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ラツーダを開始して

突然ですが、私はラツーダという薬を飲んでいます。
数年前、私は仕事の多忙さが原因でうつ病になり、現在までおよそ3〜4週間間隔での通院と投薬治療を行ってきました。この期間、その時々の症状に合わせて色々な薬を使いました。
ある程度で安定はしていたのですが、職場もプライベートもゴタゴタしたせいか症状が悪化したために、ラツーダを開始しました。
あらかじめ記しておきますが、私は今の治療方針や内容に満足しており、かかりつけ医にはとても感謝しています。
そして、備忘録としてラツーダの感想を書いていこうと思います。

① 何故ラツーダを飲み始めたか

ラツーダを飲み始めるきっかけになった症状は、統合失調症様の症状が顕著にあらわれたことです。
常に監視されていて、すれ違う人々から悪口を言われている。この世の全ての事象は何かの陰謀によるものだ。典型的ではありますが、とにかく妄想が止まりませんでした。
勿論これらは妄想だと分かっていましたが「そうに違いない」という不安感で、身の回りのを執拗に確認したり、電気をつけていないと眠れなかったり。実際に経験するととにかく恐怖と不安との戦いでした。
私は医療関係の国家資格をもっており、過去の勤務先で精神症状のある患者さんと接する機会も少なくありません。症状への知識や疾患をもつ患者への対応について、専門ではないものの教科書レベルの知識はあったつもりです。
しかし、私のこの症状も「知識」として認識できても、私の感覚や感情を抑えることはできませんでした。

これまでもこのような症状の経験はありましたが、今までに飲んだことのある薬ではしっくりこなかったのも事実です。
それを考慮しながら医師と相談し、今回からラツーダを開始しました。

② 過去に飲んだことのある薬

抗精神薬には様々な種類があります。
私が症状に困った時、過去に処方された薬は以下のものです。私の個人的な感想も記しておきます。
これらはあくまで個人的な経験と感想です。
服薬については医師と相談して行っており、処方量の調整や効果を実感するまでの期間などはしっかりと設けています。

・エビリファイ
……処方開始時は頓服として処方。錠剤と水薬の両方を使い分けていました。副作用の眠気・吐き気が生活に支障が出たこと、2ヶ月で10キロほど太ったので中止。

・ジプレキサ
……夕食後・頓服で処方。これも眠気がひどくて生活に支障が出たこと、めまいが強く出ること(これを理由に仕事もよく早退しました)が辛かったです。また鎮静効果が強く、服薬していると仕事に支障が出るので中止。

・ロナセン
……てんかん発作の頓服でも処方されたことがありましたが、統合失調症様の症状のために一時的に服薬。とにかく飲み心地が最悪。薬が切れるまで気持ち悪さ・めまい・眠気・悪夢との戦いになりました。個人的に一番飲み心地が悪い薬。

・レキサルティ
……効果を実感するまでに時間がかかりました。起きている時間の症状は落ち着く兆しがありましたが、睡眠中の悪夢がひどかったです。その悪夢に対して恐怖を覚え、眠ることが怖くなり不眠が悪化したので中止。

③ ラツーダを始めた感想

ラツーダに変わる時は少量から開始いうことで、20mgから開始しました。様子を見るためこの頃は10日間隔で通院することにしています(現在は2〜3週間隔)。

第1週、20mg。効果の実感はありませんが、症状の悪化もなかったです。
薬に慣れるまで特有の気持ち悪さや悪夢を見ることもなく、プラスもマイナスもありませんでした。

第2週、40mgに増量。ここから個人的に変化があらわれたように思います。
一番に感じたのは「妄想のことを忘れられたこと」です。いつもなら妄想を起こしそうな原因(物音やすれ違う人など)のことを、ただのモブやただのホワイトノイズとして感じました。またこの時は妄想があったこと自体も「頭からすっこ抜けて」いました
これにより変わったのは「人間らしい生活ができるようになった」ことです。朝起きて夜眠ること、ご飯を食べることをルーチンとしてできるようになりました。
いい意味で体が軽いんです。「朝か、起きて顔を洗おう」「シャワーを浴びよう」「夜寝る前に歯を磨こう」がごく自然なこととして自分の意思で行えるようにな離ました。
このタイミングでたまたま私は誕生日だったのですが、友人と誕生日旅行に1泊して遊ぶ余裕すらありました。
恥ずかしながらここに至るまで、1年近く洗っていない食器がシンクの半分ほどありました。生ゴミを避けるため自炊もしていなかったし、食器を使わなくていいように割箸や使い捨てを使用していたんです。なんと、それを全て捨てて片付けることができました。
この時の生活サイクルは「4時起床・17時就寝・深夜0〜1時にトイレと水分補給」「朝夕2食」です。元々は朝型でも夜型でもなく「6時〜23時」の生活スタイルです。

3週目はちょうど月経期間と被り、生理前特有の「憂鬱な感覚・眠気・気持ちの低下・我慢できるけどなんとなく体調が悪い」だったので、増量はしませんでした。
この体調が悪いのは「月経期間前後だったから」なのか、「ラツーダを増量して馴染んでいないから」なのかを知りたかったからです。
今はこの週のことを「月経期間前後だったから」だと思います。

4週目、60mgに増量。増量して1週間ほどは過覚醒の感覚がありましたが、馴染んでくると非常に快適です。
家事や日常生活は勿論ですが、買い物にも行ける。シーシャを家で吸えるようになる。コーヒーを淹れたり、読書ができる。自分の意思で娯楽を楽しもうという気持ちに久しぶりになりました。だらだらと配信で映画やアニメを観ることも、ラジオをBGMにポケモンSVをすることも苦痛ではないし、日光浴がてらポケモンGOのために近所を歩き回ることも楽しいのです。
よく「健康で文化的な生活」なんて言いますが、まさにこの通りでした。
しかし「4時起床・17時就寝・深夜0〜1時にトイレと水分補給」「朝夕2食(冷たいうどんしか食べられない)」は変わらず続いていました。

5週目、60mgを継続。私はこの4週目の感覚をしばらく継続して「ここから気持ちが落ちたらどのくらいになるか」「この感覚のまま起床就寝時間を自力で変えてみたい」と思いました。一朝一夕では生活サイクルは変えられないもので、まだ起床時間・就寝時間の調整に手こずっています。
医師とも相談して、60mgを7週目の現在も継続していますが、今は「6時〜20時」のサイクルが形成されつつあります。せめて21時までは起きていたいものです。

④ラツーダを飲んで変わったこと

ラツーダを飲み始めて変わったこと。それは一番に「生活サイクルの改善が行われた」ことです。
いわゆる統合失調症様症状は②で記した薬でも落ち着かせることは可能だったでしょう。しかし、二次症状(副次症状)である生活サイクルを改善するまでには至らず、むしろ副作用で悪化していた節もありました。
ラツーダを飲み始めてから、統合失調症様症状も生活サイクルも改善傾向にあり、それに伴って肉体的な健康・精神的な健康も改善傾向にある体感があります。私はこれを「ラツーダを飲んで変わったこと」だと思っています。

⑤まとめ

これらはあくまで、私個人の感想と体感です。勿論他の人がこのような経過を辿るとは思いませんし、私も今後いつ落ちてしまうのという不安も抱えています。それはこの疾患の悪い特徴でもあります。
しかし、この2ヶ月間の私の経過は、自分でも書き留めておきたいと思うくらいには「ラツーダを飲み始めてよかった」と感じたので記しています。
これからの私の目標は「生活サイクルを以前と同じレベルにすること」「時短でも勤務可能レベルにもっていくこと」です。この安定した平穏がいつまで続くかは分かりませんが、様子をみて「あんきにやっていこう」と思います。

たとえ死の陰の谷を歩むとも、私は災いを恐れない。
あなたは私と共におられ、あなたの鞭と杖が私を慰める。

詩篇23:4

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

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