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[2023年度]クロマグロ釣りの禁止命令が今月も出てますね(やっぱり)

 ここのところ天気が悪い日が続いたので、出船できる日が限られていたのだが、そうでなくても月末は出船停止になった。6月に引き続き、7月もクロマグロ釣りの禁止命令が出たからだ。7月10日~7月31日の間、一切クロマグロの遊漁は禁止となっている。なお、違反すれば警告(裏付け命令)の後、実刑が下る。

 ということで、今年はまだ一度もクロマグロ釣りに行けていない。7月もやっぱり月末しか入れていないので、このままだとまた流れてしまいそうだ。仕方あるまい。

 初めて遊漁者(釣り人)向けの規制がかかったのが一昨年。この年は年間10トンというかなり絞られた規制量のせいもあって、ほとんど守られていないに等しかっただろう。1匹50 kgとしても、年間で高々200匹程度しか獲れない計算になる。良い日は一人1本当たることもあるから、どう考えたってオーバーするに決まっている。

 これを受けて昨年度は6月に10トン・7~8月で10トン・9~10月で10トン・11~12月に10トン、年間で40トンと大幅に増枠された。

昨年令和4年度の規制

  ただし、この区切り方はやや大雑把で、津軽海峡の最盛期である7~8月より6月の方が枠が多めに設定されている。シーズン序盤は西の方でしか釣れないので、あまり地域差が解消されていないという不満の声も多かった。しかも7月の早い段階でいったん禁止命令が出たのは、昨年の記事に取り上げた通りである。

 これに対して今年は年間の枠が2.6トン減少し、合計で37.4トンの規制となっている。昨年のオーバー分が差し引かれた形だ。内訳としては、4~5月に5トン・6月~9月は毎月8トン・9~12月で5トン。より細かく時期を区切ることで、地域間の不平等をさらに解消しようという狙いがあるのだろう。

令和5年度の規制(https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kuromaguro/kyouryokuirai.html)

 ところが、まだ月半ばにも達していないのに既に採捕禁止命令が出ている。7月は最盛期ということもあり、18日から禁止となっていた6月よりも相当早くに枠が埋まってしまったようだ。7/11までの採捕量は7.1トンが計上されており、先月よりも早いペースで枠が埋まってしまった。8月はマグロのサイズ・数ともに更なる増加が予想されるから、月初に禁止命令が出る事は想像に難くない。

 このままだといずれどこかに皺寄せが来るだろう。釣り人は「まあ仕方ないか」で済むかもしれないが、遊漁船は月の半分以上の稼ぎがなくなってしまう。経営が苦しいと判断したのか、禁止命令が出て出船しないのに乗船料はキッチリ請求してくる船も中にはあるようで、気持ちは分かるが釣り客にとっては相当理不尽に感じられるだろう。しかも、ガソリン代が上がったとはいえ、ここ数年は乗船料自体が異常なレベルで釣り上げられている現状もある。

 正直なところ私としては、規制が始まった一昨年・昨年となんの対策もして来なかった遊漁船の側に明らかな問題があると思う(昨年の記事でも言っているが)。規制が甘いうちに、キャッチ&リリースを呼びかけなければならなかった。枠が埋まって月の半分も営業できないよりは、船代を少し下げてでもリリース必須でフルに船を出せる方が、遊漁船にとっても釣り人にとっても有益だと思うのだが。

 中には、禁止命令を無視して営業する船も結構多いらしい。「本当はダメなんだけど"高級魚"のマグロを持って帰られる」なんていう売り文句をダシに高い乗船料を要求する様など、「あれは恋愛だからセーフ」とか言って違法すれすれの本番行為を売りにする泡風呂的某サービス業と何が違うのか。ほとんど同レベルの下劣さではないだろうか。

 サービス提供側が目先の利益を優先する余り、消費者に「教育」できなかった挙句、サービス自体も成り立たなくなる。この業界ではそういう歴史が繰り返されてきた。ゴミはその辺にポイ捨て、釣り糸が木からぶら下がっててもお構いなし。私有地や船の近辺に平気で車を止める。波がかぶって危ないからと立ち入り禁止になっている堤防に侵入しては事故で死ぬ。鮭は河口で引っかけて釣るし、釣ったらイクラだけ抜いて浜に捨てる。やがて漁港と砂浜には釣り禁止の看板が立ち並び、川や湖も竿を出せば警察が飛んでくるようになるのだろう。今のままでは釣り場が減ることはあっても増えることは当分ないように思う。

 

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