雄弁は一種の化け物
特に盛大でもない前書き或いは読まなくて全く構わない冒頭
から彼の語りは始まる。新鮮な小説だ。そして前の
「あるけど弱い。なぜならたかだか20年しか生きていない若造だから。自分の爺さんと会うたびに世の中について語って毎回言い負かされる程度に、教養は無い。」
の言葉に私の教養の力は彼に劣ると思った。
そして彼の知識が愛おしい。
まぁそれでも、同じ年代の若者だったら酒だったり雰囲気だったりに酔って教養をくらべてみたら圧倒してしまう程度にはあるんだ。偶には負けるけどね。負けたことがあっただろうか。まぁいい。
この言葉に嫌われないのを恐れていえば彼がそんな人だとは一ミリも予感していなかった。彼にこそ言う。
ここで言う教養とは知識の量でも質でもない。いかに使うかだ。
いかに哲学的な言葉か。使える技術が教養。
それでも現代の若者の大半は知識量も活用力も弱い。僕よりも。知識を手に入れたとき感想が持てない奴のなんと多いことか。知識を手に入れてそれを下に見て扱ってこその人間なんだ。
教養を身につけた若者の戯言だ。だけど鏡だ。
まだ、始まらない。
らしい
作者: 河口ダメ人間
評論:雪之都鳥