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須賀 天気の子 須賀 感想 須賀【ネタバレあり】

勢いで文を書き出してるあまり人に読ませる文をしていないのはご了承下さい。

ネタバレバリバリあるので未見の人は読む事を推奨してません。

ネタバレOKな身分の方には読んで頂けると嬉しいです。

天気の子全体の話

全体の感想としては前評判のゼロ年代エロゲというのが本当にしっくりくる作品でした。自分の年齢とノベルゲームが得意ではないのもあってそこに対しての造形はあまり深くないのですがそれでもその評がふさわしいんだなと合点の行く作品でした。

主人公の家庭の事情なんてものは外から見ると些細なもので主人公の東京へ行くという動機はどちらかというと外へ出たい、島で終わる生活に対した漠然とした不安からくるものなのかなと。須賀はよく覚えていないけど主人公のいた島が神無島?みたいな名前だったのでそこで何かの取材があったのかなと。勝手に頭の中で北海道と思いこんでたけどそれは多分間違いのはず。最初雲の中の生き物が破裂して船が大きくヒールした時須賀が助けたシーンは違和感があって、そもそも乗船アナウンスで雨の注意が流れ、船内に人が戻る流れだったのに雨に強い執着心のあった主人公ならともかく何故須賀があそこにいたのか。多分須賀はそれ以前から主人公がどこか気になっていたんだと思う。その後の経緯からも察っせられる通り須賀も家出してきた身で東京で生計を立てている。その須賀が船内にどこか家出かのような趣のある少年を見かけたら気になるものであろう。そして看板に来てみたら危ない目にあっていたため助け、物語に合流したのかなと。

東京についた主人公が何故新宿を活動拠点に選んだのかがいまいち分からなかった。なんでも知恵袋に聞いてしまう描写で察せられる通りあまり世間に明るくない少年なので歌舞伎町の様なアウトローな雰囲気のある町なら仕事くらい見つかると考えたのか、それともホストの雇い主を探すために歌舞伎町へ移動したのか。
スカウトの兄ちゃんに蹴られたシーンは職を見つけられない主人公と主人公が女性ならもっと楽に金を稼げたのかもしれない(それが良い手かどうかはさておき)みたいなのの対比になってる?
その後新宿のマックで夜を明かす主人公。
同じマックで朝東京ミステリーサーカスに凸するために夜を明かした事あったので少し親近感が湧く場所だった。

その後須賀の所に働きに行く主人公。事務所にいる大人の女性。余裕があり含みのあるような所作。思春期男子への圧倒的な暴力。あの年頃の男子を主人公に据えるならぶつけたくなるキャラクター。最初の描写だと20中盤以降かと思ったけど多分それは主人公視点での補正が入った描写?その後のシーンから受ける印象は年相応の女性のように見えた。(大学生くらいかなと思ってる。)彼女と須賀と主人公の疑似家族。最後のシーンでは彼女は子供に寄り添い須賀が大人としては諭すみたいなシーンもあってこの大人の女性から大人になっていく女性へと描写が移り変わっていくのが主人公との距離感に比例して行われているのは凄く美しかった。その変化を感じられるシーンで一番好きなのは天気の子をネタになるって言った主人公に圭介に似てきたねって嫌味を言うシーンと須賀の娘との面会の日のベンチでの掛け合いのシーン。最後の警察とのチェイスも良かったけどその2つのシーンがとても好き。二人の関係性がよく出ててとても良い。
あと雨の中バイクで逃げてるシーンで水の中に突っ込むところはシャークネードの1作目で実は金持ちだった爺さんが死ぬあたりと背景の構図が近くてちょっと面白かった。
あと愛人じゃないって分かるシーンもよく考えればあの別人のブラジャー見つけたシーンも反応薄い所からそう取れなくもないのかなとか。浮気してる自覚持ってる愛人や余裕ある人ならそういう反応返すのかもしれないけど。

ここで主人公が卵割るの下手だったとことかから親は存命かつ料理を作ってくれるくらいの間柄だと察せられるからそこまで厳しい家庭環境ではなかったのかなと。家出する資金がそこそこあったように見受けられたから多分貧乏でもない。知らんけど。

ちょっと経ってヒロインと接触。主人公は必死で助けようとしたものの馬のりにされる。この主人公はこのあとも何度も馬乗りにされるのはちょっと面白い。助けたものの余計なお世話だったと言われる主人公だがその後ヒロインと交流を深める。
ここでヒロインが年上と嘘をつくのが良くて、年上で自分で生計を立ててる女の子、余裕のある大人の女性、面倒を見てくれ気にかけてくれる男性、恋愛経験で圧倒的な先輩の凪、という自分が一番子供という構図。これが最後にひっくり返ったのが主人公が警察から逃れヒロインのために走り出せた理由だし彼の成長物語としての転換点になるから大事だった。どこか近い境遇の男の子に見栄を貼る女の子という構図も良い。

そこから晴れ女で商売を始めようとする。ヒロインの家に訪れた主人公がチキンラーメンとポテチで作った料理を振る舞ってもらう。
CMが凄いみたいな話はこれとホテルの話かな。まだCMをちゃんと見てないから分からん。
凪くん登場。最高。かわいい。スーパーショタ。この子がいなかったら俺が映画館に行く日は1週間遅かった。俺を早くこの作品に出会わせてくれた神。
ショタとラブホに行くシーンがあると聞いて見に来たのだがそれは思ったのと違ったけどあまりにも切ないシーンだったからそれはそれ。
なにか手伝おうとしたときにてるてる坊主つけた傘と着ぐるみを用意した時に凪くんが着ぐるみを着てるのが凄く良かった。
一晩開けたら仲良くなってるの年齢を感じさせれくれて凄く良かった。

そこからトントン拍子に晴れ女ビジネスは成功。主人公の給料が発覚。3kってお前……。主人公は一発で自分の月給を超える額を提示しようとしていたと思うと泣ける。買ってた指輪も確か3.4kじゃなかったかな。そのときは給料一月分かと思ったけどよく考えると晴れ女1回分の金額と同じ?もしかしたら全部気のせいかもしれない。
滝くんらしき男性登場。
最後の依頼者は須賀。
このシーンが作中で3番目に好き。2番目はラブホ。1番は須賀が主人公を助けて屋上へ向かわせるシーン。
娘への思いが主人公に伝わるシーンでもあり、ヒロインが自分の身の上を知るシーンでもあり、主人公の周りの人物の関係がある程度整理されて行くシーン。
手前で娘との面会を何度も希望していたシーンがあったことも相まって結構きた。
本当にいいシーン。

須賀と別れたあとヒロインから事実を知らされる主人公。
警察の訪問。
須賀からの別れを切り出される。
この時主人公は今まで信頼していた須賀からの別れを切り出されることに対して大人との隔たりを感じたのかなと。
多分主人公は須賀が助けに来てくれたと思っていた。そこから裏切られ大人に対しての絶望を感じたからこそ3人での逃避の決行。
須賀が退職金と行って万札を数枚渡していたのも印象的で大人になれと言いながら大人に渡す額ではなく、子供に渡す額としては大きすぎ、一日3人が逃げるには十分な額。
どこまで須賀の思いが含まれてたのかは分からないけど主人公への庇護心や罪悪感が入り混じった感情が現れてるなと思った。
須賀が家に帰ったあと飲んだくれて優先順位を変えられなくなってるっていうのが印象的だった。
須賀の考え方の上では確かに今彼を助けてやるべきだという気持ちがありながらも娘と暮らすことの優先順位が下げられないことへの罪悪感。
罪悪感に浸ってたわけとの罵倒すらもどこか許しに感じるかのような。

3人での逃避行。雨で電車が止まり宿を探すも未成年だけかつ空き部屋がある宿が見つからず。
警察に見つかり、ひと悶着あるもなんとかラブホに入る。
3人でラブホの高い部屋を楽しむ。風呂ではしゃぎ、普段は食べない様な高い値段のカップラーメンや焼き鳥を食べカラオケで騒ぐ。
幼い年齢の中の特別を凝縮したかのようなシーンでとても良かった。3人はこれが続くとは内心思ってはいないのだろうけど、それを意にせずその場を楽しむ様はめちゃくちゃ切なくて良かった。部屋に入った時座り込んで笑い合ってるシーンも自分たちの現状の変化についていけずとも笑い合うことで誤魔化しながら耐えようとしてるようで辛かった。
ヒロインが主人公に私が消えて……という話をした時、主人公が日和らずしっかりと別れを嫌がったのが良かった。
この作品のとても気持ちのいいところの一つとして主人公がヘタレ切らないとこがあって視聴者が言ってほしい事をちゃんと言ってくれ、なそうとしてくれる。この作品はこの点が本当に凄く良い。

朝ヒロインがいなくなり、警察に取り押さえられる。
ヒロインは空の世界で体をなくし主人公との繋りである指輪を失う。
ここでヒロインの年齢を知った主人公が自らの甘えを恥じ悔しがるシーンはとても良かったし、警察との会話で大人との断絶が気持ちよく描かれてた。
気持ちこそ主人公へ寄り添うものの視聴者としての自分は警察の言い分が分かってしまう分主人公は視聴者とあったとしても断絶を感じただろうのとか思った。
同じような立ち位置に作品内でいるのが須賀で、だからこそ自分は須賀に思い入れが強かったのかなとか思った。
児童相談所に面会に凪の事が好きな女の子が訪れてくるシーンはあまりにも凪の用意が良く、頭のキレる様がとても気持ちよかった。あの女の子二人の役割分担、予めお互い知ってたのかどうか考えると無限に楽しい。
凪くんの女装はズル。最強。超サイヤ人神。
警察署から逃げるシーンは本当に感動した。
心の底からあそこで逃げる選択を取るとは思ってなかったし、破れかぶれの逃げではなく、ヒロインを助ける一心での自分の思う最適最善の方法として逃げ出そうとしたことに感動した。
須賀の事務所が雨に埋没してるシーンで何故須賀は窓を開けたんだろう。
事務所が地下にあったのはきっとあのシーンのためなんだろうけどあのシーンの意味を正しく理解できている気がしない。
ヒロインや主人公に対しての罪悪感とかそういう方向だと思うけどもう少し多くの含みがあると思う。
取り調べの時指輪をはめ直してるシーンで泣いてたのはどっちなのかも結論付けられなかった。
娘から主人公へ優先順位を切り替えてしまったことへの罪悪感からなのか自分の境遇と主人公を重ね合わせ自分がしたことが過去の自分とその妻への裏切りと取っての涙なのか、ヒロインと自分の妻を重ねた事からの涙なのか。
あのシーンがあってこその最後のシーンだと思うのでなんとか自分なりの解釈を見つけたい。

スクーターで助けてくれる所も良かった。子供から大人になっていく人が子供としての役割を果たし、大人として主人公を見送る構図がとても良かった。カーチェイスというのはどういう状況においても熱くなるし、最初にあった取材周りとの比較で変わらない関係が現れてて凄く良かった。
電車沿いを走るシーンは周りが笑ったり驚いたりしてる中自分だけが必死になっている様は世界と決別してでもヒロインを取ったというのを印象づけるようだった。

最後の須賀の引き止め。
須賀が大人として振る舞う最後のシーン。彼が止めに来たのは主人公を救うため。けれど主人公の意思を曲げ、ヒロインを捨てる行為を主人公が受け入れるわけもなく先へ進もうとしそれを止めようとして主人公は再び銃を持つ。
須賀が泣いてたのは警察の言っていた女の子のために人生を棒に振ってでもみたいな話に自分を重ねたからかと今思った。
警察に捉えられる主人公。そこで須賀が警察を突き飛ばす。
ここが一番好きなシーンだった。
これまでの主人公に手を差し伸べ続けたこと、須賀の葛藤、娘を引き取る事。大人としてのケジメ。主人公を助けたいという感情、過去の自分、いろんなものと折り合いをつけながら主人公に歩み寄ろうとし失敗していく様。そういうの全部含め、全てを精算し、主人公を助けたい感情で動いた事に見ててどうしようもなくなってしまった。あの瞬間、ずっと待ち望んでいた娘を引き取る事すらもかなぐり捨て、今この瞬間の主人公を助ける様がとても尊いものだった。劇場で久しぶりにありえんくらい号泣してしまった。
このあと凪くんが女装姿で応援に駆けつけてくれる。このショタはどこまで見えていたのか。

このあと空の世界へ飛び主人公は再びヒロインとまみえる。
この時の主人公がめちゃくちゃかっこよくて最高のシーンだった。
迷いなく一切を捨ててヒロインを取るのはこれまでの自分とヒロインの歩みを全て肯定していて凄かった。
凄い。

3年後の話。
細かい主人公がどういう空白期間を過ごしたかみたいな考察は今度書く。
須賀の見せた写真に凪が写っていた事がとても嬉しかった。あの中の誰がかは分からないけど誰かが凪を引取ってくれたのだ。
片親で孤児引き取れるのかみたいなのはどうなのかだけ気になる。そこまで詳しくないので。
ただ娘とデートと表現していたから多分娘はまだ引き取れていないのかなとか思った。けれど主人公に一切責任を感じさせないようにする言い回しをしているのが凄く良かった。
あの水没した東京を見て、もちろん彼女がいる世界みたいな諸々の感傷はあったのだけどそれとは全く関係のない戯言としてこの東京でセーリングするのは楽しいだろうなと思った。
上空に大きな低気圧あるならある程度風吹きそうだし街の中をヨットやウィンドサーフィンで滑走するのはとても楽しそう。
3年でそこまで人は至らないだろうけど数年すればそういう生活スタイルノヒト出てきそう。

この作品の位置づけみたいなのはツイッターで見かけるだけでも十二分に述べられているしエロゲ詳しくないので控える。
なのでどのシーンがどうみたいなのだけ書きました。ほぼ良かったしか言ってない。

須賀の話

この作品で一番好きだったキャラクターなので明日か明後日にはこのキャラについて細かく書いていきたいと思ってます。今は眠すぎるので。

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