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こわがりデータサイエンティストが転職に前向きになるまで #ポジウィル

霧が晴れるように悩みが消える体験をしたことはあるでしょうか?
ある一瞬を境に、自分がなぜそれに悩んでいたのか分からなくなる、というものです。

私はポジウィルのセッションで2回も経験しました。

ポジウィルの無料面談申し込みまで

私は過去に大学の任期付研究員(いわゆるポスドク)として勤めた後、アカデミックのキャリアに見切りをつけ、事業会社のデータサイエンティストとして転身しました。

現職は収入も悪くなく、福利厚生もそれなりに整っている環境でしたが、徐々にモヤモヤが募っていました。

理由は2つあります。

①本務が全くできなくなった
名目はデータサイエンティストとして雇用されているものの、最近はデータ分析・モデル作成以外の雑用が増えすぎてほとんどデータに触れない状況が続いていました。これでは業務経験が積めず、自分の能力が錆びついてしまうという危機感が募りました。

②経営陣による理不尽な評価
詳しくは書けませんが、「この部署の職掌は◯◯です」と言われたので◯◯の業務で成果を出したのに、ある期の経営陣の最終評価で「(スコープ外だったはずの)✕✕が全然できていない」ということで部署の全員が低評価になったのです。次の期ではそのようなことはなくなったものの、自分たちは全然大事にされていないんだな、という不信感は残りました。

いま改めて書いてみると転職してもおかしくない状況ですが、当時の自分は「こんなことくらいで転職してもいいのだろうか」と悩んでいました。

転職エージェントに相談すると転職側に倒そうとしてくるのは容易に想像できたので、フラットな視点での相談相手を探していました。

そこで、以前からwebで知っていたポジウィルキャリアを受けることにしました。

正直、金額のハードルが高かったのですが、体験談を読む限り、クライアントにしっかり向き合ってくれるようでしたし、転職エージェントと違って「転職しない」という結論も出せるというのも評価ポイントでした。

体験セッション

体験セッションは永井啓さんでした。

どうやら、私は大学の研究者という珍しいキャリア出身で年齢も40代前半と高めということもあって、ベテランの方がアサインされたようでした。

セッション本体は数十分程度の短いものでしたが、「上振れ余地のある不確実性に魅力を感じる」という診断に納得しました。私はデータ分析で、ゴミが出るかダイヤが出るかわからない側面にワクワクするのです。

あと、永井さんがポジウィルのことを「総合格闘技」と例えていたのも印象的でした。コーチング、ティーチング、コンサルティング、カウンセリングをフル活用するというものです。

私は比較的社会人経験が長いということもあって、「キャリアデザインPROプラン」をお薦めされました。当初想定していた「キャリアデザインプラン」より高いので少し考えましたが、結局その場で入会を決めたのでした。

本セッションの35日間(前半:過去の振り返り)

担当トレーナーは山下優紀乃さんでした。この方もベテランです。

序盤は私の過去について振り返りました。

話が横にそれますが、ポジウィルのワークは、真面目にやると結構時間がかかります。私は慎重派でしたので、毎日見返して、自分の言動にブレやヌケモレがないか確認し、何度も塗り重ねるかのように加筆修正を繰り返していました。高いお金を払ったので、余さず自分を分析したかったからです。

さて、おっかなびっくりで受けた第一回のセッションですが、ここで山下さんには「人が怖いのではないか」とズバッと指摘を受けました。図星でした。

自分でも薄々感じていましたが、他人はみな自分を攻撃してくるのではないか、という被害妄想が常につきまとっていたのです。

なぜ攻撃を恐れているかというと、過去にそういう目に何度も遭っているからです。物理的な攻撃だけでなく、強い口調で詰められることも含みます。

第二回のセッションでは「じぶん史」などをもとに過去の体験を振り返りました。ここで重点的に話題になったのは、小学校のときのある担任のトラウマ体験でした。

どれくらいのトラウマかというと、数年前までは、心の中で名字を呼ぶのも恐ろしいと感じるほどでした。

その先生は、マイルドに言えば「こだわりが強い」人でした。何か失敗をしたときは謝っても許されず、特別な「手続き」を要求しました。その「手続き」は今の自分にもルールがわからないのですが、できなかった私は「反省していない」「サボっている」「親のしつけが悪い」と言われた後に無視攻撃を受け、テストを採点されないこともありました。

小学生という性格形成期にこのような理不尽な体験を受けたということで、「人が怖い」という考えが植え付けられたのだと最初は考えていましたが、山下さんの分析では、これがさらに掘り下げられました。

なぜなら、クラスメートも皆同じ目に遭っていますが、みんなが同じように人が怖くなっているかというと、必ずしもそうでもないからです。

ここでは「妨害者」という、自分が行動を行うのを妨害するような心の声を発するパーソナリティについて着目しました。第一回の宿題で「妨害者ワーク」というのを行い、私の主な妨害者は「こわがり」「潔癖症」「八方美人」であることが分かっていました。

「こわがり」がこの理不尽な先生の影響で強まったのですが、それ以外に「潔癖症」「八方美人」がもともと居たからではないかという仮説が立てられました。

小学生のときのことは抑圧してしまって思い出すことも難しく、山下さんと、ああでもないこうでもない、と10分ほど議論したことを覚えているのですが、どうやら「潔癖症」「八方美人」に関連して、「上の人の言うことは絶対」「理不尽な主張を押し付けてくる人に適応できなければ終わりだ」という自動思考が根底にあったからのようでした。

このとき、理不尽な先生について山下さんが放った一言が、私を楽にしてくれました。

相手を説得する能力がない人は恐怖で支配する。説得するより簡単だから」

それまで10m級の巨人が覆いかぶさってくるようなイメージだった担任が、足元でキーキー騒いでいる小鬼に化けてしまいました。

これが、頭の霧が晴れた一回目でした。
なんであんな小物に今の今まで気を遣っていたのだろうかと、自分でもさっぱり分からなくなったのでした。

閑話

数日後、休日に子どもと一緒に散歩していたときのことです。

突然、小学校のときの盆踊りの音楽が頭の中で流れ始めました。最初は、なぜ急にそんなことを思い出したのか分からず驚きました。そして、盆踊りの音楽を糸口に、小学校のときの記憶の断片が次々と思い出されました。

数日前のセッションのときは小学校のときの記憶があまり思い出せず、強い抑圧状態にあるようでしたが、少し時間をおいて、当時のトラウマがいくらか解放されたのかもしれないと解釈しています。

本セッションの35日間(後半:仕事について)

後半は、現在や未来のことを考えるフェーズでした。
まずは現在の業務の棚卸しです。

薄々気がついていましたが、データサイエンティストなのに、データに触れている時間は全体の1割程度であることが可視化されました。

会議の時間が全体の3~4割。残りの時間はマネジメントやベンダーコントロールや事務処理が埋めてしまい、データ分析は残業してなんとか時間を捻出している有様でした。

「こんなことばかりやっていたら、技術が陳腐化して市場価値が下がってしまう」と近頃危機感を抱いていたことが頭をよぎりました。

ただ、山下さんからの指摘で気が付いたのは、マネジメントとしてはキャリアを積んでいるので市場価値は下がっていないということです。

ただ、私がマネジメントに価値を見出せず雑用だと思っているから満足していないだけ。裏を返すと、私はスペシャリスト志向だということが分かりました。

これまで、キャリアパスに対する悩みとして「スペシャリストか、マネジメントか」で迷っていたのですが、スペシャリストのほうに軍配が上がった瞬間でした。

ああ、私はスペシャリストになりたかったのか。
頭の霧が晴れた二回目でした。

山下さんから見ても、このあたりから私の表情が良くなったそうです。

運良く、データサイエンス業界はスペシャリストでも十分な給与をもらえる求人があるので大丈夫だということを確認して、ほっとしました。

なぜ価値を見出していないマネジメントが選択肢にあったのか考えてみたところ、伝統的な「キャリアアップとはマネジメント層に行くこと」というイメージに引きずられていたのだと思います。

ついに今後のキャリアの選択肢について考えるときが来ました。
評価要素別に点数をつけていく「選択肢比較」ワークを開始しました。

このあたりから、私は徐々に転職について前向きになっていき、以前登録したまま放置していた転職サイトをよく見るようになりました。

第4回の「4Lワーク」でLabor(労働)、Love(愛)、Learning(学習)、Leisure(余暇)で5年後のそれぞれの配分を決めた頃には、もう転職することにワクワクしていました。

第5回(最終回)のアクションプラン作成の結果、目の前には転職スケジュールが出来上がっていました。

転職先の条件としては、小さい子どもがいるので、パートナーと家事育児を分担できるように、ワークライフバランスを重視することにしました。

キャリアデザインPROプランの振り返り

ポジウィルを受講する前の自分はマネジメントかスペシャリストかの分岐点で迷っていて、転職で幸福になれるのか自信がありませんでした。

ところが、妨害者の存在を発見し、その声を脇に置いて考えられるようになったことで、自分がどうしたいか、その理由は何故か、ということについて集中して考えられるようになった感覚があります。

実際に、PROプラン終了後に何人かの転職エージェントと面談をしたとき、転職理由や転職先に求める条件を即答できたので、「解像度が高いので、こちらでその整理を手伝う必要はないですね」と言われました。

ポジウィルを受講して、仕事に限らず、家族・学習・余暇にも目を向けることができ、より満足度の高い人生を送れそうだという確度が高まりました。

エピローグ

転職活動をすることは決めたものの、この先を一人で進むか、サポートプランを追加契約して山下さんに伴走していただくか、二つの道がありました。

今度は即決できず、1週間近く迷いましたが、結局、180日のサポートプランを契約することにしました。転職活動後のサポートも視野に入れたスケジュールになります。

契約を決めた理由はあまり論理的ではないのですが、一人で進んだら失敗して時間がかかるかもしれない一方で、サポートプランに入れば「転ばぬ先の杖」として最速で転職できそうだと思ったからです。

サポートプランのワークを進め、十数社に応募した結果、2社から内定を頂き、とあるAIベンダに入社することを決めました。
24年の5月からジョインすることになります。

新しい環境に馴染めるのか、成果を出せるのかという不安は多少ありますが、前に進もうという気持ちにブレはなく、淡々と引き継ぎと入社準備を進めています。

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