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母の読書感想文で賞をもらってしまった私が、39年経って『ものかきキャンプ』に挑戦する話

アラフィフ 挑戦します


こんにちは。とろです。
不器用で失敗多め、ポジティブなアラフィフです。
文章力ゼロの私が、2日後に始まるまよまよ先生の文章講座「ものかきキャンプ(ものキャン)」に挑戦することになりました。「ものキャン」とは、電子書籍出版に特化した3ヶ月の
オンラインライティングスクール。講座開始前から、課題もたくさんあって、もうすでに溺れかけています。

「ライティング初心者が電子書籍出版って、ハードルが高すぎませんか?」

はい。
自分に何度も問うてきました。
ハードルはそびえ立つほど高い。
電子書籍出版までは正直、震える。
でも、私には、どうしても、文章を書けるようになりたい理由があります。

理由は3つ


理由1つ目は、シンプルに文章がうまく書けるようになりたいから。
私は、子どもの頃から「伝わる言葉」=わかりやすい言葉・感性に響く言葉にこだわりがありました。本の中にそんな文章を見つけると、心から感動して朗読せずにはいられません。3ヶ月後、私も伝わる言葉が書けるようになりたいと夢みています。

理由2つ目。
この人の人生を文章にして、昇華させたいって人がいます。夫です。
夫は病気のために20才でロービジョンになりました。途中で視力を失う辛い経験を乗り越えてきた彼の言葉は、きっと同じように傷ついてきた人を励ますのではないかと思います。そして、途中視覚障害者を支える人たちの想いも、私なら書けるかもしれない。いつか「伝わる言葉」にして、必要な人に届けたいです。

そして、理由3つ目。
私が文章を書くことを臆するようになった決定的エピソードがあります。
完全なるトラウマで、「ものキャン」挑戦に一歩を踏み出そうとした源。
39年間も封印してきました。苦い思い出で、とても迷いましたが、今回は私の秘密を書きます。

変わりたいと思っているあなたへ


いま何かに悩んでいて変わりたいと思っているあなたが、転んでは起きる私を見て、自分も何か挑戦してみようかなって思ってくれたら幸いです。一歩を踏み出せずに躊躇しているあなたが笑ってくれたらうれしい。

私はこれから3ヶ月、荒波に入ってきます!
入学後は2週間に1回のペースでポンコツっぷり報告します。
応援をどうぞよろしくお願いします。


気にしない気にしない  ひと休みひと休み

エピソード1 母の読書感想文で賞をもらってしまった話


小学4年生の夏休み。私は読書感想文が書けなくて頭を抱えていました。

『ジャングルの少年』(世界傑作童話シリーズ)チボール・セケリ著 福音館書店(1983年)。

『ジャングルの少年』はその年の課題図書で、母が買ってくれました。表紙には、緑豊かなジャングルで弓を構える少年の絵が描かれていて、いつまでも撫でていたくなるようなツルツルの手触り。課題図書の赤いピカピカしたシール。シールに隠れた部分が見たくてそおっと剥がそうとしましたが、1ミリほど試して皺が寄ってしまい、諦めたのを覚えています。


内容は、アマゾン河を渡る船が座礁して、ジャングルに取り残されてしまった探検家ニイクチャップのお話。大人であるニイクチャップが少年クメワワと出会い、ジャングルで生きる人たちの知恵に触れ、友情と信頼を深めていく冒険物語だったと記憶しています。
私は、物語の深いテーマなんかには気づかず、本で知った熱帯雨林の生きものや、クメワワの片言の喋り方に夢中になりました。読後しばらくは、片言でしゃべる遊びと冒険ごっこがマイブームでした。

2行目から書けない


「わたしはクメワワがすきだ。」
1行目にこう書きました。
その先、ワクワクドキドキした気持ちを書きたかったのですが、言葉が出てきません。長い本が読めたという高揚感。面白かったなという素直な気持ち。焦るほど、ひと言も言葉が浮かんでこない。2行目から書けない日が何日も続き、気づけば夏休みも残りわずかでした。

私にとっては1行目の言葉がすべてです。仕方なく2行目から先は、面白かったセリフと覚えたての生き物の名前を並べていきました。

400字詰め原稿用紙3枚。なんとか書き終えて母に見せると、翌朝、1行目以外ほぼ訂正線をひかれて戻ってきました。せっかく書いた文章が何本もの線で消されたことに腹が立ち、母から見えないところで用紙を放り出しました。
線だらけでは出せません。しぶしぶ母の作った穴埋め式の括弧を、埋めていきました。本を読み直して括弧の答えを探しましたが、文章を作る作業は楽しくありません。ワクワクした気持ちはもう起こりませんでした。

母の添削は3回。なかなかOKが出ませんでした。やっと清書したのは、夏休み最後の日。私は、ほぼ母の感想文になった宿題を出しました。

感想文のことなど忘れた頃、朝の全校集会で私の名前が呼ばれました。私の読書感想文が学校のコンクールで選ばれたのです。拍手の中、身体が硬直したような、背中が寒くなるような気持ちで立っていました。

自分の言葉でがんばって書けばよかった。賞状なんていらない。


学校中の全員に嘘をついてしまったような罪悪感。それでも、賞状には、私の名前が書いてあります。クメワワにも悪い気がしました。私は、物語を心から楽しんだのに、自分の言葉で表現できなかったのです。

家に帰って、賞状のことを母にサラッと伝えました。「よかったね」ってニコっとされて、胸がチクチクしたのを覚えています。母は文章が上手で、子どもの感想文を手伝ってあげたいいいお母さん。9才の私には複雑な気持ちでした。

これが、文章を書くのが怖くなってしまった私の苦い思い出です。

2行目から、どうやって書けば自分の言葉になったのか、今もまだわかりません。伝わる文章が書けるようになったら、もう一度読み返して、今度は自分の言葉で感想文を書いてみたいと思います。

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