【詩の森】662 笑顔を探しています
笑顔を探しています
笑顔を探しています
子供たちの
弾けるようなあの笑顔です
どこへいったら会えるでしょうか
小学校なら会えますか
と僕が尋ねると
その人は答えました
いやあ低学年でも無理でしょう
いっそ幼稚園ならーーー
あの笑顔になれる子供たちは
もはや絶滅危惧種とでも
いいたげです
僕の知り合いの
あるおばあさんがいいました
だれの子供でもいい
路地に子供たちの元気な声が溢れていれば
それだけで幸せだと―――
近頃は外で遊ぶ子供たちを
とんと見かけなくなったと
寂しそうにおばあさんはいいました
いったいどんな
神隠しの仕業でしょうか
子供たちは家の中でひとり
ゲームに興じているのでしょうか
それでなくても
少子化の時代といわれています
しかし少子化というのも変な言葉です
まるで社会は何も変わらないのに
ひとりでに子供が減ってしまったような
そんな印象を受けるからです
しかし実態は
結婚するのも大変 子供を育てるのも大変
生きていくのもしんどい
そんな世の中だからではないでしょうか
少子化になったのではなくむしろ
政府が少子化を推進してきたのです
僕の親父の兄弟は5人
僕の兄弟は3人
そして僕には子供が一人だけです
東京都の人口にも満たない
北欧のスウェーデンという国は
教育費と医療費をほぼ無償にしています
それでも国民負担率は58%ほど
因みに日本の国民負担率は48%ほどで
10ポイントの差しかありません
非正規雇用による賃金格差拡大や
教育予算の削減
日本政府の政策はまるで真逆です
笑顔を探しています
子供たちの弾けるようなあの笑顔は
どこへいってしまったのでしょうか
スウェーデンは
一人一人の幸せを願う国です
一人一人の力の総和が国の力だというのです
子供たちのあの笑顔は
どこから出て来るのでしょう
安心感 信頼感 幸福感 自信
ただ生きている手放しの喜び―――
子供たちの笑顔の喪失は
少子化と深く関わっています
2024.6.22
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?