第48回ポップな考古学の楽しみ方
1、導入
昨日のnoteで
古墳クッションと縄文の文様の話をしました。
最近、縄文と古墳は中々ポップな人気があるように感じます。
縄文については
その名も
というサイトがあります。
これは世界遺産登録を目指す、北東北北海道のポータルサイトの位置付けで、イベント案内や様々なジャンルの著名人の縄文への想いを込めたコラムなど、非常に興味深いものとなっています。
また古墳時代には
というポータルサイトがあり
古墳への愛が溢れています。
2、正直な想い
考古学の成果が一般にここまで受け入れられているのを見ると、素直に微笑ましいですよね。
一時期流行った超古代文明とかのトンデモ歴史よりも
ありのままの古い文化をアレンジして楽しむ。
ただ、少し悔しいのは
私の専門の中世もこのような盛り上がりが欲しい!
ということです。
中世とは
一言でいうと武士の時代です。
平清盛から徳川家康まで。
何が魅力って混沌と活力です。
誰が偉くて、誰が決めているのかが見えにくい。
中央や権力中枢は混乱を極めているのに
地方が元気。
概ねそんな時代だと思ってます。
最近は呉座勇一さんの『応仁の乱』や亀田俊和さんの『観応の擾乱』が話題になっていますが、やっぱりいわゆる歴史好きの方への浸透にとどまっているのではないでしょうか。
3、もっと中世も
考古学で言うと
まずはなんて言ってもお城。
と言っても江戸時代の天守閣のあるお城は邪道ですよ。
どうみてもただの藪にしか見えないところに入って行って、土塁の跡や空堀の跡を見つけるのが「中世」の楽しみ方。
次は板碑。
仏教に基づいた供養のための石塔の一種ですが、お墓ではありませんよ。
自分や家族が極楽に行くために、聖なる場所に建てたもの。
梵字というサンスクリット語で、仏様を表していますが、その彫刻の素晴らしいこと。
拓本を取って額縁に入れて部屋に飾りたくなりますよ。
そして最後は陶磁器。
中世になると、ちょっと有力な武士やお寺には必ずある竜泉窯という中国の窯で焼かれた、蓮弁文という文様を施した茶碗はその透明感に引き込まれますよ。
足利義満や義政が天下の名物を買い集めては世の羨望を集めていたとか。
ある時、義政将軍がお気に入りの茶碗を割ってしまい、同じものを作ってくれと中国に送ったそうです。
ですが帰ってきたのは割れた茶碗を直したもの。
当時の中国では同じものを作る技術
ないとのこと。
お金にものを言わせて海外のブランド品を買い漁る。そんな時代がある周期で回ってくるのでしょうか。
ただ、ツギハギの茶碗はそれはそれで美しい。
なんとも言えない「景色」がある。
それが「侘び寂び」のココロとして利休さんにつながって行く思想なのだと個人的に思います。
想いが暴走して、上滑りしましたが、何を言いたいのかというと、中世文化ファンの集いが、縄文や古墳のようなポップな感じでできないかな、という妄想でした。
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