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【つれづれ】流産を経験された方へ【よもやま話】

たなかゆうすけです。

今日は流産のお話です。

流産は、女性が人生の中で経験するさまざまなイベントの中でも、かなりショッキングな事象だと思います。ひょっとすると、親しい人との死別にも近いほどのインパクトを持つこともあるでしょう。

そうした深い悲しみによって、自分の世界観が変わってしまうことはありうることですが、なかなかそのような変化を想像することは難しいことです。


流産によって起こる変化

こころの変化

流産によって深い悲しみを経験すると、さまざまな感情・情緒が巻き起こってくることと思います。

・とにかく悲しい
・なぜ流産してしまったのか
・どうして自分なのか
・寂しい
・周りから取り残されてしまったように感じる
・何か悪いことをしてしまったのか
・何もできないのか
・再チャレンジする気が起きない

といったように、深い悲しみ、怒り、恐怖に似た不安、孤独、寂しさ、やるせなさ、感情の麻痺、罪悪感、自責感、無力感などを感じることがあると思います。

からだの変化

また、こころの変化がからだの変化として表出してくることがあります。

・眠れない
・食欲がない
・疲れやすくなった
・頭が痛い
・めまい、立ち眩みがする
・動悸がする
・胃腸の調子が悪い
・体重が増えた、減った
・気分が落ち込む
・やる気がでない

など、さまざまな変調をきたすこともあるでしょう。

日常生活や行動の変化

こういったこころとからだの変化から、日常生活や行動が変化してくることがあります。

・ぼんやりする時間が増えた
・しらずしらず涙があふれてくる
・流産した理由をずっと考えている
・次どうしたら良いかずっと考えている
・落ち着きが無くなった
・前より仕事にがむしゃらに打ち込むようになった
・赤ちゃんに関連するものを意識的に、または無意識的に避けるようになった

などの行動が増えることもあるでしょう。


悲しみと立ち直りの思いとの間で

こういったこころとからだ、行動の変化は、当然起こるものです。

こうした流産によって起こる変化に対して、こころとからだは現実に対応してこの窮地をなんとか脱しようと努力を試みてもいます。

こうしたアンビヴァレンツな状態でこころとからだが大きく揺れ動くと、実に不安定な状態となります。とても不愉快な感覚を持ったり、大きな違和感を覚えるかも知れません。これは悲しみを克服するために必要なプロセスなのですが、変化に対応しようとしながらまた変化が起きそれに対応していくといったように、一日ごとに、週ごとに、月ごとに少しずつ適応しながら、最終的には落ち着くところへ落ち着いていきます。

ただ、すべての方が完全に適応できるというわけではなく、こうした状態で、こころにふたをしてしまい十分に悲しむことができずに、長年にわたってしこりが残っているような『燻り』を感じる方もいます。また、おおきなこころの揺れ動きで苦しむ方もいます。

最終的には自分で乗り越えることとなりますが、このような状態にある人に、寄り添い、援助することも必要なことです。


流産を経験された方へ

あなたの感じているこころとからだの変化は、なんらおかしなことではありません。

まずは何らかの方法で充分に悲しみを表出してみてください。
パートナーを信頼して心を解放してみてください。
準備ができたら、少しずつ自分の中で整理をしていってください。

いろいろと考えてしまうこともあると思います。
孤独に感じることもあると思います。

しかし、そうやって悲しみ苦しんでいる方が確かに存在するということを、少なくとも我々は知っています。

ですから、焦らずに少しずつ進んでいってください。


終わりに

今日は流産を経験された方へのメッセージでした。

もちろん、医療機関としてできることはこういったメッセージを発信することだけではありません。

次からは、流産を繰り返す原因と、それに対する検査、治療についてお話していきます。


妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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