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孤独とかなしみ

朝食のあとキッチンを片付けようと思った所横にいた主人が改まった様に口を開いた。

今日の夜7時からオンライン飲み会するんでッ。

キョトンとした顔をした子供たちと目を合わせて

いいけど、別の……。

昨年まで単身赴任していた工場の人たちと飲み会なんだとか。

もともと前回の職場が大好きだので、今日は夜の7時からだというのに15分前から繋いでいる。

自分の部屋のドアは閉まっているが声はダダ洩れ。楽しそうだ。

……確か終わるのは夜の9時とのこと。既に30分が過ぎている。

ん!?なんかやって来た。終わったのか?


いやー、終わらないねぇ。


などといいながら着替えている。新日本プロレスのTシャツ。


なんで着替えてるの?

思わず聞くと、

以前浜松で試合をみた時に一緒に行った子がそのTシャツが探してもないというから俺がかわりに着て登場!ってわけで……。


何が「って、わけ」なんだ!と突っ込みたくなる。

自宅で1日会議が続く時は、1時間ごとにヘロヘロな顔をして部屋を出てくるが全く違う。そりゃそうだろうけれど、本当に本社が似合わない男だな。

まっ、日中これを楽しみにPCにかじりついて仕事の資料を作成していた訳だろうしこのくらいの楽しみがないとかわいそうだしなと思う。

密を避けましょうと言われ、オンライン飲み会なるものが行われる様になったが、主人の様に日中ストレスいっぱいの人は、直接あえない距離にこころをゆるせる人がいる場合いいことだなぁと思う。

家族とは違った繋がりで主人のこころを和ませ、仕事への意欲を蘇らせてくれる手助けになってくれているのだと思うと、見知らぬ人々に自然と感謝の言葉が浮かぶ。

もし今

あなたは家族以外にこころをゆるせる人がいますか?

と私が質問をされたとしたらどうだろう。

職場は……。悪い人はいないが、オンライン飲み会をしたいとは思はない。

じゃぁ、どこかにいるのか?と言えば……。

案外と孤独な自分に気がつくのだった。

基本的に自分の根柢に流れるのが、

分かり合える人なんて皆無だ

という世を拗ねた系の考え方なのだが、それで以前はそのことで孤独だった。

今はと言えば、孤独は当たり前のことで孤独だと思って寂しがることでもないのだ、と思えるようになった。

なんで以前は孤独であることが寂しいと感じていたかといえば、自分自身に自信がなかったからだろう。

今だって何かが出来て自信満々、やる気満々なのかと言えば全然そんなことはない。

ただ、誰かと比べたって自分の中身が変わる訳じゃないって思っているからこうして一人でいる自分が嫌いならみんなと仲良くする行動をとればいいだけだと思うようになったのだ。

もしその気持ちがないなら、一人でいることを受け容れなければならない。

孤独は誰とも交わらないから他人との厄介事もない。

ただ、何か言いたくて話題を共有したくても孤高でいなくてはならない。それはほんの少しの哀しみを伴うだろうが。




まだまだたくさんの記事を書いていきたいと思っています。私のやる気スイッチを押してくださーい!