな 誰もいないな」って歌詞、若者の唄っていうよりは、中年になった自分の心象風景に凄い重なるんですよね。「道はただ延々続く」、マジでそれって感じで。
奥田民生/イージュー☆ライダー
こりゃ売れるわな。「話しながら」って、誰もいないのに誰と話してるのか昔から疑問だったが、まあ自分と話してるんだろうな。独り言ばっかのおっさんって感じで。俺も見事にそうなったよ。
株価が大暴落、っつってもみんなが大騒ぎしてるわけじゃなくて、「ああ〜大変な事になったァ〜!!」と嘆いてる真面目な人達と、「え、何?株価大暴落?ほえ?」みたいにきょとんとしながら日常をポストしてる人達(「あえてこの状況について言及しない」とかじゃなくて)とに綺麗にセパレートされてるんですよね。 領収書サイドとピザ屋サイドに。で、もちろん俺の知り合いなんて全員揃いも揃って株だの仮想通貨だのどこ吹く風、将来僧に成って結婚して欲しいみたいな事しか考えてないスナフキン野郎ばっかりなんですよ。だって俺、今日この歴史的な事態になったこの日にX 開いて一番最初に出てきたの、知り合いがRTしたこれだよ?
パット・スメアの誕生日のおいわい!!!ま、普通に考えれば株よりもパット・スメアだわな。役者が違う。とにかく、もう新自由主義は終わりだ。終わり。これからは共産主義っすよ。
The germs/Communist Eyes
あぶらだこ/米ニスト
久しぶりに聴いたら歌詞がツボに入ってめちゃくちゃ笑ってしまった。「真っ正面から最悪な事言うなあ〜」って感心したよ。「湯船の中でクソしてくれ」て。懇願すなよんな事を。この曲って剃り込みジジイが共産主義に心酔してたエピソードから生まれたんだっけ?歌詞の意味をどこかで読んだ気がするが忘れてしまった…
いや、あぶらだこにウケている場合では無い。一体、この危機的状況をどの様に打破すればいいのか?自分は今からでもつみたてNISAをやるべきなのか?一回、Xで、小倉優子の写真に文章が添えてあるポストを見た事があったんですよ。「NISAには手を出してない、国が推してるから何か裏があるんじゃないか、自分は株をやっていてリーマンショックで痛い目にあった(から懐疑的だ)」みたいな事が書いてあって、「小倉優子がこう言ってるんならNISAはしなくていいのか…」とその時思ったんですよね。「株やってた人だし」って。十数年前のさあ、呑気に小倉優子のグラビア見てる自分に言いたいよ、「将来のお前の経済的指標の礎になる人物はこりん星人だぞ」って。「『うきうきりんこだプー』とか言ってた人の発言をお前は神託として賜るのだ」と。本当にさあ、小倉優子がグラビアでブイブイ言わせてた時の「ゆうこりんのキャラは作ってる!こりん星出身とか本人も信じてないんだ!」みたいな言い争いがファンの間で起こってた時代は平和だったよ!!平和っていうか、俺みたいなバカでも気楽に生きてていい時代だった。今って小倉優子のつみたてNISA評が的確かどうかでディスカッションが起こる時代だろ?!恐ろしいよ。こりん星に在住してる他のこりん星人達もひいてるよ。こんな殺伐とした星に我々は親善大使を送ってしまったのかって。
地球の事書いてて思い出したんですけど、全ての事を真剣に考えていない事が丸わかりな話の変え方するんですが、最近EARTHってバンドのHEXってアルバム買ったら最高でした。EARTHは本当に全ての作品のジャケが、というよりCDとしての佇まいがかっこいい。真心ブラザーズの「アイ・ウィル・サバイブ」くらい完璧。
で、HEXの内容が、暗いギターリフがずっと続くインストで、爽快感とかは微塵も無いんだけど、「ロックっていうのは、こういうもんでしかないんだ」って諦念が根底にある気がしたんですよ。若者達の激情の奔流とか新しい音楽の形態を担うものだとかいろいろ形容されてきたけど、元を正せば「ギターであるメロディを弾いて、それを何回か繰り返したり違う展開にしてる内に、聴衆もそこはかとない楽しさを感じる、ロックっていうのは、その位のしみったれた娯楽でしかないんだ」という確たる主張を感じるんですよね。そこが今のAIとかが標榜する、思惟的であるが故の際限の無い自由さに真っ向から異を唱えている気がして感動した。EARTHは暗いロックによって「この世に生まれてしまったが故の悲しさ、不自由さ」を、何らかの価値を有する物に変えている。偉い。そういえば小室哲哉のglobe(地球)も不倫がどうのこうのみたいな暗い歌ばっか歌ってたし、バンド名を地球にするとやっぱ暗い気分になるんでしょうね。「温暖化がなあ…」とか「人間は地球に必要なのかなあ…」とか考えて。アース・ウインド&ファイアーは明るいバンドだけど、その頃はまだ環境問題が深刻じゃなかったから。
Earth,Wind&Fire/September
で、自分は毎週5000字を目標にしてnoteを更新してるんだけど、今週は全然文字数が足りないんですよ。先週も同じ事が起こって、で木曜にもう一回noteを書いたのね。でも、「この人もそれなりに将来について真面目に考えているんだ」と思われる様な事を言うんですが、明日から一週間以上雨が降り続けるらしいのですよ。もう来週のnoteの更新時に低気圧で地獄を見るのが既に決定済みじゃん。そんなんが確定してる週との間にもう一回の更新は、すまんが無理。死ぬ。3800字でnoteが終わる週があってもいい。俺が許す。
最近買った本です。とにかく「害獣駆除で殺され続けているクマを守りたい」という強い思いに満ち溢れた本で、人間10人くらい殺してそうなツキノワグマの写真の横に「扉を開けると親しげに寄って来るツキノワグマ。恐怖の黒い塊には見えない」というキャプションが添えられていてマジで衝撃でした。見えるって。至高の領域に達した推し活だと思って震えたよ。では、また来週〜!
ありがとうございます!