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【やさしい】あなたの卵子を数えましょう【初心者ガイド】

小柳ゆき…ではなく、たなかゆうすけです。

今日は、卵子の数の話をします。
では、あんまりやさしくないワードからはじまりはじまり。


・解約不可の強制サブスクリプション!

突然ですが、みなさん公共料金払ってますよね。
電気代とか水道代とかです。

これらは、いわゆるサブスクリプション、サブスクというやつです。

月々いくら払ってサービスを使用できますよ、というものです。
他にもいろんなものがありますよね。携帯の月額使用料なんかもそうですね。
インフラ系に多いやつです。

実は、女性のみなさんは、生まれたときからあるサブスクを契約しています。

この契約は、女性の体にもともとついているものなので、強制加入です。
月々一定のお支払いをずっと行っています。
そして、この契約は解約できません。

毎月一定個数の『卵子のもと』をずっと支払っています。
『卵子のもと』を支払うと、基本的に約30日に1回だけ、一度に1本だけ、『くじを引く権利』を与えられます。

権利が与えられるだけなので、くじを引かなくても構いません。
ただし、くじを引かなくてもお支払いはあります。

毎回の排卵で、約1000個の『卵子のもと』(卵母細胞といいます)が消費されます。
通常1か月に一度排卵が起こり、通常1個の卵子が排卵されます。
この排卵に合わせて性交渉があれば、くじ引き成立です。

くじを引いて、あたりが出る確率は約20%。
当たれば、妊娠です。


・減っていく残高!

お母さんのカラダの中にいるときには、『卵子のもと』は600~700万個くらいあるとされています。

生まれたときには、100~200万個くらいになります。
あれ、すごい勢いで減りましたね。

排卵の起こり始める思春期の頃には、30万個くらいになります。
何もしていないのに減りすぎじゃないですか?

年齢が上昇していくと、もっと減っていきます。
37歳では25000個、50歳では1000個になります。

誰も何も悪いことをしていないのに、どんどん残高が減っていきます。
なんかちょっとおかしくないですか?

悲しいけれど、そういうものなんです。


・支払い拒否はできません!

何も悪いことをしていないのに、そんなに減っていくなんておかしい!
納得できない!

いや、まったくおっしゃる通りです。

ではお支払いを拒否することはできるでしょうか?

できません。

『卵子のもと』を1000個使って排卵が起こるんだから、排卵を止めてしまったら消費されないんじゃあないの?

当然そう考えますよね。

しかし、排卵が起こらなくても、時間が経過するだけでお支払いは発生してしまいます。
しかも、お支払額は変わりません。
実際、初経開始前にも『卵子のもと』は減っていたでしょう?

なんということでしょうか。
ここまで消費者に不利な契約ってあるでしょうか。
令和の時代にまかり通ってよいことではありません。

しかし、わからないうちに毎月のお支払いは発生してしまうのです。
消費者庁も対応はしてくれません。

じゃあ、残高を増やすことは?

これもやっぱりできません。
『卵子のもと』は後から作られることはないのです。


・今の残高は?

それなら仕方がない。
残高が底をつく前に、なんとか当たりを引きましょう。

じゃあ今の残高はどれだけあるの?

実は、自分で残高を知ることは基本的にできません。
残高がかなり少なくなったときや、なくなったときには、自分でもわかるようになっていますが、そんな状況になってしまっては遅すぎます。

AMH;Anti-Mullerian Hormone(抗ミュラー菅ホルモン) 採血検査
AFC;Antral Follicle Count(胞状卵胞計測) 超音波検査

上に挙げた検査で、現在の残高がどのくらいか調べることができます。

わかるのはだいたいの残高で、正確に何個残っているかまではわかりません。
測定誤差もあります。
また、あくまで現在の残高であり、低下具合には個人差があるため、未来の完全な予測はできません。

しかし、一定の指標にはなりますので、自分の状態が知りたいという方は、検査をうけてみてもよいかもしれません。

卵子の数は個人によるばらつきが大きく、若い方でも意外と少ない方がいらっしゃいます。


・卵子の数が少なくないひとは

検査を受けて、あまり少なくないという結果だった方は、卵子の数以外の要因を重視していけばよいでしょう。

基本的には、年齢を最重視していきましょう。
手遅れになる年齢まで引っ張らなければ、ほとんどの場合は問題ありません。


・卵子の数が少ないひとは

卵子が少ないという結果だった方は、まずは焦らず深呼吸です。

落ち着いてお話を聞いてください。

ここで重要なのは、しっかりとプランを決めることです。
今の卵子の数、年齢、その他の要因。
これらを総合的に判断して、どう戦略を立てていくのか。

妊娠という目標に到達するために最も重要なのは、この『戦略』です。

卵子の数は、妊娠率と関係ありません。
少ないから妊娠しにくい、多いから妊娠しにくいではありません。
もちろん、この逆でもありません。

卵子の数が少ないから、自然妊娠ができないということはありません。
赤ちゃんの異常も増えません。
すぐに体外受精・胚移植を行ったほうが良いということでもありません。

治療法などの『戦術』レベルの話は後から考えましょう。まずは少し先までの計画をしっかり考えましょう。

悲観しすぎる必要はありません。
落ち込むこともあると思いますが、数年先にわかるより良かったと思います。
今はちょっと辛いけど、気持ちが落ち着いたら目標へ向かって前向きに頑張ってみましょう。

そして、あまり自分たちだけで悩みすぎないようにしてください。
これからどうしていていくのか、ぜひご相談ください。


・終わりに

今日は主に、卵子の数についてのお話をしました。
やさしくないワードで始まり、なんかフワッとやさしいワードできっちり(?)締まったと思います。

卵子の数については、クリアカットに方針を決めることが難しく、総合的な判断が必要となります。

判断に迷う場合は、ぜひご相談ください。
一緒に考えてみましょう。

次は、
・子宮、卵巣などの状態(婦人科疾患の有無)
についてお話していきましょう。


妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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