ディア ロンリーガール
ここのところ、noteを更新した後にXで「note更新したんでよろしく!今週も面白いぜ!!」みたいな告知するのが心底面倒臭くなって、で数週間止めてたんですよ。そうしたらみるみる読者数が減っていって「ああ、やっぱりXでのプロモーションを怠ってはいけないのか…」と思ったんですが、そもそも、読者数が増えて何になる?極端な話、この連載が毎週2000人から読まれる様になったら俺は何か得するのか?企業から案件とか来るのか?来るとして、じゃあ俺は今その為にこんなことをやっているのか?「こんなおいしいおうどん、今まで食べた事がありません!」とか書いて日銭を貰う、そういう将来の為に今noteを更新しているのだろうか?分からない。
それで、若い人ならば、何かを続けていてこういう考えに陥ったならば「もう飽きたんで止めます」みたいに宣言する方も多いだろうとは思うんですが、俺はそんな理由ではこのnoteを止めない。何故なら、もう飽きてる飽きてない以前の問題で、自分の挙動全てに俺は遥かな昔から飽きているから。食事から睡眠まで自分のやる事全てに飽きている。何一つとして心は動かない。完全に飽きてるのに尚且つ続ける、それが中年の美しさだ。刮目して欲しい。この純粋な魂、きたならしい輝きを。その目に焼き付けて欲しい。
桑田佳祐の「真夜中のダンディー」の主人公、あいつから全ての羨ましい部分を剥奪した生活、大体の中年の人生はそうなっていくのだろうと思う。背広の中に金銭も溢れて無いし配偶者も居ない、「真夜中のダンディー 〜alternative version」。それを各々が孤独にひた走っている。「真夜中のダンディー 〜没テイク」を。がむしゃらに。歌詞凄えよな、「俺は生きている?」って。こっちも「さあ…」と茫洋に返すしか無いもんな。そういえば、辛酸なめ子の「道徳の時間」の帯に「人はなぜ生まれてきたの?」って書いてあって、でその下に有無を言わさぬ迫力の太文字で「さぁ…」と書いてて、昔初めて見た時にいたく感動したんですが、あの「さぁ…」が所謂サブカルチャーの核の部分って気がしますね。
「人間の命は尊い物だろうとは思うが、そもそも自分はそういう事を断言できる資格すら有していない、周りより劣った、本当はこの世にいてはいけない存在だ」という自己認識を基礎として、それで社会全般に牙を剥く、とにかく全方向に失礼、かつそれなりに礼節をわきまえた挙動を執拗に繰り返す点こそがかつてのサブカルチャーの魅力だった。「俺みたいなバカに何か言われた位で気にするな!お前はまともな人間だ!良かったな!でもお前は致命的に面白くないからせめて俺達が徹底的にバカにしてやるぜ!」といった、元祖ぶつかりおじさん的な根性が生み出すエネルギーが渦を巻きあぶれ者達が潜む魔境を形成していた。あの「面白いか面白くないかだけが価値基準で、面白くない物は全てゴミ」という分かり易さが本当に良かったんだよな〜、昔のサブカルは。
中年の鬱々とした愚痴が続いて読者の皆様方も嫌な気持ちになっていると思われますので、脈流無く爽やかな曲を貼らせて頂きます。bluchunksで"Cell Block Soul"です。「爽やか」と書いて思い出したんだけど、昔初対面の女性から「あなたはどうしてそんなに貧乏なの?やる気が無いからでしょう!?」とメチャクチャに説教された後で「サカナクションを聴くとねぇ、すっごい爽やかな風が吹くの!」と力説された事がある。爽やかな風。それはぜひ聴かなくっちゃだね。
The Bluchunks/Cell Block Soul
で、そういうサブカル界の残酷な風習を懐かしむ意味もあり、古本屋でしょうもないペーパーバックをまたしても買ってしまう。下らない物への郷愁が消える事は無い。「美味しんぼ」に「トロロ汁は日本人の心のふるさとなんだ」というセリフがあるが、バカバカしい物、下らない物こそが自分の心のふるさとなのだ。
ひどいよねえ…まだ裏表紙しか見てないんだけど、それによるとこのレティーフって人銀河警察らしいんですよ。警察がこんな恰好したら駄目だよ。俺事故に巻き込まれて呆然としている時にこんな人がひょこひょこ近付いて来たらひっくり返りますよ。人類が地道に築き上げてきた秩序が一瞬で無に帰すよ。というか、主人公がカニの恰好をしてる小説を今まで読んだ事が無い。
長年ダラダラと本を読んでるともうマジでストーリーとかどうでもよくなってきて、大事なのは主人公がカニの恰好してるかどうかとか、ただそれだけなんですよね。もう最悪「銀河警察のレティーフは、カニの恰好をしていた。」の一文だけで小説が終わっても別にいいからねこっちは。それを小説と呼んでいいのかは別として。そういうのが3000個くらい入ってる状態を"短編集"だと言い張っている本とか大歓迎。長いやつより遥かにマシ。「失われた時を求めて」とか。本当に何なんだあの小説は。
自分がパンクで一番好きな点って反骨精神とかじゃ無くて(反骨精神くらいAORのシンガーだろうがフュージョンバンドだろうが持ってないといけないだろう)、ただとにかく演奏が上手い人達が、実際は4分くらい掛かりそうな曲を2分半位で演奏してくれたっていう、その"時短(時間を短縮してくれる)"っていう部分に一番惹かれたんですよ。パンクというジャンルのごくごく一部分にしか当て嵌まらない話だとは思うんですが。
jello biafra with nomeansno/Ride The Flume
「映画を2倍速にして鑑賞するおじさん」とかがよく糾弾されてるけど、別にいいんじゃないですか…としか個人的には思えない。中年になる事は「死が視えてくる」という事で、限られた時間内で芸術に出来るだけ触れる為には、映画の倍速視聴という外法な手段も已む無しだと思う。見ないで死ぬよりはまだマシという気がしませんか?
長い時間や正確な記憶力を要する表現が年々辛くなってくるんですよね。2週間前のnoteで「アインハンダー」っていう、約25年前のシューティングゲームについて書いたんだけど、その時ウィキペディアを参照したらストーリーがえらい難しいのよ。「第一次星間戦争」がとうのこうのって延々と書いてあって。難しいって。シューティングゲームの設定なんて「ずんずん教の野望」くらいの適当さで十分。
これセガから出てたのか。本当に下らないゲームで。この「ずんずん教の野望」は。世界中に散らばるずんずん教徒達をプレイヤーがブチ殺していくだけなんだけど、仮にこっちの勘違いで彼等がずんずん教徒で無かった場合、本当に理由の無い大量虐殺だからね。昔のゲーセンって畳三帖くらいの大画面のゲームモニターがあって(今もあるのか?)、それでこの「ずんずん教の野望」が遊べたからね。異教徒を問答無用で塵に化すゲームが。そんな体験を子供時代にしてしまったら脳のチューニングも狂ってくるよね。びっくりしたけど、ずんずん教の野望のTシャツがあるじゃん!これは買わないと!
カルト宗教をやっつけろ!!
もう難しい、こっちに思考力を要求してくる表現が心底苦手なんですよね。漫画の「デスノート」も1話目で挫折したし。難しいっていうか、面倒臭いんですよ。考えるのが。「おそ松くん」で、崖の上からデカパンが普通に飛び下りて、危ない!!と思ってたらパンツがそのままパラシュートになって空をふわふわ降りていく話があるんだけど、それが俺が許容出来る漫画においての知的表現の限界点です。「パンツが、パラシュートに…?頭良すぎるだろ?!」と膝を打ったもん。あの知的さを越えるともう分からん。「ハンターハンター」なんていっぱい人が死ぬから頑張って読んでるだけで、あんなもん高卒が理解できる訳が無い。漫画くらい何も考えずに読みたくないですか?「美味しんぼ」が一番いい。美味しい物食べて、良い事言って、じゃあ解散って感じで。ドライっちゃドライの極みだよ。下手な悪意がない分「こいつを助けないと俺もヤバい、芋づる式に俺までパクられてしまう」みたいな"やむをえない横のつながり"も薄くなっていく訳で。腹黒さが無い分、全員が自立しないといけないドライでシビアな世界。ロンリーガール聴きたくなるね。
加藤ミリヤ 『新約ディアロンリーガール feat. ECD』
ユウザン、ヤマオカ、クリタ、コイズミ、ナカガワ、ブラック、鯛ふじに弟子入りしたジェフ、からし蓮根食べて泣いてた政治家、あの子はいま幸せかな、孤独を愛せる様になれたかな………マジでどこ行ったんだろうな、あの二人は。これは「鬼滅の刃」でキャラクターが死ぬよりも段階が上の消失だよ。だって"死者"として、思い出として登場する事すら絶対無いもん。"どっかで元気にやってます"ってだけでしょ。今更ジェフが主人公のスピンオフ漫画も出て来ないだろうし。寂しいぜ。
あと俺加藤ミリヤのスタイルブック読んだ時に「下着の線が響くのを防ぐ為に撮影の時はTバックを履いている」という文を読んで「俺も撮影の時にはTバックを履こう」と思ったんだけど、残念ながら今までの自分の人生において"撮影"が無かったね。仮にあったとして、その時もTバックじゃ無くて普通のノーパンでカメラに写るであろうよ。俺にはTバックを買うだけの知識が無い。どこで売ってるの?ドンキホーテ?
あとさっき写真貼ったペーパーバック、普通に和訳されてました。
じゃあ和訳されてるやつ読めば良いんじゃんよ!いや、泣いてなんかないよ…風がまぶしいだけ。
あと、加藤ミリヤの小説「UGLY」は本当に感動できる名著なのでお勧めです。
さっき桑田佳祐の事を書いたけど、「クリといつまでも」って曲があるじゃないですか。あれと同時期に原由子は「mother」を出してたんだなあ…と時々思うんですよね。無論余計なお世話でしか無いんだが、妻と夫であそこまで世界観が違なるもんか?普通。
で、俺は仕事中にストレスによる発狂を防ぐ為に原由子の「かいじゅうのうた」とかをよく歌ってるんですが、「ようちゃんはね〜っ ぼく〜のおとうと〜」とかハミングしながら通路に置いてある段ボールをおもっきり蹴ったりしてるんですが。「どけェ〜!!このクソ紙がァ〜!!◯ねェ〜!!」とか叫びながら。もう発狂しておるので。残念ながら。俺こそが怪獣。妖獣。誰も見てない所でやってるから別にいいんだよ!!
その楽しい楽しい仕事がもうすぐ始まるので、気分を落ち着かせる為に原由子の「mother」収録曲を最後に貼ってお別れしましょう……と思ったら、YouTubeに原由子のtopicsは無いのか?!いや、この前はあったぞ!?だから「ハートせつなく」を貼ろうと思ったのに!オィィィィィィ!!何故だァァァァァ!!まあ、仕方が無い。
さっきカニの恰好をした警官の写真を貼った事を思い出したので、我が国が誇るエビの恰好をしているバンド、溺れたエビ!のライブ動画を貼ってこの文を終わりたいと思います。ダンサブルな曲を聴きながら今週も乗り切りましょう!
溺れたエビ!ライブ動画@東京キネマ倶楽部
爽やかな風が吹いていますね!では、また来週〜!
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