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英語を喋れる日本人はみんなPlain English知ってるよ?

はじめに

日本語話者がPlain Englishを書けるようになるための考え方が学べるいい本に出会った。
Plain Englishとは、「速く」「効率的で」「理解しやすい」英語の伝達法だ。
シェイクスピアのような美しい英語を書きたい人は、このページを閉じてください。

最近英語を話す友人ができた。彼らともっと対話したいので、学んだことを残しておく。


Plain Englishはプレイン・ジャパニーズから

そもそもPlain Englishとは?

visually inviting 視覚的に見やすく
logically organaized 読者に必要な情報が論理的に整理されていて
understandable on the first reading 1回読めば理解できる
in plain English 一般的に使う言葉で書かれた英語

『伝わる短い英語』、浅井満知子、より一部文言を整理

らしい。
要はめっちゃわかりやすい文章ということ。
では、Plain Englishはどのくらい浸透しているのだろうか?
英語圏でのビジネス、行政、法律では常識とのこと!
例えば、企業の法的財務報告資料、SDGsの17の目標、アメリカの公文書全般など。
ドナルド・トランプのスピーチに使われる英語は小5レベルだそうだ。
小難しい英語を喋る人は、嫌われると思ってよい。

Plain Englishの重要性が伝わるといいな。

日本語と英語の違いは?

  • 日本語は、High-Contextなコミュニケーション言語である。日本語でのコミュニケーションでは、言語以外のメッセージを察することが求められる。

    • 文脈や背景の説明から始める。伝えたい気持ちや結論を最後に伝える。または伝えないことがある。

      • 例、A:「昨日から腹痛がある。(①背景1)午前中に病院に行きたい。(②背景2)だから、午前休を下さい。(③結論)」

  • 英語は、Low-Contextなコミュニケーション言語である。英語でのコミュニケーションでは、話されたことを重視し暗黙知や前提を持たない。

    • 結論やポイントから始める。背景は結論に必要なものだけ伝える。

      • 例、A:「午前休を下さい。(①結論)というのも、午前中に病院に行きたく。(②背景1)」

      • B:「了解。調子は大丈夫?」

      • A:「ありがとう。実は昨日から腹痛が続いていて(③背景2)。

    • 1回で全て伝えようと思わない。相手に聴かれたら経緯を補足すれば良い。

言わなくても察してってのは日本語特有だな。
英語は、意思や情報を言葉にして伝えないとあかんらしい。
どっちもどっちだよな。
仕事では、英語的なコミュニケーションの方が認識齟齬を減らしやすそう。
でも心の通った会話には、気持ちを察してくれる方が楽な時もある。
全部言葉にするのって理屈っぽくてつっかれる~、と感じるのは僕が日本人だからか…笑。

Plain Englishを書くために必要な3つのスキルは?

日本人が、Plain Englishを書くために必要なスキルは以下の3つだ。

  1. 「プレイン・ジャパニーズ」を書けるようになる

  2. 中3までの英語の基礎学力レベルを身につける

  3. Plain Englishのガイドラインを意識しながら英文を作る

  1. 「プレイン・ジャパニーズ」を書けるようになる。

    • 「プレイン・ジャパニーズ」は簡潔な日本語のことである。結論から話す・難しい用語を避けるなど。情報伝達を速く効率的に行うためのビジネス文書は「プレイン・ジャパニーズ」だと思う。

    • 「プレイン・ジャパニーズ」を学ぶには、このあたりの本を知ってればよさそう。(これはこれでハードだけど。)

  2. 中3までの英語の基礎学力レベルを身につける

    • 省略。文法とか単語を理解できてれば十分っしょ!

  3. Plain Englishのガイドラインを意識しながら英文を作る

    • ※ここがメイン。下で紹介する。

Plain Englishを書くための10のガイドライン

  1. 対象読者を想定する

    • 読み手の事前知識を踏まえて情報の量や順番を整理する。必要な情報をストレスなく理解させるため、可能な限りPlainな表現を使うべし。

      • 英文の「読みやすさのレベル」を測るFREスコアで、60点(中3レベル)以上がPlain Englishの目安。

  2. 重要な情報は文書の先頭に置く

    • Plain Englishでは、「結論が先・説明は後」の順に書くべし。起承転結が好まれる日本語とは違うので注意。

  3. 長文より短文を用いる

    • Plain Englishでは、1文は17~20語程度に抑えるべし。

      • 1センテンス、1メッセージで書く。

      • 短い表現を使う。(~を議論した:had a discussion about~ → discussed~)

      • 前置詞を含むイディオムに注意。(十分な~:a sufficient number of~ → enough~)

      • 冗語は省く。(very important → important)

      • 具体例を複数述べる時は、文章を分割する。

  4. 短く、シンプルな単語を使う

    • 抽象的な単語を避け、具体的な単語を使う。(リソースが不足している:lack the resource →資金が不足している:lack the funds、専門知識が不足している:lack the expertise)

    • ロマンス系ではなくサクソン系の単語を使う。(始める:commence → start)

  5. 専門用語は必要最小限に抑える

    • 一般的な読み手に対して専門用語をなるべく避けるべし。(専門家相手なら、むしろ専門用語を使ってどんどん議論すべきだと思う。)

      • 専門用語を言い換える。(motor vehicle → car)

      • 法律用語を使わない。(hereby:この先、above-mentioned:上述の)

      • 法曹界ではshallを使わない。(義務:must、推奨:should)

  6. 能動態を使う

    • 日本語の文は受動態が多いので、能動態に変えるべし。「誰が何をどうしたか」が明確になり、行動の責任の所在が明らかになるから。

      • 能動態にする。

        • この講座面白かったな、と相手に伝えたい時

          • [Bad]I was interested in this course.

          • [Good]Your course interests me.

      • 例外で受動態のが良いときもある。

  7. 強い動詞を使う

    • 一語で簡潔に表す動詞、強い動詞を使うべし。

      • 隠れた動詞を強い動詞に言い換える。(支払いをする:make the payment → 支払う:pay)

  8. 否定/二重否定を避ける

    • 日本語の文は否定形が多いので、肯定形に変えるべし。日本の否定表現は、言い切りを避けることで相手に情報を受け取りやすくさせる機能がある。しかし英会話者にはストレートな表現が好まれるそう。

      • 否定を肯定へ。(覚えてない:don't remember → forget)

      • 二重否定を避ける。(no fewer than~ → at least)

  9. 主語・動詞・目的語は近づける

    • 思いついた順番に書かないってことじゃないかな。

  10. 読みやすいデザインにする


感想

学校の授業でいつも、なぜか英語の文章の方が国語の文章よりわかりやすいんだよな~と思っていた。その謎が解けた気がする。
日本語も「プレイン・ジャパニーズ」でコミュニケーションする文化も浸透するといいのにな~と感じた。
もちろん今の会話スタイルも好きなんだけどね。

さらに学ぶための文献・リンク


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