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バーベキューは火起こしから

三流は環境を恨む。
二流は環境を妬む。
一流は環境を創る。

どのような仕事においても、与えられた環境に対する自分のスタンスは重要になってくる。そしてその環境への対応の仕方で、一流なのか三流なのか、自分がどの位置にいるのかが規定されてしまう。ニュアンスの違いはあるが、世の中の一流なる人の共通点として、「環境に左右されない」という特徴がある。またそれは「与えられた環境を自分で整えていく力」と言いかえれられるのかもしれない。

一流を目指すためには一流の真似をするのが一番の近道だ。しかし、環境を創ると言われても抽象的すぎて、何をしたらいいのかわからない。多くの人に届く言葉は簡略化され、遠くへ届けるために余計な部分が削ぎ落とされてしまう。そのために抽象度マックスの激痩せ状態で届けられる。そこから、自分なりの解釈を加えてふやかして飲み込みやすいようにしなければならない。

冒頭の言葉を耳にしたときも、そのまま飲み込もうとしていたため、消化不良のままメモ溜めに置きっぱなしになっていた。今回は飲み込みやすくするため「環境を創る」という言葉について考えてみたい。

■環境を創るとは?

まず、環境とはそれぞれが働いている組織や集団、僕の場合は所属しているチームになる。そのチームで活動をするうえでの環境を創る。環境といってもハード面は個人の力ではどうしようもない。その中で個人が影響を与えられる範囲内で考えると、トレーニング中の「チームの雰囲気」だとおもう。

「チームの雰囲気」という言葉はこれまた抽象的すぎて曖昧だが、毎日トレーニングをしていれば、練習全体の微妙な変化に気付くようになる。「チームの雰囲気」という言葉をもう少し噛み砕けば、「チームの熱量(エネルギー)」とも言い換えられる。(まだまだ抽象的だが)サッカーに限らず、物事が前に進む組織や集団にはエネルギーが溢れている。

エネルギーや熱量があるというのは、ただ単にみんなが大きな声を出してその場が物理的に盛り上がってる時もあるが、青い炎のように赤色の炎より派手さはないが温度が高く、全員が集中していて張り詰めている感覚のような時もある。こればっかりは完全に具体的なものに落とし込めないものであって、あえてこの抽象度で表したい。集団における「エネルギーがある状態とは?」という抽象的な概念をそれぞれの集団の中で定義するために考えることも大切なことだからだ。

このように考えると、物事に取り組むにあたって「組織や集団の全体の熱量を上げること」が環境を創ることにつながる。では、チームの熱量を上げるためには、どうしたらいいのだろうか。

■自燃性・他燃性・不燃性

人間には「自燃性」「他燃性」「不燃性」の3つのタイプがある。

京セラを創業した稲盛和夫さんの本に人間のタイプの話が紹介されていた。この3つのタイプを見極めることが環境をつくるヒントになるのではないかと考えるので引用したい。

まずは、言葉の定義から。

☑︎自燃性=自ら燃えていく人
☑︎他燃性=火を近づけると燃える人
☑︎不燃性=火を近づけても燃えない人

自燃性とは、物事に対して、自分から情熱を持って取り組むことができるタイプの人。他燃性とは、周りの人など外部からの影響を受けることで、エネルギーやパワーを発揮するタイプの人。不燃性とは、文字通り、周りからを影響を受けてもエネルギーやパワーを発揮できないタイプの人。このように定義する。

■所属するメンバーはどうか?

所属している集団のメンバーが全員「自燃性」タイプの人間であれば、それはもう素晴らしい環境なので何もいうことはない。しかし、誰しもが人間なので、常に一定してエネルギーを持ち続けることは難しい。日によって微妙にタイプが変化することもあるはずだ。それでも、個人として高いパフォーマンスを発揮し、集団としても高いパフォーマンスを発揮しなければならない。

調子がいい時は誰でも気分良く情熱を持って活動できるが、調子が悪い時にこそそれが問われ、それは言い換えると「一流かどうか」になる。そこで、原因を環境のせいにすれば三流とみなされてしまう。

僕個人としては、今までは受動的で「他燃性」タイプだったので、「自燃性」のタイプに近づけるよう目指してやっている。「猫をかぶる」という言葉があるが、「かぶり続けた猫はいつか本当の自分になる」と高校時代の恩師に言われた言葉を思い出す。だからこそ、振る舞いも重要で、目指す「自燃性」のタイプのように思い込み、それに即した行動をとることで変わっていく。

そして、目的は「チームの熱量」を高めることなので、自燃性のタイプがアプローチすべきは、「他燃性」の人間になる。他の自燃性タイプの人は、誰かがアプローチしなくても自分でエネルギーをつくっていくため、集団の熱量を高め続けてくれる。

自分がエネルギーを持っているのであれば、それを「他燃性」タイプの人がエネルギーを発揮できるようにアプローチする。アプローチを受けた側はそれに刺激され次第にエネルギーを発してくれるようになる。そうすれば、必然と全体のエネルギーは高まっていく。

アプローチの方法は沢山あって、声をかけられ焚きつけられてエネルギーを発する人もいれば、言葉を交わさずともボディランゲージによって気分が高まっていく人もいる。それぞれにあった方法がある。

そして、もし自分が「他燃性」タイプに近づいてしまっていると自覚した時には、「自燃性」タイプの人に自分から近づきコミュニケーションをとったり、意図的に大声を出してみたり、自分に薪を焚べてもらう作業をしてもらう必要がある。そうすれば、自分からエネルギーを発することができる状態に近づくことができる。

最後に、気をつけなければいけないのは、集団で活動する中で「不燃性」タイプにだけはなってはいけないこと。燃えないものに火を焚べることほど、エネルギーの無駄使いはない。他人のエネルギーも奪ってしまうし、集団の「熱量を上げる」という目的に対して、完全に足を引っ張ってしまう。

まとめ

物事に取り組む「環境を創る」ということに関して、稲盛さんの「自燃性・他燃性・不燃性」という人間のタイプの話を引用して考えてみた。常にエネルギーを発し続けられる人間になれればベストではあるが、自分の状態や周りの人間の状況を把握して、それに適した環境を意図的に創ることが鍵になるとおもう。

役に立つ内容だったかわからないが、自分はどんなタイプの人間なのか、所属している組織や集団のメンバーはどんなタイプなのか、自分がエネルギーを発し続ける為にはどうしたらいいのか、少しでも考えるキッカケになったなら嬉しい。

個人も所属している集団もエネルギーが尽きない環境で活動できるよう、違う方法も模索していきたい。



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