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【つれづれ】月経はなぜくるのか【よもやま話】

げっけいは なぜ
まいつき やってくる

おしえて おじいさん
おしえて おじいさん


たなかゆうすけです。
まだおじいさんではありませんが、立派な中年です。
関西人であり、スイス人ではありません。

採卵のお話はちょっと飽きてきたので、別の話をします。

突然ですが月経はなぜくるのでしょうか。


月経とは

月経(いわゆる生理)は、子宮の内側を覆っている膜(子宮内膜)が出血とともに剥がれ落ち、体外に排出される現象です。


月経が来るために必要なこと

月経は前述の通り子宮内膜が剥がれたものですので、剥がれる子宮内膜がなければ月経は起きません。子宮内膜はエストロゲンの作用で分厚くなりますが、十分なエストロゲンの作用がなければ剥がれるだけの内膜は形成されません。月経が来るためには、まずは十分量のエストロゲンが必要になります。

ホルモンと月経周期

十分なエストロゲンが供給されるには、外部から投薬の形で補充されるか、卵胞(卵子の格納されている袋)の発育に伴って分泌量が上昇することが必要になります。エストロゲンは主に卵胞の顆粒膜細胞から分泌されます。特に通常の月経周期の中では、卵胞の発育に伴ってエストロゲンの分泌量が増加すると、十分なエストロゲンが供給され、内膜が分厚くなります。


ホルモン量が低下すると内膜が剥がれる

ただ単にエストロゲンが上昇するだけでは内膜は剥がれず、月経は来ません。内膜が剥がれるためには、上昇したエストロゲンが低下する必要があります。

通常の月経周期の中では、エストロゲンが低下するタイミングが二つあります。排卵の前後と月経の前です。排卵の前後では、上昇したエストロゲンが一時的に自然と低下しますが、通常は内膜が剥がれるほど低下することはありません。ときおり勢い余って内膜が剥がれて出血してしまうことがありますが、これを俗に排卵期出血と言います。

月経が来る前には、エストロゲン値は月経中と同じくらいのレベルまで低下します。ここでは内膜がしっかり剥がれてくるため月経が起きます。月経が起こる前には排卵が起こっており、排卵後には卵胞が黄体へ変化しプロゲステロンが分泌されています。このエストロゲンとプロゲステロンの作用を受けた内膜が、最終的にこれらのホルモンが消退することで起こる出血を、消退出血と言います。つまり、月経とは消退出血です。これに対し、プロゲステロンの作用を受けず、エストロゲンの上下のみで起こる出血を破綻出血と言います。

いずれにせよ、一度上昇したホルモンが低下することで、内膜が剥がれて出血が起こります。


排卵が起こらないときっちりとした月経は来ない

排卵後に分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの作用を受けた内膜が、最終的にこれらのホルモンが消退することで剥がれ落ちると月経が来ます。つまり、きっちりと月経が来るためには排卵が必須となります。月経だと思っていても、実際には排卵がおこっていなくて定義上は月経ではない人もいます。


月経が来る時期のルール

妊娠が成立しなかった場合には、エストロゲンとプロゲステロンを分泌する黄体が時間とともに退縮し、ホルモン量が低下することで月経が来ます。黄体が形成されてから退縮し月経が来るまでの時間は約2週間です。

つまり、妊娠が成立しなければ排卵から約2週間で月経が来るというのが基本ルールとなります。毎月同じ時期に来る人もいますし、バラバラの時期に来る人もいますし、何ヵ月も来ない人もいます。これらは、排卵の時期が人によったり、周期よったりで変化することによって起こります。


まとめ

『月経は排卵の2週間後に来る』が基本ルールです。排卵が起こりにくかったり、排卵の時期が周期毎にズレると、月経周期が毎回変化して月経不順として表れます。つまり、月経の異常は排卵の異常と密接な関係があるのです。

ここから数回にわたって、排卵の異常、排卵障害のお話をしていきましょう。



妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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