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【詩の森】この世のカラクリ

この世のカラクリ
 
マスコミが伝えたことを
好んでうわさする国民なら
彼らを煽動するのは
簡単だろう
一方的に喧伝するだけで
いいのだから―――
そうやって
マスコミは
真実を隠すことができる
 
マスコミの新しい言葉を
好んで使うような国民なら
彼らに目隠しをするのは
簡単だろう
言葉をすり替えるだけで
いいのだから―――
そのような
カムフラージュ語を
僕はいくつも知っている
 
たとえばあの時
死の灰を含んだ雲は
放射性プルームと呼ばれ
それが降下した場所は
ホットスポットと呼ばれた
人々は新しい言葉に
飛びついたことだろう
英語では死の灰をfalloutという
falloutはどこまでも
falloutだ
 
忖度という言葉が
カムフラージュしたものを
君は考えたことがあるだろうか
忖度は忖度した側が
勝手にやったことだ
つまり自己完結する言葉なのだ
隠されたのは
『X氏の指示』だったのだと
僕は今でも思っている
 
僕にはこの世のカラクリが
未だによく分からない
どうやら世界には
故意に隠された情報があり
カムフラージュ語が
溢れているとやっと気づいた
ところなのだ
 
僕らが生まれたとき
世界がすでにそのようなもの
だったとしたら
僕らは知っていることを
一度は全て疑ってみなければならない
あの消費税でさえ
実は事業者負担の付加価値税で
格差拡大の隠れたエンジン
でもあったのだ―――
 
この世に生きる人々は
この世の真実を知ることが
できるのだろうか
それとも真実だといわれることを
訳もなく信じているに
過ぎないのだろうか
ましてや
あの世のことなど
おそらく誰一人
知る由もないのだ
 

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