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映画が大好きだという話

小さい頃から映画が大好きだった。
ジブリとディズニーのVHSを擦り切れるほど観返す子供だった。


そんなわたしが中学生の時、本屋で偶然見つけた蒼井優と松山ケンイチの表紙の雑誌に出会ってしまったのだ。その時の表紙のチャイナドレス姿の蒼井優、キーラ・ナイトレイやナタリー・ポートマンの特集の写真と文章量・熱量の素晴らしかったこと…!!!!(バックナンバー見つからなかったけれどこちらから表紙見れます)
ロッキング・オン社が発行している雑誌「CUT」はわたしのバイブルだった。少ないお小遣いではあったが、毎月必ず買って、読み込んでいた。あらゆる映画・音楽の知識はこの雑誌から得たし、他の雑誌では引き出せない役者やミュージシャンの姿に痺れたものだ。それはいつの日か「どうやったらこんな切り口で話を聞けるんだろう?」という興味に変わっていったが、この雑誌がきっかけでわたしはそれまで縁のなかった映画を観るようになり、音楽を聴くようになった。

CUTを読み始めてから、NHKのBSチャンネルが神がかっていることに気づき、知らない映画でも可能な限り録画し、観て、映画監督や役者・音楽・衣装、あらゆる情報を調べ、自分の中に蓄積していったものだ。この時期に出会った黒澤明監督の「八月の狂詩曲」と青山真治監督の「EUREKA」、岩井俊二監督の「花とアリス」は忘れられない。
宮﨑あおいと蒼井優は、ずっとずっとわたしの中では映画のイメージが強く、あのざらっとした感じをまた観てみたくなる。

今は以前ほど追えなくなっているが、先週から公開されているグレタ・カーウィグ監督の「ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語(現代:Little Women)」が楽しみすぎて、ひたすらにリサーチし、鑑賞する日に向けて準備している。もともと原作が好きで、世界名作劇場のアニメをなんかしらのタイミングで制覇していたわたしにとって、今回のリメイク版は楽しみで、何よりキャストが!とんでもなく素晴らしいキャストが勢ぞろいしているのだ!!!シアーシャ・ローナンにエマ・ワトソン、ティモシー・シャラメにメリル・ストリープ、フローレンス・ピュー。はぁ。胸熱すぎ。なにより監督の思い(グレタ・カーウィグのインタビュー読み漁った)に出演者が共感し、体現し、そして出来上がった作品というだけでもう、観たい。

今回の映画では今までの映像化作品よりもより深く、女性の生き方に迫り、今だからこそ描く意味のあるものになっているのだろうとレビューを読んでも予告を観るだけでも想像できる。

映画というある意味娯楽がこの時代に必要なのか、意味のあるものなのか。
様々な疑問がこのコロナ禍で渦巻いたが(今もあるだろう)、だけど、人が映画を通して体験するということは、失い難いものだとわたしは思う。小説や音楽も同じだ。自分一人の人生では経験し得なかった感情を体験できるということは、自分以外の他人の気持ちを想像する助けにもなり、多様性を体験することでもある。わたしの人生を豊かにしてくれる。それが映画だ。「娯楽=必要のないもの」では決してないと思う。

だから、わたしは映画が大好きだ。これからも大好きだ。