「我思う、ゆえに我あり」はいかにして綴られたか(伊藤玲阿奈)
指揮者・伊藤玲阿奈「ニューヨークの書斎から」第3回
“Discours de la Méthode” by René Descartes
『方法序説』(岩波文庫) 著:ルネ・デカルト 訳:谷川多佳子
岩波書店 1997年7月
時は16~17世紀、日本では戦国時代から江戸時代初期にかけてのことである。
1510年(論文出版は1543年)にコペルニクスが地動説を初めて公にしてからというもの、ヨーロッパ人がこの世界の仕組みについて再考を迫られたのは改めて説明するまでもないが、そ