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つっつクラフト今までの歩み ❷

《親子のコミュニケーションツールとしてのMinecraft》

■コミュニケーションツールとしての魅力に気付く

おとうさんがマインクラフトを知ったのは2012年、つっつ君がまだ1歳の頃のことです。
友人から「おもしろいゲームがある」とXbox版のマインクラフトを触らせてもらったことがきっかけでした。
おとうさんは無限の空間に無数のブロックを置いて遊ぶことが出来る自由なブロック遊びの世界に惹かれ、いつか子供が大きくなったら父子で一緒に遊びたいと思っていました。

しかし、意外と早くにそれは実現することとなります。
もうすでにその頃にはスマートフォンで遊べる“マインクラフト ポケットエディション(通称:PE版)”が発売されていたので、
さっそくダウンロードしてはコツコツと秘密の地下帝国を作っていました。

そんな楽しそうなおとうさんの姿を見ていたつっつ君はマインクラフトに興味を持ち、自分でもやりたいとせがむようになりました。
当時、iPadでYoutubeの幼児番組や幼児用のアプリで遊んでいたつっつ君は
マインクラフトをiPadに入れてあげると喜んで遊ぶようになり、
おとうさんと2人で、時にはおかあさんも混じって3人でマルチプレイを楽しんでいました。

実際に親子でプレイしてみて気付いたことは、
マインクラフトは創造的なブロック遊びのツールとして優れているだけではなく、
親子のコミュニケーションツールとしても大変優秀だということです。


■マインクラフトで
子供が興味を持っていることを知ることができる

マインクラフトの世界はとても自由なので、遊び方も作る物も人によってそれぞれ違いが表れます。
それゆえに子供の興味や性格が可視化され、その子が考えている事を大人が見て感じ取りやすいツールです。

つっつ君を例にあげると、つっつ君は初めの頃、
色とりどりのブロックを積み上げて高層建築のようなオブジェを作ることに熱中していました。
それが次第にレールを沢山つなげてトロッコを走らせる電車遊びへと変化し、
その次は村人の村を大きくして街作りに励むようになりました。
そして6歳になった頃には、自分のワールドに遊びに来たプレイヤーを楽しませるための、ワールド内で遊ぶことが出来るゲーム作りに力を入れていました。

つっつ君が作った世界を歩かせてもらうだけで、
「オブジェ作り(色・形への関心)→トロッコ遊び(動きへの関心)→街作り(住環境への関心)→ゲームフィールド作り(他のプレイヤーとの交流への関心)」と、つっつ君の関心が移り変わっていく様子がよく分かります。

マインクラフトは子供が頭の中に思い浮かべている世界をダイレクトに視覚化します。
そしてその世界に誰もが実際に遊びに行くことができます。
私とつっつ君はマインクラフトを介することによって、幼いがゆえに伝えきることができない、
言葉での表現以上の豊かな世界観を共有することが可能となり、
それは私たち親子のコミュニケーションを更に充実させてくれました。


■マインクラフトは
子供と大人が同じ目線で楽しめるゲーム

マインクラフトを親子のコミュニケーションツールとして捉えた時に、他のアプリにはない優れている点があります。
それは、マインクラフトはもともと子供向けに特化して作られたツールではないというところです。
大人が遊んで素直に楽しいゲーム。大人と子供が同じ目線になって、同じ情熱を持って遊べるツールです。

いかに子供の気持ちを汲み取るコミュニケーションツールがあったとしても、大人にとって情熱を持てないツールであればその活用は長続きしません。
子供と大人が共通の話題で盛り上がれることは、コミュニケーションツールとして何よりの強みです。

親子が等しく情熱を注げる共通体験があると、その子が必要とする次のステップを子供が興味を持てる形で提供することができます。

つっつ君を例にとると、つっつ君は4歳からマインクラフトの食べ物や道具を実際に作ってみる
“目指せスティーブ! リアルクラフト”という体験学習に取り組んでいます。
“スティーブ”とは、マインクラフト上でプレイヤーが操作するキャラクターのデフォルト名であり、
マインクラフトの世界に生きるスティーブと同じように、サトウキビから砂糖を作ったり、小麦の穂からパンを作ったり、大自然の中で羊の毛を刈って羊毛ブロックを作ったりと、
ゲームの中ではボタンでひとつで出来ることを実際の世界で体験することを楽しんでいます。

味や大きさなど実際に作ってみることで発見できること、刃物や動物の危険性や、広々とした草原だからこそ目にすることが出来るものなど、ゲームにはないものがたくさんあります。
しかしその発見の喜びも楽しむことも、子供の興味と関心があってのことです。

これが、ただ親に言われるがままに博物館へ行ったり、大自然の中で体験学習をおこなっても、
子供の中にある情報と結びつかなければ深い理解は得られません。
そう言った意味で、マインクラフトの世界はそこそこリアルに近く、そこそこ簡略化されているので、
物事への興味のきっかけになりやすいと言えます。


■親子のコミュニケーションを経て
夢を語るようになったつっつ君

リアルクラフトによる体験学習を始めてから半年が経ち、つっつ君は5才になりました。
マインクラフトと並行してiPadのアプリで元素図鑑を与えたり、DVD付きの図鑑を与えるなどして、
つっつ君は世界の様々なものに興味を持つようになりました。
そして5才になったつっつ君が特に興味を持ったのは宇宙でした。

そこで、マインクラフトの“MOD”と呼ばれる拡張システムを使いながら、宇宙の勉強を始める事にしました。

マインクラフトのMODの中のひとつである“Galacticraft”ではロケットを作って月や火星に行くことができます。
また、惑星による重力の違いもシミュレートされていたり、
宇宙での活動に必要な、電力・燃料・酸素といった概念が加えられ、残量を管理する計画性が求められます。
また、リアルクラフト同様、MODの中で火力発電機が出てきたら火力発電所に行き、
ソーラー発電機が出てきたら実際にソーラーパネルを触ってみるというように、
MODの中で出てきたアイテムと現実の技術をリンクさせながら宇宙へ行くための技術を学んでいきました。

つっつ君はマインクラフトの世界でロケットを作りながら
宇宙開発にどのようなテクノロジーが使われているのかを知り、
そしてその学びの糸口を携えて、
宇宙科学館でエンジンの実物を見たり、JAXAで実際のロケット開発者と会話することで、
マイクラ内で得た情報を知識へと転換していきました。
マイクラ内でロケットを作る自分と実際にロケットを作る現場の人々が繋がることで、つっつ君は宇宙へのリアリティを高めていきました。
そして、つっつ君は宇宙への漠然とした興味から
「将来安全なロケットを設計する人」になる事へと変わっていきました。

つっつ君の興味からGalacticraftをもとにMODを説明しましたが、
MODは宇宙をテーマとしたものだけではありません。
MODはマイクラユーザーであれば誰でも自由に開発し配布を行うことが出来るので、たくさんの人がMOD開発をマインクラフトの魅力のひとつとして楽しんでいます。
そして開発する人の数だけ興味の対象があり、和風建築を作ることを目的としたMODや、機械を作ることに特化したMOD、さらには量子物理学を体感するために作られたMODなど、ユニークなテーマの作品がたくさん作られています。
ユーザーはこのMODを導入することで、自分のマインクラフトの世界に新たなアイテムやフィールドを取り入れながら遊ぶことができるので、
大人はその時その時の子供の関心に合わせた、更に広い知識の糸口を提供することができます。

このようにマインクラフトは、ただのブロック遊びではなく、親子のコミュニケーションツールとして、
また、子供の興味のきっかけをつくるツールとして我が家では幅広く機能しています。

この記事は2019年1月初頒布の「つっつクラフトのゲーム教育論」から抜粋したものです。
また、本記事はファンによる制作物であり、MojangおよびNintendoとは一切関係ありません。

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