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【詩の森】472 言葉を育てる

言葉を育てる
 
たとえ
『買い物は投票』
という言葉は知っていても
実践するのでなければ
何の意味もないだろう
日本のような地震国に
原発は要らないと思う僕は
原発メーカーの家電は
一切買わないことにした
予め表示の見えない自販機の飲料も
原材料や添加物が不安で
マイボトルに変えた
 
それかあらずか
あれほど増え続けた自販機も
今では減少傾向だという
僕の周りでもいくつも撤去された
マイボトルの普及もその一因だろう
フェードインフェードアウト―――
世の中は少しずつ変えられる
変わるといえば
喫煙者の減少はその典型だろう
受動喫煙ということがいわれて
流れが変わった
今や喫煙者は片隅の存在だ
 
『民主主義』はどうだろう
僕はとても長い間
この国は民主制だと疑わずにいた
しかし実態は
本当のことは一切いわない政府を
本当のことを知ろうともしない一部の国民が
支持しているだけではないだろうか
新型コロナの対応がその証左だろう
ただお上の指示というだけで
自主規制を受け入れた人々―――
受動喫煙も無症状感染も
その背後に恐怖が隠れている
 
民主主義とは
市民参加が大前提の制度のことだ
市民とは自立した個人のことだ
50%台の投票率と
10%程の女性議員比率で
はたして参加しているといえるかどうか
特定秘密保護法施行から約10年
どれ程の秘密が積み上がったことだろう
僕らはいつも蚊帳の外だ
知る権利は剥奪され
さらにこの国の民主制を阻むかのように
公選法の壁が立ちはだかっている
 
この国の子供たちは
大人になるまで
公選法137条の規定により
一切の選挙活動から隔絶される
そして大人になっても
同法129条が設定した
短期の選挙運動期間によって
候補者との接点を奪われているのだ
国政では何百万円という供託金が
貧者の政治参加を阻んでいる
貧者こそ政治の本当の犠牲者なのに―――
 
『買い物は投票』という言葉が
世の中を変えるわけではない
その実践があって初めて力となるのだ
『民主主義』という言葉があるから
民主主義なのではない
市民が普段から政治に参加することで
民主主義は維持されていく
『買い物は投票』を育てよう
『民主主義』を育てよう
一人一人が自立した市民となって
僕らの意志を見せつけるのだ!
 

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