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アートコンプレックスセンターに行っていました

ギャラリーに絵を見る為だけ休みを取るのは約2年ぶり

それ以前ははしご等もしたのだが、コロナ過の生活で大分生活習慣が変わり外に出るのが苦手になってしまったことが大きいかもしれません。

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若い頃はそんな過敏な気質が嫌でしょうがなかったが、実は役に立つこともある。絵や演劇や創作されたものを見るのにとても役に立つ。あまり趣味は無いが、好きな作家さんの絵を見にギャラリーを巡るのが唯一の趣味。
絵も描いているので勉強する事もあるから「趣味と実益」かもしれないが。

今週は、アートコンプレックスセンターはギャラリースタッフでもありアーティストでもある方々の展示が多い。
此処では気になった展示3つの事を書こうかと思います。

「福星来来」ベロニカ都登10周年記念個展2022

とにかくベロニカさんの展示は作品の中に入るように見る事。
過去の個展でも絵と小説を同時に発表された事もあり描かれた人物のキャラクターが生きている。それぞれの子に物語が有り個性がある。
妖艶だったり可愛らしかったり、多種多様。
自分にあった子を見つけに行くのも良いものだと思う。
今回の個展は新しい表現にも挑戦されていて、美しく描かれた人物の上に抽象画の様に大胆な表現がされた花々が咲き乱れる。
これはデジタルでは出来ないアナログが表現できる力強さ。
簡単に描かれているようで画業を10年されてきた技量が生かされていると思う。ビビットな色ではあるがバランスが良く、特筆すべきは細密さと大胆な筆使い。
これはやろうと思ってできるものでは無い。
妖艶な子たちの命の力ず良さを感じ、ベロニカさんの作品への情熱と愛情が感じられた素晴らしい展示でした。

上記はベロニカ都登さんのギャラリーページです

やましたみか個展 「延々と小休止」

特殊なプリント技法で表現される、やましたさんの作品を見ると「郷愁感」にかられ切なくなっていまう。

過去の個展であるが、誰もいない浜辺の写真を見て亡き母との幼い頃の記憶を思いだし泣きそうになってしまった事がある。
青くプリントされた写真とカラーの写真を透明感のあるフィルム(?)とを重ねる表現は曖昧とした記憶から思い出が滲むような優しい世界観を生み出している。
作品一枚一枚を見る作業は、古くなったアルバムから幼い自分の表情に気付き記憶を遡る作業に近い。
懐かしくも物悲しい
もう戻らないその一場面
フィルム映画のような静かに語る作品
自身の思い出と作品を辿るように拝見しました。

上記はやましたみかさんのギャラリーページです。

「語りかけるように Talking to you」NaNaHa solo exhibition

NaNaHaさんの作品は細部にこだわっていて読み解くのが楽しい。

心理の勉強もされ海外によく旅行していると話していたのを思い出す。
今回の展示はそれがよく鮮明に思い出せる作品そして手紙である。
その手紙の紙自体は藁半紙ではなく和紙であるとのこと。
写真が印刷された作品自体も和紙
写真のハイライトの滲みが独特である。
この微妙に気付きはSNSの画像では分かりにくい原画の良い所だ。
聞いてみると効果もこだわりらしい。
手紙と書いたが、これがこの時代からこそ作品と相まって心に迫るものがあった。
作品の下に日本語と英語で書かれた手紙が添えてあるのだ。
その手紙を読みな飾られた写真を見ていくと人とのつながりの大切さを噛み締めることが出来る。
コロナ過で遠い記憶になったが、旅先から友人にあてた手紙
会えなくなった親友にあてた手紙
お世話になった恩師への手紙
そんな事を想像し自分にもある大切な思い出を重ね合わせ、写真と手紙を読むのも良い。


上記はNaNaHaさんのギャリーページです

作品を見に行く事は、作家と話に行く事

よく「絵は分からない」と耳にする事がある。
私自身、美大など出ていないので美術史など全く詳しくもない

「人の手から生み出されたものは、その人間の本質を表す」

紙に書く字や落書き
料理
会話
仕草や声
発する人間の全て・・個性をを形づくるものです。
こんな事を言ってはいるが心理学科は出ていない。
これは誰しもある、年数を経てきた記憶と経験。
私の場合は少し冒頭で書いた気質も影響していると思う。
昔から言葉に傷ついたことが多いし、言葉が本当の意味で理解されていない事に苦悩した事が多かった。
この年で気付いたのは、言葉は記号であるという事。
伝えたい物事を想像させるための道具であるにすぎないのだ。
しかし、とても強いもので危ういものでもある。
嘘もつけるし、自己を大きく見せることも出来る。
その記号に惑わされ続けた日々もあった。
しかし絵を見る事描く事で気付いた事は「私が見たいのは本質」であるという事です。
作品はその作家の本質と話せるとても素晴らしいツールだと思っています。
現代はSNSで繋がれ、簡単に人と繋がれるからこそ疲労してしまう事があるのではないでしょうか。
それは言葉に惑わされ、その奥の誰かが分からないのに傷ついてしまうストレス。乱立する言葉という記号をそのまま受け取ってしまい扱い方やとらえ方を間違えてしまうと自分自身も相手も酷く傷ついてしまう。

そんな毎日

そう、ここ最近

何かを想像したり、自分を振り返る事が少なくなった日々

私自身、友人と会えなかったり絵を展示する機会が少なくなりまた鑑賞機会も激減してしまった。
創作物を見るには想像力がいる。想像するには自身と向き合う作業が必要である。SNSで調べられる誰かの言葉ではなく、自分の言葉。
久々に原画を見て作品と(作家)と話をすると、心が洗われるように思います。
人と意思疎通を図るには、ただ言葉を発するだけでは届かなものです。
相手を思って言葉を使い、受け取る側も相手を認識しはじめて成立するもの。

まだ落ち着かない昨今、規制だらけの日々で滅入ってしまいます。
作家と語らい自身と向き合う為に、創造されたものに触れるのも良い事だと改めて痛感した一日でした。

3展示とも会期は
2022年1月18日(火)~1月23日(日)
です。

HP/オンラインショップ


写真作品

https://artgene.net/uzuki64/


制作過程日記


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