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津阪東陽「杜律詳解」全釈 覚書 津阪東陽とその交友

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覚書:津阪東陽とその交友Ⅱ-文化11・12年の江戸-(1)

覚書:津阪東陽とその交友Ⅱ-文化11・12年の江戸-(1)

著者 二宮俊博

はじめに

 伊勢津藩の儒者津阪東陽は、文化11年(1814)8月、侍講として仕える第10代藩主藤堂高兌に扈従して出府し、翌12年5月帰国した。58歳の東陽にとっては初めての江戸行きで、子息の達(字は拙脩、通称は貫之進)を伴っての客遊であった。わずか10か月足らずの短い滞在ではあったものの、いわゆる竹馬の友でかつて昌平黌に学び今は桑名藩儒となっている平井澹所と30数年ぶりに再会し

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