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【前編】大阪大学発学生ファッション団体 FtoS 独占インタビュー!

今回は筆者が通う大阪大学の学生ファッション団体であるFtoS(エフトゥエス)の代表を務める、吉岡さんに独占インタビューを敢行しました!
FtoSとはどんな団体なのか?ファッションについてどんな思いがあるのか?などなど、阪大生のファッション事情を赤裸々に語っていただきました。今回はその前編です。


本記事のライター K(大阪大学4年生。tunageruでインターン中。)

「スローファッションを広めたい」

〈K〉はじめまして!tunageruのKと申します。本日はどうぞよろしくお願い致します。
〈吉岡さん(以下、敬称略)〉FtoS代表で、大阪大学外国語学部に所属しています吉岡と申します。よろしくお願い致します。

〈K〉ではまず初めに、FtoSに入った理由を教えて頂けますでしょうか?
〈吉岡〉小さい頃から服がずっと好きで、高校生の頃から機会があったら好きな服を着てスナップを撮ったりしていて、その内に環境に配慮したファッションに興味を持ち始めました。阪大入学後にFtoSを見つけて、ただのファッションのサークルじゃなくって、環境に配慮しているファッションの団体だったので魅力を感じて、1年生から加入して今に至るという感じです。

〈K〉今少しお話に出てきたんですけど、FtoSの理念っていうのはどんなものなのでしょうか?
〈吉岡〉理念については、服に愛着を持って長く着ることを楽しむ、そしてそれが周りにも広がっていけばいいなっていう思いを持ちながら活動しています。
 FtoSのFがファストファッション、Sがスローファッションなんですけど、私たちはファストファッションを大量生産と大量消費、つまり早いサイクルで回っていくことと捉えてるんですけど、そうじゃなくってスローファッションっていう、遅く長いサイクルで1着を大切に長く着るということをやっていこうっていうのが理念ですね。

〈K〉Instagramの投稿を見ていても、自分のお母さんとかが着てた服を他のメンバーに着てもらうっていう投稿も見かけたりして、そういう意味でも長く服を楽しむっていうことなんですね。そこから、環境問題に繋がっていくんですね。
〈吉岡〉そうですね。やっぱり長く着ればゴミが減ると思うので。

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メンバー間で服を交換してスナップを撮る企画で、メンバーが母親から譲り受けたスカートを他のメンバーに着てもらった1枚(FtoS インスタグラムより)https://www.instagram.com/p/CaHbku4rRjB/ 

「好きなことで環境が悪くなって欲しくない」

〈K〉環境問題っていうところで、ファッションと環境の関係は現在トレンドというか、いろんな団体がいろんな取組みをしていますよね。FtoSとして、また吉岡さんご本人としても、環境問題に対してどういう取り組みをしていきたいと考えてらっしゃいますか?
〈吉岡〉まずファッション業界が抱える環境の問題っていうと、服を生産するときにたくさん水を使ってたりとか、化学繊維を使うことで、服がいらなくなったり着れなくなったときに土に帰らずゴミとして溜まっていったりとか、マイクロプラスチックも関連したりとか本当に多岐に及ぶ問題があります。そういうことを解決しようと思ったら、土に還る素材を使った服を選んだりということにもなってくるんですけど、そういうのって技術的にすごく難しくて。だからそういう製品は価格が高かったりして、なかなか学生には取り入れられないんです。
 でもやっぱり服が好きだし、ファッション、自分の好きなことで環境が悪くなるのがすごく嫌なので、じゃあどうしたらいいのかなって考えました。すると、1シーズン着て、次の年に買い換えるとかじゃなくて5年や10年着れる服を選んで着るとか、今ある服をもっと大事にするのがいいかなって。
すごく小さいことですし、それで環境が変わるかと言われたらそうでもないと思うんですけど、そういうことを自分も行って周りにも広げていけたら、ゆくゆくは大きい力になって、環境も変わるんじゃないかなって思います。そういう学生である自分でもできる、金銭的に負担をかけずにできる活動として、今ある服を大切に着るスローファッションを広めていけば、ファッション業界が抱える環境問題もちょっと改善したり、希望が見えてくるのかなとは個人的には思ってます。

〈K〉ありがとうございます。
僕の話になりますが、昨年、ESG投資にまつわる授業を受けて、環境問題についても学んだんですけど、その中でヨーロッパの若者で環境問題に関心が高い人が多くて、今仰っていたような個人単位の、草の根の活動から始まったものが、大きなムーブメントになったという事例もありました。日本でもそんな動きがないのかと考えていたので、FtoSの活動のそういう考え方は非常に共感できますし、素晴らしいなと思いました。
古着屋さんの紹介とか、投稿に古着がよく出てくるっていうのもやっぱり一つの服を長く楽しむっていうところの考え方から来てるんですかね?
〈吉岡〉そうです!
古着を着るのもファッションの楽しみ方の一つなので。古着に抵抗のある人も結構いて、人が着た服着れないなとか、そういう気持ちもわかるので必ずしも古着じゃないといけないっていうことはないんですけど。でも、古着という取れ入れやすいファッションで、環境に関わる活動としてFtoSの団体として推してるので結構投稿に古着はよく出てきますね。

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古着を着用したメンバースナップの1枚。なんと、このレザージャケットはドイツ軍の潜水艦員が着ていたとか!?(FtoS インスタグラムより)https://www.instagram.com/p/CaXPWSnptrz/


「人と人との繋がりが意識できるといいな」

〈K〉では、今度はFtoSの具体的な活動について質問させていただきます。普段の活動と、ファッションショーのようなイベント的なものと2つあるかと思いますが、普段はどういった活動をされてるんですか?
〈吉岡〉普段は定期的にメンバーのスナップを撮ったりとか、フリーペーパーを制作してます。
 最近はコロナでフリーペーパーを印刷して配るっていうのがちょっと難しいので、SNSで発信する形でフリーペーパーを作成してます。あとは、リメイク作品を作ったりしていますね。
 決まった活動ってなると、この3つですね。あと、少人数で活動していることもあって、メンバーのアイディアを聞いて新たに挑戦してみる活動っていうのも結構ありますね。

〈K〉メンバーの方がこれいいんじゃないかみたいなアイディアがあればそれをどんどんやっていこうという雰囲気もあるんですね。
最近は具体的に何をされましたか?
〈吉岡〉先程のお話にも出てきた、古着屋さんの紹介をやりましたね。メンバーが古着屋さんに行ってお店の方にいろいろ話を聞いて、それをインスタグラムの投稿にしました。

〈K〉僕もその投稿を見てお店の紹介とかもあるんやと思って、行ってみようかなと思ったので、ぜひ続けていただきたいです!(笑)
では今度はイベント系の活動に話を移します。ファッションショーを開催されていましたが、テーマ設定をされていましたよね。前回は「巡る」というものだったんですけれども、これはFtoSの理念と繋がっているなと感じました。それでこういったテーマはどういう風に決めてるのかがすごく気になったんですけれどもいかがでしょうか?
〈吉岡〉メンバー全員で話し合って決めます。結構長い期間話し合いますね。
 例えば2個前のショーだと、コロナがどんどん流行ってきた時期だったので皆の頭の中にコロナっていうのがあって。なのでコロナに関係するワードを1人ずつ出していこうということになって、その中で人と人との繋がりが意識できるものがいいなとなってテーマにしました。(前々回のショーのテーマは「CO-fashion」。「COVID-19」と「共同」や「相互」を表す「co」から来ている。)
 前回のショーでは決めるのにかなり苦戦しました。日本ぽいことをテーマにしたい人と、自然をテーマにしたい人と、循環をテーマにしたい人といろんな意見が出て、組み合わせるのかそれともいいものを取るのかっていうので、結構長時間話し合いました。
毎年そうやって何回も何回も話し合って、テーマは決めています。

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「FtoS CO-fashion show&gallery 2020」での1枚画像提供:FtoS


〈K〉そうなんですね。
メンバーの方は毎回意見をバンバン出してくるような雰囲気なんですか?
〈吉岡〉そうですね。次のミーティングでテーマを決めるから1人1つ絶対考えてきてねとは言います。ただ、1人でいくつも意見を持ってきてくれたりするので、結構活発なアイデア出し、話し合いだと思います。

〈K〉そうなんですね、素晴らしいですね。
 前回のテーマ(「~巡る~」)に関しては、和の要素や、循環も自然の中に存在するものでそれぞれのアイディアがうまく調和している気がします。アイディア出しだけじゃなくて、それらをまとめる部分でも、しっかりコミュニケーションが取れているからこそできたものかなと感じて、そういうところも素晴らしいと思いましたね。
〈吉岡〉ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです

〈K〉ファッションショーの服は全て自分たちで制作されているんですか?
〈吉岡〉服は布1枚から作る人もいれば、元々あるものをリメイクして作る人もいますね。

〈K〉なるほど。
 では参加される方がそれぞれ1人1着ずつ作るような形なんですか?
〈吉岡〉そうです。メンバーは服作りをメインで行います。モデルさんは募集しているんですよ。自分で作って自分で着る人もいますけどね。

〈K〉では、Instagramの投稿に上がってる人も全員がFtoSさんのメンバーというわけではないんですね。モデルさんの募集も大変じゃないですか?
〈吉岡〉そうですね、以前はモデル募集しますってInstagramのストーリーとかにあげて募集していたんですけど、なかなかコロナになって大々的に人が集まるようなことをするのも団体としてどうかっていう話になりました。なので前回はメンバー各々が知り合いに頼んで、モデルさんを連れてくるっていう感じでした。確かにちょっと大変でしたね。

〈K〉作る難しさもあり、人を集める難しさもあるんですね。でもそういう運営面も含めて、非常に面白そうでやりがいも大きいですね!

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「FtoS fashionshow~巡る~」での、お盆をテーマにした1枚(FtoS インスタグラムより)https://www.instagram.com/p/CZZMc8-luGR/

 後編では阪大生のファッションや新入生に対する思いや、今後の展望などが 語られています。

後編はこちらから!

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