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オイパラ不動産日記🐰5日目(古田織部を燃やしたい編)

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今日も今日とてボロ物件を見てきたわけだが、ついでに以前から気になってた物件の駐車場のサイズを再計測してみたのだ。

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そしたら、工事で広げても幅2m程度にしかならないことが分かって、こんなモンは要らんなと。

いまの中型車以上をしっかり入れようと思うと2.5mは欲しいのだが、どうやってもそのスペースは取れそうにない。家を一部壊すとかなら別だけど、まったく現実的ではないわけで。

当該物件はボロ戸建てにしては珍しく駐車場二台付きということで目を引いたのだが、そのどちらもが駐輪場レベルという悲しい事実が判明してしまったと。

車がマトモに止められないスペースを駐車場と表記するトラップまじ止めて欲しい。危うく買うところだったじゃねーか。

再三言ってることだが、田舎の物件でまともな駐車場が無いことはかなり致命的で、電車はほとんど来ないわ、車は乗り入れられないわじゃ客が付かなくなるのも当たり前だ。

もろもろ踏まえて、予算上、半世紀近く前の戸建てとその設備をたくさん見ていると、世の儚さみたいなものを感じてしまったと。上の駐車場などはその一例にすぎない。

何が儚いかって、今となってはマイナス材料にしかならない庭木やら、花壇やら、謎の段差やら、なんなら巨大な岩に昔の日本人が大金をかけてることなのだ。貴重な駐車場のスペースを削ってまでも。

岩だぜ岩。それにめちゃくちゃ金かけて庭に置いて、いま処分するにもめちゃくちゃ金かかるみたいなアホらしい事態になってる家が日本中にあるという。でも、それが当時のナウい価値観だったんやろな。島本さんの言ってることも非常によくわかる。

おれの実家の向かいにも「城かな?」ってくらい石垣を積み上げて、毎日高い階段を登り降りしなきゃ出入りできない小金持ちの家がそびえ立っているんやが、歳食って足腰弱くなったら無用の長物になることは言うまでもないわけで。

この家が住宅街のど真ん中にあるせいで、実家周辺はプチ城下町みたいになっているのだが、その見栄のためにどれだけの金と手間がかかっているのかと。まあ他人の金の使い道と価値観を全否定するのも野暮かもしれんけども。

そして、高台物件というのは修繕費が非常にかかるわけで、先に挙げたところの庭や段差なども右に同じ。でも昔はみんなそれに憧れて大金をかけたんだよな。けれども今ではその処理に困っていると。

築城とか庭いじりとかそういう大名道楽は、大名並みに金のうなる人間だけがやるべきなんだろな。貧乏人が真似をすると、中途半端かつみすぼらしいモノが数十年後には必ず仕上がってしまう。

庭や草木や岩や段差に大金をかけて、歳食った今になって平らにしたがってるわけだ。段差を作るために働き、段差を潰すためにまた働く人生って一体なんなのか。

昔からおれは豪奢で煌びやかなものよりも、機能的で効率的なものに美を感じる人間だったけども、古物件を眺めていくうちにその思いがさらに深まってしまった。

出来ることなら古物件に蔓延る小汚い庭木や花壇の花は火炎放射器で燃やし尽くしたいし、段差も岩もすべて粉々にしたい。古田織部イズムなんかクソ喰らえだ。

踏まえておれは今後百年価値を失わない、なんなら価値が増すようなものを見極める目を養いたいと考えているんだけれども、それって本当に難しい話で、まるで無駄がなく、時代を超えて尊ばれ、枯れつつもちゃんと美しいものっていったい何なのだろう。

そんなことを考えながら、おれは今日も明日も目を皿にしながら不動産ポータルサイトを漁り続けるのである。しかし、さすがにそろそろ寝なければ。

次回へつづく。


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