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#2020年の推しnote

 さらば2020年。年末棚卸企画の第2弾。今年読んで特に心に残ったnoteをピックアップする毎年恒例のやつです。シャニマス関連が多いのでご容赦ください。

棚卸企画第1弾

 仕事納めは終わった。その次はnote納めってんで、今年一年に読ませてもらった珠玉の作品を選びに選んで厳選し、未来永劫語り継がれるべき名作をドドンと発表して、36,555人のフォロワー(執筆日現在)におれの趣味嗜好を知ってもらうと共に、ピックアップした記事のライターへのラブレターも兼ねた、大変奥ゆかしい企画です。もっとあなたの文章を読ませてほしいという、とっても身勝手なピックアップ企画です。選ばれても何も貰えませんが、寒い冬のひと時にわずかでも心が暖かくなれば何よりです。

~はじまるよ~

 映画ファンやってると自分のベストを決める楽しみはもちろん、他人のベストを知るのも年末の醍醐味。そんな趣向に応えるように、年間映画ベスト10のハッシュタグでつぶやかれた作品を集計するという、とてつもない労力を割いた記事が爆誕。twitterで盛り上がった映画と大衆にウケた作品のギャップが興味深く、『プロメア』『ゴジラKoM』がtwitterウケする映画ということが判明し、作品がディープであるほどカルト的な盛り上がりがSNSで爆発するものだと再確認した。

 2019年は『プロメア』に心を燃やした泥水サン、その翌年、TRRIGER成分皆無の『ミッドサマー』に救われカバー画像の状態になるという、エゲつない高低差を披露。しかし読み進めていくと、不思議と「ミッドサマーを観るとスッキリする派」の方々の気持ちが手に取るようにわかり、作品への印象も大きく転換するきっかけになった、摩訶不思議なnote。

 2020年、シャニマス界隈を最も騒がせたであろう新ユニット「ノクチル」。ことシャニマス怪文書の聖地と名高いこのnote荒野にも様々な作品が投稿されたものの、もっとも「正解」に近いのではと唸らされた世間の隅から好き放題ver2.0サンの作品から、浅倉透をチョイス。かつてプロデューサーと交流があったという飛び道具で参戦した浅倉透について、丁寧な考察で紐解いていく筆致がとにかく鮮やかだ。

 続くシャニマス案件は、【空と青とアイツ】芹沢あさひについてのこちらのnote。このカードについては私も記事を書いたのだけれど、「あさひを主役にしたコミュに見せかけたシャニP主役コミュ」という本コミュの特異性について切り込み、そのセンチメンタリズムにもっとも寄り添った繊細な文章が刺さった。

 オタクはみんな大好き「他人の初見感想」シリーズなんですけど、ワイスピ観てなかったの!?という驚きもさることながら、『SKY MISSION』を初めて観た時の高ぶりを思い出させる異常なテンションの文章がとにかく最高。ポール・ウォーカー、forever....

 初見感想のことを「監禁報告型」というヤバいエンタメにした張本人。こんなんだが嫁がいる。とくにヱヴァ感想がよくて、

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
何も分からない。コミュニケーションが断絶しているし美味しそうなご飯が出てこない。シンジくんがめちゃくちゃ可愛そうで何も分からないまま終わった。

 の読み解きが的を得ている。というか、エヴァ有識者だってQはよくわかっていないので、同じステージに登ってきてもがき苦しむ初見勢をおいでおいでしたいエヴァオタにオススメ。

 2020年わかるオブザイヤー。SAC2045については私自身わりと楽しんだ方だと思うけれど、これがあの『SAC』の続編として満足いくものかどうかと問われると、ヒジョーに複雑な想いがある。そのモヤモヤを上手く言語化していただいた、今年の中でもお気に入りの名著。

 釣られクマー案件だと思ってたのに、なぜだろう、釣られてよかったと思う不思議な爽快感がある。いや、やっぱり許さん。

 怪文書オブザイヤーその1。今年読んだあらゆる文章の中で、最も笑いを誘われた勢いのある序文から始まり、妙に生々しい質感をもって語られる田中摩美々の架空のソロライブの情景。ここまで強度のある妄想を出力できたら、"本物"だと思いますよ。

 コロナで居酒屋に行けないのなら、釈にお酌して貰ったらいいじゃないという逆転の発想を叶えるアイテムが、なんと2002年に流通していたらしい。釈フィギュアの香ばしいクオリティもさることながら、文中の動画を再生した後の「これが再生履歴に残るのか」という漠然とした恐怖を味わってほしい。

 ぼくこの前冬優子と結婚したけどね。

 「なぜ我々はシャニマスに惹かれるのか」という問いに対しての、一つの回答だと思う。芸能界のような大人の社会では通用しない倫理や正しさ、あるいは生き方を持つ少女たちが、それでも優しさを胸に前に進む物語。だから私たちはシャニマスを読み解くことを止められないのだ。

 やったー!感情のデカい文章や漫画がいっぱいある!!年末はこれを読んでしんどくなろう!!!!!!!!

 絵文字の互換性の無さが生んだ悲劇にして喜劇。よりによって化粧品のサイトで出てしまったこと、筆者のガッツが生んだリカバリーの顛末など、タイトルに似つかわしい爽やかな後味が印象的だった。

 就職活動については苦い思い出しかないので振り返るのもゴメンだが、このnoteとはもっと早くに出会っておきたかった。最初に躓くであろう自己分析や志望動機、世に出ている無数のテキストよりも本著の方がずっと参考になるし、心に染みるはずだ。

 FFナンバリングタイトルを遊び尽くしていたらFFXVのスタッフキャストに見つかったことでおなじみジスロマック氏のシリーズより、8をチョイス。スコールさん、ディシディアのクールなイメージが頭に残っていたので、案外ネクラ思考だったことを思い出させてくれた。班長を押し付けられて愚痴るFF主人公、いいですよね。

 タイトルでひとしきり笑った後、さらなる衝撃が待っていた。え、ここ抜きどころですか????

 怪文書オブザイヤーその2。顔の良さでは他の追随を許さない「世界で最もハンサムな男性6位」ことリティク・ローシャンに狂わされた、暴力エンタメ怪人の回顧録である。映画『WAR ウォー!!』の魅力を余すことなく語っているはずなのに、ちょいちょい顔を出す「リティクはおれの親戚」「リティクのことがおれがよくわかっている感」が怪文書たる所以だろうか。

 2013年のゲームらしいけれど、2020年の今、より“世界”に近づいてしまった感ありそう。ディストピアは私たちの生活に密着する形で形成され、その縛りに私たちは安堵を覚え、抜け出せなくなった今、このゲームで今一度「自由」の意味を考え直し……やっぱり放棄して楽になろう。

 ドニー・イェンと地面の接地面が曖昧な写真が何枚も集まっている。ずっと見ていると、「なんでおれは重力に縛られているんだろうか」という気すらしてくるぞ。

 神とはゴジラであり、バーフバリであり、そしてネコチャンである。矮小な存在であるおまえたちが、神と和解しようなどと、おこがましいとは思わないのか。悔い改めろ。

 ノスタルジックおちんちんエピソードの中でも、これは本当によかった。先に言っておくが、カバー画像のフルフルは釣りであり、読み終えた時おまえは必ずや「そこで!?!?」と言う。

 同好の士が増える喜びは格別だ。とくに、同じ目線に立って作品やキャラを語れる友人は、歳をとるほどに貴重になっていく。推しとの出会いは人生を豊かにするので、こういう話をたくさん読みたい。

 推しは人生を豊かにするが、推しが永遠とは限らない。そんな切ない別れと、充実した推し活ライフに想いを馳せるこちらのシリーズ、読了後にあなたは誰を思い出すでしょうか。

 個人的にも今年最もハマった民放ドラマ2作を通じて、2020年を総括するこちらのnote。現代の水戸黄門として庶民の留飲を下げる役割を一手に担った半沢直樹の「敵」が一体誰だったか、腐敗にとても意識的な作り手と視聴者の共犯関係の元生まれたドラマだったと、しみじみ思い返すのである。

 放送されなかった地方の人の気持ちも考えて発言してください(クソリプ)。

 杜野凛世、担当Pの情緒を狂わせがち(あと八宮と三峰)。

 最後に、大口むにゃむにゃさんの記事を紹介して終わる。仕事がうまくいかず、死ぬことばかり考えていた氏は、小宮果穂と出会ったことでその考えを好転させる。お日様のように明るく、どんな時も真っ直ぐな小宮果穂の生き様が、沈んでいた心に火を灯したという、こちらも勇気づけられるお話だ。

 シャニマスを含め、私もエンタメに支えられ、生き延びた人物だ。2020年は思い返しても辛い思い出が多く、あらゆる楽しみが制限された、ゆるやかな死が卑近に迫った一年だった。そんな中、「推す」ことが心の支えとなり、辛い日々を生き抜く糧となること、その尊さを思い出させてくれた。そんな一連のnoteを読んで、書くことへの原動力を取り戻すことが出来た。

 まだ、この居心地の良さに浸かっていたい。なればこそ、「書く」ことは止められないし、そのためには「推す」ことを来年も続けていきたいと思う。その結果生まれた怪文書を、どうか温かい目で見守ってほしい。今年も一年、お疲れさまでした。また来年お会いしましょう。

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