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脈打つ人形(ヒトガタ)~「PURPLE MOON」Mari Shimizu doll exhibition feat.Yukio Yoshinari


(曳舟)gallery hydrangeaで行われている人形作家の清水真理さんとそして写真家の吉成行夫さんがゲスト作家として参加されている。

清水さんの人形は絵画的な印象がありイコンの様な作品もある。一つの人形に窓が有りそこからとある場面が見れたり表情ゆたかな人形がのぞく。見る角度によりその表情と感情が移り変わってゆくように感じられる不思議な人形(ヒトガタ)の作品である。

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人形(ニンギョウ)という読み方が普通の様な気もするが、作品によって人の形を写したヒトガタという言葉がしっくりくるものもある。

作り物であるガラスの瞳が角度によって泣いている様に見えたり

光の差し具合で白い腕に脈打つ血管がみえたときはドキッとする。

まるで人間の様な見た目は人形(ニンギョウ)では表しきれない感覚。

作家によって体温や吐息・・血の流れまで感じ取れるのというのが人形(ヒトガタ)の不思議な所である。

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ゲスト作家でもある写真家の吉成さんが当日在廊されていたので写真についての解説を拝聴できた。吉成さんの作品を拝見するのはこれで二回目である。銀座のギャラリーで人形(ヒトガタ)をモデルとして写した写真展が開催され伺った。その時にも感じたのであるが写真であるのに何故かモデルの白い肢体に薄っすらと血管が浮き出ているのを見て時には驚いたものであった。

「人形の関節の角度とライティングの関係を考慮している」

作家ご本人から解説を受けた時、なるほどと納得したのであるがその瞬間を写し取る作家の感性にも感嘆したものである。写真にはよく写らないものがうつりこむ・・オカルト的な話も聞くが・・そのような偶然的なモノではないような印象を抱かざるおえない美しさがある。

モデルである人形(ヒトガタ)と意識を通じその背景の物語を想像して一瞬を切り取る。それは多くのモデルと作品を作ってきた経験と感性がなせるものであると思えてならない。

写真によって背景など自身で描かれ作品にされているものもあり、その一枚は写真家である作家とモデルである人形(ヒトガタ)で紡ぎだされた一つの世界と言っていい。

ギャラリーの間接照明に浮かび上がる清水さんの人形(ヒトガタ)の息吹と吉成さんによって記憶されたその一瞬の融合。

とても生命力を感じられる不思議な空間でした。

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会期は4月22日~5月2日まで




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