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パワフルサイコな女社長が上司になって地獄を見せられた挙句、三ヶ月休職する羽目になった話

我が社の女社長は絵に描いたようなビジネス・サイコパスであった。

三年前に社長に就任した彼女は、すぐさま私を含む販売員たちのノルマを50~60%増にした。+5~6%ではなく、+50~60%である。

そして、半期を迎えそのノルマが未達だったとき、販売員たちのボーナスをドカンと下げた。私ももちろん下げられた。

私なりにその殺人的ノルマに食い下がるべく抵抗したつもりだが、前年度比120%達成にとどまった。本来ならば悪くない成績のはずだが、もちろん大きく未達である。

すなわち、売上額ベースで二割以上忙しくさせられた上で、賃金を引き下げられたことになる。これでやる気が出るサラリーマンが居るならば、よほどのマゾヒストだ。

他の同僚たちも似たような状況で、かなりの好成績を上げながら「高すぎるノルマ未達→減俸」の人間が続出した。会社全体での営業成績は好調であるにもかかわらずである。その利益分はいったいどこに消えているのか。事務所内は上層部への不信で満ちていた。

そんなノルマでも身を削って達成する同輩たちもいた。私は「頑張っているのになぜ彼らのようになれないのか」と自らを苛んだ。

ただし、ノルマ達成組は達成組で翌期にはさらに重い10~20%増しのノルマが課され、そのストレスからか彼らの一部にも心身の不調を訴える者が現れ始めた。従業員たちの疲弊と不満は限界に達しつつあった。

そんな中で私自身は

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