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つっつクラフト今までの歩み ❸

《Minecraftのイベント》

■つっつ君の孤独

ゲームとインターネット。この2つのメディアは、つっつ君の成長を大きく支えてくれました。
しかし、彼の成長はこの2つのメディアのみに支えられたものではありません。

YouTubeチャンネル「つっつクラフト」の活動を始めて数ヶ月。
その頃のつっつ君は情報発信を楽しみつつも心の中にどこかさびしさを抱えていました。
いつも顔を合わせるお友達の中にマインクラフトを知っている子は1人もいなかったからです。
みんなが夢中になっているのはプリキュアや仮面ライダーでした。
そんな中でつっつ君は、唯一マイクラの会話をしてくれるYouTubeチャンネルの視聴者の存在をとても大切に思っていました。
しかし、視聴者のみなさんはつっつ君にコメントをくれることはあっても、
つっつ君のゲームの中に遊びに来てくれることも、実際に会うこともありません。

『なんで(YouTubeで実況している)他の人はみんな同じ画面の中でわいわい遊んでいるのに、つっつはいつもひとりぼっちなんだろう……』
『誰かと一緒にマイクラで遊びたい……』
つっつ君は静かにその想いを募らせていきました。


■つっつ君とイベント

2015年の2月、株式会社ドワンゴがゲームに特化したイベントとして「闘会議」を開催しました。
その中のブースのひとつに「マイクラ実況広場」がありました。
それは観客がマイクラで建築している所を実況者が実況しようという企画でした。
つっつ君のしょんぼりした様子を見ていたおとうさんは、
つっつ君をこのイベントに連れて行くことにしました。

会場にたどり着いた時、そこに集まる多くのマイクラファンが居たことにつっつ君はとても喜びました。
『みんな、こんなところにいたんだ! つっつはひとりじゃなかったんだ!』
他にもたくさんの魅力あるゲームのブースがありましたが、
つっつ君はずっとその場に座り、みんなのプレイしている姿を熱心に見ていました。
つっつ君は当時4歳、子供が多かったとはいえ一際幼いつっつ君を実況者の皆さんは優しく接していただき、
なんと、つっつ君は壇上に上がって実際にマイクラをプレイすることとなりました。
『誰かと一緒にマイクラで遊びたい』
その願いが初めて満たされた瞬間でした。

この時の闘会議に限らず、
特に2015年はマインクラフトがスマートフォンで遊べるPE版、PlayStation Vitaで遊べるPS Vita版が子供達の間で浸透し、一大ブームとなった年でもありました。
そして数多くの企業や民間がマインクラフトのイベントを開催した年でもありました。

・2015.2/1 闘会議 ~ゲーム実況とゲーム大会の祭典~ マイクラ実況広場(運営:株式会社ドワンゴ/幕張メッセ)
・2015.3/21 マイクラ部全国キャラバン 東京会場(運営:ソニー株式会社/銀座SONYビル)
・2015.4/25 ニコニコ超会議 マイクラ実況広場(運営:株式会社ドワンゴ/幕張メッセ)
・2015.8/22 マイクラキッズフェス 東京会場(運営:ソニー株式会社/武蔵野大学)
・2015.11/7 Minecraftオンリー同人展示即売会(運営:M.O.D.S.準備会/大田区産業プラザPiO)

どのイベントも大きな賑わいを見せ、その圧倒的な人気に私自身も衝撃を受けました。
そして、これらのイベントへの参加がつっつ君に大きな変化をもたらしました。
ひとつは、孤独の影が抜けてマインクラフトが好きである自分に大きな自信と誇りを持つようになったこと。
もうひとつは、画面の向こうに生きた人が居るということを強く意識するようになったことでした。

つっつ君はイベントを通して、幅広い年代のバラエティ豊かな人々と交流を持つようになりました。
人と関わる喜びを得たつっつ君はそこから社交性を育んだと感じています。


■つっつ君とオフ会

黙々とひとり遊びをすることが多かったつっつ君は時代の流れもあり、
多くのイベントでゲームを通した様々な体験をし、
その度にたくさんのコミュニケーションを交わす事で成長していきました。

現在、マインクラフトはアクティブなプレイヤー数が非常に多く、世界中で盛り上がりを見せています。
それはただ共通の話題で話せる人が多いというだけではありません。
盛り上がっているということはすなわちイベントもそれに応じて数多く行われているということでもあり、
自分の活動成果を配信すれば多くの反応が得られやすいということでもあります。
またマインクラフトは、実況やMOD制作をはじめとして、メーカーとユーザーがいっしょになって一連のカルチャーを作り上げているところも特徴的です。

つっつ君はマインクラフトのイベントに向かう時、
自分で作った名刺を何枚か持って、とても誇らしげに出かけて行きます。
決して親である私がつっつクラフトを宣伝し、つっつ君を売り込もうとしているわけではありません。
先に述べた実況者の方が1人のマインクラフターとして対等に名刺を渡してくれたことをきっかけに、大人社会の付き合い方というものをつっつ君が肌で感じたからです。
そこには『僕もまたマインクラフトのカルチャーを作る1人なんだ』という誇りが込められています。
ただ情報を享受するだけの子供ではなく、自分が1人の人間としてイベントに参加しているという実感は、つっつ君の社会性に大きな変化を与えました。

最近のつっつ君は、マインクラフトと教育に関するカンファレンスでの講演に登壇するなど、
たくさんの人に自分の活動を聞いてもらうことに意欲的に挑戦する様子を見せています。
それは自分が社会に認められているという「自信」、
そして自分自身のやってきたことに対しての「誇り」の現れなのだと思います。

多くの小学校・中学校では「インターネット上で知り合った人と会ってはいけない」と、インターネットの危険性としてそれを説いています。
実際、残念な事件もあり、インターネット上で知り合った人と会う「オフ会」という行為も歴史が浅く、
インターネットに触れずに育った大人たちはそれを危険なものとして感じることでしょう。
未成年が親の知らぬところでオフ会に参加することは私としても危険なことだと思っておりますし、
つっつ君に関しては当然ですがイベントやオフ会には必ずおとうさんと一緒に参加することにしています。
オフ会の中には私のような家庭持ちの人もいれば、子供が嫌いな人もいます。
けれどオフ会とは同好の士と語り合いを楽しむ場。
2歳の頃からマインクラフトを始めているつっつ君はマイクラ歴も長くベテランです。
凄いものを作る人には素直に尊敬し、同じ話題で楽しくおしゃべりをします。
ものごとを否定し、知識もなく、誰にもしゃべりかけずに楽しまない人は大人だって嫌われます。
そこに大人も子供も関係ありません。

つっつ君はマインクラフトを通して広く社会とコミュニケーションを取ることで、家庭の枠を越えた大きな成長を遂げました。

この記事は2019年1月初頒布の「つっつクラフトのゲーム教育論」から抜粋したものです。
また、本記事はファンによる制作物であり、MojangおよびNintendoとは一切関係ありません。

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