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ゆたかな人は文化を愛する

こんにちは、月村です。
見かけたコンテストタグ「#ゆたかさって何だろう」に興味を持ったので、私なりのゆたかさをちょっと考えてみました。

よくある会話のシーン

ある日、職場で折込チラシのキャッチコピーが話題になった。その話の流れで「春らしいキャッチコピー」が議題になり、同僚の若い女性がこんな面白いキャッチコピーがあると紹介してくれた。

「春は、あげもの。」

このコピーを聞いて、その場ですぐに笑ったのは私も含めて2、3人くらいだった。
同僚の1人が意味を求めたので、私が解説役になった。

「枕草子の冒頭をもじってるんですよ。『春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山際〜』ってやつ」
「あっ、学校で習ったことある!」

古典の名文を「あけぼの→揚げ物」に文字って、揚げ物の広告にしたのだ。
意味を知れば、その場の人達は「なるほど」と理解して笑いも共有される。これはその良い事例だろう。

雑学がコミュニケーション

「笑いには教養が必要である」という言葉がある。
オマージュにしろパロディにしろ、何かしらの「ネタ」が提示された時、それに対して何が面白いのかを受け取る側が理解した時に、初めて「笑い」が生まれる、という解釈だ。

よく笑う人は会話も豊かだな、と感じる。
そして会話が豊かな人は、往々にして「頭が良い人」だと思うのだ。
この「頭が良い」とは、専門的な知識に長けているとか、効率的に仕事ができる、という事ではない。
とにかく話の引き出しが沢山ある、という事だ。

落語や古典の名言を語ればすぐに返し言葉が返ってくる人。
日本神話やギリシャ神話はもちろん、北欧神話からクトゥルフ神話に至るまで世界の神々や伝承を知っている人。
星座や星の名前を知っている人。
鉱石の名前や特徴、科学に詳しい人。
鉄道や地図に詳しい人。
歴史上の人物や土地を知る人。
季節の花や花言葉を知っている人。
SNSやネットの流行り話題をいつでも知っている人。
そして、毒の種類や武器の種類を知ってる人。

引き出しが多い人と話すのは楽しい。
自分が知らなかったことを教えてくれる楽しさ、そして自分が言いたい事をすぐに汲み取って共感できる嬉しさ。
些細な知識が豊かなコミュニケーションとして返ってくるのだから、楽しくない訳がない。そして、私は引き出しを増やすこと自体は決して難しくないと思っている。
大抵において彼らは生活や仕事のためにそういった知識を身に付けた訳でもないくこう言うのだ。
「漫画やゲーム、もしくは映画で知った」と。

漫画もゲームも映画も娯楽だ。
しかし、ゲームや映画は歴史や古典が題材になることも多い。
漫画は特に分かりやすく簡単に文化や知識、その時代の流行を教えてくれる。
娯楽を楽しめば楽しむほど、知的教養は身につけることができるのではないだろうか?

それだけ多量の文化財がエンタメとして根付いてる国に、私達は暮している。
娯楽を通して教養を身につけらる社会がある。これを「ゆたか」でなくて何と言うのだろうか。

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