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WITHIN THE RUINS / Black Heart 【音楽レビュー】

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1. Domination
2. Deliverance
3. Black Heart
4. Open Wounds
5. Eighty Sixed
6. Devil In Me
7. Hollow
8. Outsider
9. RCKLSS
10. Ataxia V     


 US産メタルコア、2020年リリースの6thアルバム。

バンド名や過去作のジャケはよく目にしていたけど、聴かず嫌いというか、何となくスルーしてきて初めてまともに聴いたのがこのアルバム。曲で言えばタイトルトラックの#3. Black HeartでWithin the Ruins初体験。

 アートワークがまず良いけど、曲もめちゃくちゃかっこええ。。人生ちょっと損してた。
過去作も遡って聴いて、今やメタルコアで一番好きなバンドに。
どの曲も一聴してそれと判るWithin the Ruins節が散りばめられている。メタルコアでここまで個性が確立した音を鳴らしているバンドが他にあるだろうか?

 メンバーは初期からのKevin McGuill(Ds.)とJoe Cocchi(Gt.)、前作から加入のPaolo Galang(Ba.)は変わらず、Steve Tinnon(Vo.)が今作から加入。
Steveはちょいマッチョな感じの太めの咆哮主体で、前任者と同系統なので昔から聴いている人も特に違和感無かったのでは。
曲によって登場したりしなかったりするPaoloのクリーンVo.も良い声で良いメロディ。やたらと多用せず、もっと聴きたいと思わせる程度に抑えられているのも良い!この先クリーン割合が増えても、それはそれでいいけど。
Kevinのドラムは派手なプレイはあまり無く、あくまでJoeのギターを活かすための堅実なプレイに徹しているという印象が強いが、ここぞと言うときに壮絶プレイを繰り出すから惚れてしまった。
音質はクリアで各楽器のバランスも良し。


1. Domination
もの悲しげに響くギターから入って、期待を裏切らないタイミングでガツンと始まる、オープニングを飾るに相応しい名曲。


2. Deliverance
どこかで聞いたような、ゲーム音楽みたいなキャッチーなメロが多用されている。正直、最初はダサいと思ってしまったが、その時の自分を殴りたい。ダンサブルなリフと相まって、最高にクセになる。


3. Black Heart
イントロのピロピロとヘヴィなリフのコンビネーションがこれまた最高な、タイトルトラックになるのも納得な名曲。このメインのヘヴィなリフがかっこ良すぎ。
SteveとPaoloのヴォーカルの掛け合いも良い。3:11頃からの、鳥の歌声のような美しい高音のギターメロはこの曲で一番好きなパートかもしれない。


4. Open Wounds
メロディアスなフレーズをツービートに乗せて疾走するイントロから心が躍るが、最大の聴き所は、1:35頃から始まるインストパートでのKevinのドラム。この速いテンポ(bpm230~240くらい?)で、本領発揮の高速ブラスト&ツーバス連打。嵐のように叩きまくり弾きまくるこのパートが気持ち良すぎる超名曲。


5. Eighty Sixed
インスト曲。この手のバンドでよくある、アルバムの中に有っても無くてもどうでもいい(というか邪魔なことが多い)インタールードやSE的なやつではない。本当にただVo.が入っていないだけの、キャッチーなメロのフックが効いた、いつものWtR節満載の一曲。

6. Devil In Me
DjentリフとSteveの咆哮による比較的淡々とした流れから、一気に爽やかさ拡がるPaoloの歌メロがメインとなるポップな曲。ええ声すぎる。

7. Hollow
冒頭の、軽快なギターリフからの「オァウゥゥ…ィイヤアァ~~~~~!!ア゛ア゛ーーーーーッ」で大興奮。それだけで既に最高。2:14頃からの、チャイナシンバルの乾いた音が響くブレイクダウンと、そのあとに続くロシアかどこかの民謡(テトリスの曲)を用いたギターが印象的。

8. Outsider
ゆっくりと悲しげなメロを奏でるギターから、野太い咆哮を合図にヘヴィなパートへ突入。この入り方は#1に似ている。Paoloがイントロのメロディに乗せて歌って哀愁倍増。

9. RCKLSS
スローテンポで、哀愁と怪しさの入り混じったダークな雰囲気。テンポが遅い分、Steveの咆哮には他の曲よりも感情が込められているように感じる。Steveが慟哭している!

10. Ataxia V
2ndアルバム以降続く、インスト曲シリーズの第5弾。そこそこ勢いある序盤から、クラシックギター(?)のような渋いパートを挟んで、終盤は落ち着いた雰囲気となってフェードアウトで終える。
今回のアルバム中で最長の6分越え。それでも退屈とは無縁、緩急メリハリのついた、WtR節が散りばめられた名曲。



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