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しゃべるアニソン#001 アンセムの定義(一番公約数のデカイ曲がアンセムではないか?)

初めに

 どうも鶴岡です。記念すべき第1回のテーマは「オタク系イベントで言われる“アンセム”」ってなんだろう、という話から始まりました。

 このテーマを選んだのは、定義が人によって変わったり、共通事項だったりと「多様性があっていろいろな意見も聞けるし同意も得られる」というのが、開催しているスペースの方向性にマッチしたからです。これに加えて
・否定しない
・自分はこういうふうに思っている事を伝える
・自分の中では思っているが、うまく理由を発言できないときは助けを積極的に求める
 このあたりをルールとして話しました。まだ録音を考えていなかったのですが、ぼちぼちメモはしていたので、記憶を頼りに書き出していきますね。

 なお鶴岡が書きやすく、なおかつ読み手にも伝わりやすいであろうバランス調整で書きますが、解らない人が出たら簡易版を作成します。

1:どのクラブに行っても絶対にかかる曲こそ「アンセム」

 まあ、これ強いですよね。オタクであれば絶対耳にしたことのある曲で、思い入れや曲としての力が強いタイプ。
・残酷な天使のテーゼ
・ハム太郎の歌
・Tiger Track
・シュガーソングとビターステップ
などはこの部類になるかと思います。この場合、アンセムの定義は「できる限り参加者全員が同じ曲で高まる」ということになるので、知名度と曲の持つ強さにかなり依存しています。
 善し悪しは別として、「この曲がかかったから満足」みたいなものを求められる近年のオタク系音楽イベントでは最適解に近い選択です。

 ◯利点:誰がかけてもフロアが温まる可能性が高い、期待されている曲なので満足度が高い
 ▼懸念点:強いて言えば「誰がかけても同じ」というところが問題

2:DJにとって「推し」の曲であり、知らない人にも刺さるのがアンセム

 「いい曲をDJのプレイで知る」という時代のクラブを経験している人はこの要素を意識していることが多いようです。DJプレイの時間内に構成を考えて、場の構成としてフロアを意識した9割と、いい曲で殴る1割というバランスが多いように感じます。 

 これの良いところは、刺さった時に初めて聞いた人は、いい音、いい場所でアンセムを初体験するので、とても深いところに「思い出の曲」として残るため、素晴らしい体験になるんですね。それこそ一生モノの体験になりうるので、その人の全身に刻み込まれます。

 逆に問題点を挙げるとすれば「滑った時にそれまで作ってきたフロアコントロールを失う可能性がある」ということです。
 ですがこれに関しては極端に曲調や展開を無視して回さなければ、来場者に「自分はこの曲はよく解らないなあ(でも楽しい)」で済むと思うので、チャレンジしてほしいという話も出ました。個人的には同意です。

 ◯利点:掛け替えのない音楽体験をしたお客さんはアニソンイベントにがっちりハマる
 ▼懸念点」「この曲はこういう良さがある」とアピールできるパワーと、そこに至るまでの流れを作らないと刺さりにくいため、スタイルや曲によっては刺さらないことがある

3:ご当地アンセム

 日本全国でオタクが好きな音楽イベントが開催されていると、他のエリアでは「いいよねー、その曲」という瞬間は、特定地方で「これだけは絶対にかからねばイベントとして成立しない!」となる地元アンセムの定義があることを知りました。

 今回パターンが観測されたことにより、放送局によって本来の放映よりもずれることで、流れたアニメのブームがあとから来るなどの「流行がどのように拡散し、それぞれのご当地で定着していくか」ということも解りました。また、特殊な例ですが、『夜の都会』という条件があるとアンセムになる(例:「新木場に『Hotel Moonside』建築」)というような、曲の人気と内容が会場とマッチする現象なども、ここに含まれるでしょう。

4:イベントアンセム

 長い歴史を持っているイベントにあるのが、「このイベントならこの曲がかかる!」という、フロアにいる全員の共通認識として絶対盛り上がるというものです。

 某ディスコさんの「コブラ」や「F」、音ゲー系イベントで11/20日のアンセムとなる「20, november」を想像して頂けると解りやすいかと思います。

 これはイベントのコンセプトにも関わるものなので、継続してフロアの方に向けて発信し、共通認識を育てることでどの曲でも可能です。
 自分の好きな曲を推したかったら、イベント開こう!

5:そのDJならではの代名詞的なアンセム

イベントアンセムに近い話なのですが、そのDJなら絶対この曲をパートのどこかで流してくれる、という期待感として、定義される場合もあります。

「疾風ザブングル」とか「SAKURA」「stone cold」とか。

ライブの定番曲みたいな扱いでしょうか。

6:アニメタル

 「さかもとえいぞう」がヴォーカルしていた企画「アニメタル」というのがありまして、さかもとさんのバンドが「ANTHEM」っていうんです。豆知識な。これ笑うとこです。

7:いま新旧オタクソングはどのように受け止められているのか

 いま(2021年10月)、たぶん過去最大級にDJの年齢層がバラバラで、ウェルカムな状況で受け入れられるものの、共通の音楽体験やコンテンツ体験をしていないことが当たり前になってきています。幅広いからね。

・アニソンが好きだからアニソンDJになった
・DJしてみたいけど、その入口がアニソンだった
・他の分野でDJしてるけど、アニソンも好きで回せる

 いろいろいらっしゃるのですが、多様化する来場者と好きなアニメを網羅するのはなかなか難しいですし、「この曲かからなかったからクソイベ」という極端な話も聞いたりします。これは理解できる、できないがけっこう別れた解釈です。

  概ねの同意を得たのは、
・音楽としてアニソンを楽しみ、いい曲をきっかけに作品も楽しもう
・Shazamとかで音解ればそれで調べられるから、そこから情報を掘れる時代
・曲解らなかったらDJさんに「プレイよかったです、この曲ってなんですか? スゴい気に入ったんです!」 って話しかけてれば男女問わずウェルカムという歓迎を受ける

 など「良くわからないが、好きである」という曲の出会いがあったら、それをきっかけに未来の幸せにつながるから、たくさん体験したいよね、という感じになりました。

8:暫定的にこの日に一応の決着を観た「アンセム」

 全員の主張はさておき、最大公約数として「アンセム足り得る条件」を定義しました。

 ものすごい乱暴な話ですが、実際のインフラを考えると、以下の通りになります。

・youtubeに音源がある
・dアニメストアで配信されている

 なぜなら地上波は令和になっても全国で確実に放送されることがないので、観られないという事実があるため、完全に網羅するのであれば、作品数を考えてdアニメストアしかないのです。

 そのうえで音楽をいきなり買うのではなく、何回か聞いてみて気に入った曲を買う、となるとyoutubeの使用率がダントツに跳ね上がり、その再生数こそがアンセムの論拠になりうるとなりました。

 で、ここで重要なのは「今放送している最新アニメ」とはテレビやサブスクで出回る新作以外にも、サブスクに加わったいわゆる「昔のアニメ」も含まれるということです。 

 一例として、アニソンイベントの現場で北斗の拳「愛を取り戻せ」を回したら20代女子がものすごい勢いで高まった、という事例があり、「昔の作品であろうが、いま配信、上映されている作品は新しく観る人にとっては興味の入り口で、好きになったら共通言語になる」という時代になったことが解りました。 

 世代の壁って、長生きしている方の勝手な概念なのかもしれませんね。

 アンセムは人によって変わりますけれど、いい曲を推していきたいというアニソン好きのマインドは、いつまでも変わらないですね、という決着で、今回は終了。

 次回は「クラブって何?」という根源的な話になります。
 書いて解ったのですが、これ要約するのすごい大変。


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