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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~O、P①【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療のよくわかるかも知れない略語解説です。今回はOとPのpart.1。


OHSS オーエイチエスエス

Ovarian HyperStimulation Syndrome 卵巣過剰刺激症候群

卵巣を過剰に刺激した結果、過剰に卵胞が発育し、過剰なホルモンが分泌されることにより引き起こされる病態。体内の水分の分布に異常が起こり、計液中の水分がいろんなところに溜まっていく。これにより血液は濃縮して凝固(固まること)しやすくなり血栓症を起こしやすくなる。また尿量は減少する。腹腔内(おなかの中)や胸腔(胸の中)などに水が溜まって、腹部膨満感や嘔気、体重増加、呼吸苦などの症状が出現する。このように多彩な臨床症状を呈するが、妊娠が成立した場合に重症化しやすいため、対策として全胚凍結を行う。対策が確立していているため、近年では重症化することは多くない。


PCOS ピーシーオーエス

PolyCystic Ovary Syndrome 多嚢胞性卵巣症候群

エコーで卵巣の小さなcyst(嚢胞)状の卵胞が多数確認できる状態を、PolyCystic Ovary(多嚢胞性卵巣)と呼ぶ。この時点ではただの卵巣の画像所見であるが、さらにホルモン異常と月経周期異常が重なると卵巣過剰刺激症候群(syndrome)となり、病的な意義が発生する。有病率は10%前後と割と頻繁に遭遇する。不妊治療に於いては、排卵障害が最も問題となる。刺激が弱いと卵胞が発育しないが、刺激を強めると複数の卵胞が発育して多胎妊娠やOHSSが問題となる。現在では、凍結融解胚移植での単一胚移植が行えるようになり、体外授精・胚移植でこの問題は解消しやすくなった(体外受精・胚移植を推奨するものではない)。


PCR ピーシーアール

Polymerase Chain Reaction ポリメラーゼ連鎖反応

DNAサンプルの特定領域を増幅させる反応。DNAの2本鎖を解いて2本の1本鎖にして、それぞれのもう片方を合成してやるとあら不思議、DNA2本鎖が2本できてしまいました。これを何度も繰り返すと1本→2本→4本→8本…と倍々に増えていくことになる。ポケットを叩けばビスケットが2枚的なやつ。説明はかなり雑なので、あまり信用しないように。少ないサンプルを解析可能な量まで短時間で増幅させることができる。不妊領域では遺伝子診断やクラミジアの抗原検査として利用される。




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