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歪な情熱

こんばんは、卯月螢です。
自分の感覚と向き合いながら、絵や詩や文章を制作しています。
現在gallery hydrangea(曳舟)で開催中の「花に囁く物語Ep.3 」に参加中の
「茨のガーゴイル」について今回もお話しようと思います。
鴉の話・茨の話・・今回は「薔薇の話」です。

作中では点で表された薔薇が咲き乱れていますが、自分でそのシンボルを読み解くと「情熱」という言葉が浮かびます。
「情熱」これも良い言葉ですが、見る角度を変えるととても歪なものにも見えたりします。
この作品を描いている時に思い出すのは、歪な思いでした。
やりたい事が出来ない、行きたいとこへ行く事が叶わない。
緊急事態宣言に家族の介護・・家に閉じこもる生活。
出来ない事から生まれた「歪な情熱」が渦巻いていたと思います。

「花摘み鳥」2018年
白い鴉を題材にしたこてん「天蓋の鴉」より

「歪な情熱」頭の中で垂れ流される妄想や嫉妬
友人の作品をSNSでみて自分だったらこう描けるのに、こう展示したいのに
出来もしない事を考えて妄想を膨らませる。
頭の中でだけで作られるものですから、白い紙に表すことは無い。
誰かの為に行動が制限さる。
何もできない環境に置かれる。
その鬱屈が溢れ出しそうになる。
気持ちだけが暴走する。
あまり・・今思い返しても良くない状態ですね。

考えて見ると、その出来事は最終的に自分で決めた事だと思うのです。
誰かに命令されているわけではなく、自分で決めてその環境にいるわけで・・自分の選んだ環境なんですね。
それを当時は自分以外の人のせいにしていたかもしれません。
自分は望んでないのに、誰かに制限されている。
動かない自分を肯定したくないから。
だから有り余った熱や怒りや憤りが「歪な情熱」が暴走していたかもしれません。

作品としては
天の使いのガーゴイルは、門番という役割を神より与えられている
神の命令でその場から動く事を許されない
私は何処へでも行ける翼があるのに
それは許されない
そんな私の前を通り過ぎる魂が憎い

そんな歪な思いの情熱と嫉妬にがんじがらめになった白い鴉。
というのが「茨のガーゴイル」ではないかと思います。

明日より後半開催されます。
雨の日が続くかもしれませんが、お近くの際は是非
お立ち寄りください。

音声はこちら


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