#24 E-girlsの末っ子だった「bunny」

2023年6月30日 21:20

　1990年代〜2000年代の女性アイドルを振り返る「ガールズポップス」。近年はオーディションの開催が急増しているが、合格してもデビューには至らず自然消滅してしまったアイドルグループ（？）がいた。今回はE-girlsの末っ子グループとしてデビューする予定だったbunnyについて振り返っていく。

“女性版VBA”は大きな話題に

　2011年1月1日にTBS系『CDTVスペシャル! 年越しプレミアライブ 2010→2011』で12歳から25歳までの女性を対象としたEXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 3 〜For Girls〜を開催することが発表された。

　EXILE TAKAHIROや三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆二・登坂広臣を輩出したVOCAL BATTLE AUDITIONの女性版が開催されるとあって全国から約3万人の応募が殺到し、5月14日にSHIBUYA-AXで行われた最終ライブ審査で武部柚那・山口乃々華・石井杏奈など15人が合格した。

　武部柚那・石井杏奈・稲垣莉生・ヴァッツ美良・大石美優・武田杏香・萩尾美聖・花山瑞貴・山口乃々華・山本月の10人はbunny（バニー）のメンバーに選出され、HappinessやFlowerに続く次世代ガールズユニットとしてデビューを目指していた。

E-girlsへの参加

　その後はDream、Happiness、Flowerで構成されるE-girlsに加わることになるが、加入時期がはっきりとしておらず、4つの諸説がある。

2011年12月、EXILEの東京ドーム公演にE-girlsの一員としてダンストラック「E-Girls Anthem」を披露した時期（※この模様は翌年1月に放送された『めちゃ×2イケてるッ!』でも放送され、実際にE-girlsの一員として紹介されている）
2012年7月、E-girlsの「Follow Me」の選抜メンバーが発表された時期
2012年8月、E-girlsの「Follow Me」のMVが解禁された時期
2012年10月、E-girlsの「Follow Me」がリリースされた時期

　2012年の夏、bunnyのメンバーはE-girls 3rdシングル「Follow Me」の選抜をかけた強化合宿に参加することになったが、メンバーが9人になっており、山本月が離脱していたことが明らかとなった（※正式な発表がなかったため時期は不明）。楽曲のイメージと活動実績を鑑みた結果、ボーカルに武部柚那、パフォーマーに石井杏奈・武田杏香・山口乃々華の4人が選出され、学生メンバーで披露する「制服ダンス〜Follow Me〜」には選抜された4人に加えて稲垣莉生・ヴァッツ美良・大石美優・萩尾美聖が参加した。

　3rdシングル「Follow Me」はミランダ・カー出演のサマンサタバサのCMソングとしてリリース前から注目を集め、オリコン初登場2位を獲得するスマッシュヒットを記録した。

突然のデビュー計画白紙

　2013年1月、4thシングル「THE NEVER ENDING STORY 〜君に秘密を教えよう〜」のリリース情報が解禁されると、bunnyの表記が跡形もなく消滅し、公式サイトからヴァッツ美良・大石美優・花山瑞貴のプロフィールが削除され、後に大石は下部組織のRabbits、花山はBunniesに移動したことが明らかとなった。

　その後は武部柚那・石井杏奈・稲垣莉生・武田杏香・萩尾美聖・山口乃々華の6人は楽曲のイメージに合わせて何度か選抜されていたが、2014年4月に役者を目指したいとの理由で武田杏香が脱退し、オーディション合格から3年ほどでメンバーは半減した。

賛否両論となったグループ再編

　メンバーの脱退や離脱が相次いでいた中、2015年1月にファンの間で賛否両論となったグループ再編が行われ、武部柚那・稲垣莉生・萩尾美聖の3人がRabbitsへ移動することが発表された。同年12月に武部はE-girlsに再加入することになったが、稲垣・萩尾はRabbitsとして活動した後に事務所を退社してしまった。

　結局、武部柚那・石井杏奈・山口乃々華の3人は、2020年12月にグループが解散するまで在籍し、その他のメンバーは下部組織のRabbitsまたはBunniesに数年間在籍していた後に所属事務所を離れた。在籍期間が半年にも満たないメンバーもいたが、“元E-girls”であることには変わりはない。これからも肩書きを背負いながら頑張ってほしいと思う。