おれと甘奈の子どもの名前、なんにしよっか?? #第5回シャニマス投稿祭
あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあァぁ~~~~~~~~~
大崎甘奈と結婚してェ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
幸せな家庭
築きてェ!!!!!!!!
甘奈、アイドルを引退した後はおれと同棲生活を始めるんだけど、「今日は遅くなるから先に寝ててね」って連絡しても深夜0時に帰るとまだ電気が点いてて、パジャマ姿でウトウトしながら待ってるんだよね。で、おれも仕事で疲れててつい「まだ起きてたの!?先に寝ててよかったのに」とか心無いこと言ってしまうんだけど、甘奈は「えへへ、お味噌汁、すぐ温めるね」って言って、台所に消えて行ってしまうんだよな。で、お夕飯を食べてるおれの顔を見て満足そうにしながら、先にお布団に入っちゃうんだよな。
たまの休日くらいどこか行こうか、と言ってみはするものの、電撃引退した元アイドルという立場もあってかほとぼりが冷めるまで外出を控えている甘奈は「おうちデートしようよ☆」って、事前にサブスクで面白そうなドラマとか映画とか調べててくれて、でも全部それって283プロのアイドルが一人も出ていないやつばかりで、あぁ、仕事のこと忘れさせようとしてくれてるのかな?って気遣いが愛おしくて、それでギュッと後ろから抱きしめたら少し驚いた顔で「どうしたの、プロデューサーさん……?」って。おいおい、もうおれはプロデューサーじゃなくて、“旦那様”だろ……?ってその唇を塞ぐんスわ……。
で、いよいよ式の当日を迎えるんですが、千雪がデザインしたウェディングドレスを着た甘奈は天女のように美しくて、白いドレスが彼女の真っ赤に染まった頬をより強調するんだよな。283プロの皆も忙しい中駆け付けてくれて、天井社長やはづきさんも号泣してたなぁ。善村さんが式の最中に撮影した映像をその場で繋いで一本のミュージックビデオにするスゴ技を披露したり、アプリコットの編集部の皆さんがサプライズでブーケトスの花束をデザインしてくれていて、しかもそれが甘奈の誕生花だったんだよな。「愛」のバラと「幸福」のブルーデイジーの花束。ブーケトスでちゃっかりそれを受け取ったのが透で、でも何だか笑顔に少し曇りがあるのが気になったり。
で、式の終盤になって、甘奈がご両親と甜花と千雪に感謝の手紙を読むシーンになってるけど、甘奈がもう泣きじゃくって読めなくなっちゃって、それを見ていの一番に駆け付けたのが甜花で。妹の肩を抱いて支えてあげる甜花、オーディションで出会ったあの日より心なしか大きくなったような気がして、おれも嬉しくなったよ。「なーちゃんの結婚式、うれしかったから、甜花、泣かなかったよ」って、言ってくれたな。ありがとうな。
で、おれも甲斐性無しなりにサプライズがしたくて、実はその日のためにピアノを死ぬ気で練習してたんだよ。帰りが遅かったのは仕事じゃなくてこの猛練習で。緊張して何か所か間違えちゃったけど、甘奈のためにおれと千雪と甜花で奏でた「Anniversary」、色んなものがこみあげてきて、おれも泣いちゃった。甜花があんなに頑張ってたのに、おれ情けなかったよな。でも、あの瞬間、きっとこの世で一番幸せなのはおれなんだろうなって、甘奈の顔を見てそう思ったんだよ。
新婚旅行、甘奈がどうしても行きたいって言ってたあの水族館に行ったよな。「こんな近場でいいのか?」って言ったら、「どうしてもプロデューサーさんともう一度来たかったの」って。あの時の甘奈はまだアイドルで、PV撮影のためのロケハンで色んなところを周って、クラゲとかクリオネを見て。当時のおれはまだ若造で仕事のことばかり考えていたけれど、あの時、水槽を眺める甘奈に見惚れてたあの一瞬がふっと蘇ってきて、走馬灯のようにこれまでのことがフラッシュバックしたよ。アルストロメリアの三人で乗ったロケバスの椅子の固さも、G.R.A.D.のオーディションの前に甘奈がいっぱい悩んでたことも、みんな売れ始めて三人の仕事が中々ない日が続いて寂しい思いをさせてきたことも、全部全部が綺麗な思い出になって、胸がいっぱいになって。
どうも湿っぽくなって、立ちすくんでしまうおれの手を強く握って、「プロデューサーさん、幸せになろうね」って、今まで見てきた中でも最高の笑顔をした甘奈がそこにいてさ。おれも「幸せになろうな」って返して。そして、二人は幸せなキスをして………………………………………………………………。
で、
目下われわれ新米夫婦を悩ませているのが、この度授かった新しい命にどんな名前をつけるのか、であるのですが。これが案外難しい。
お医者様によれば女の子で確定らしく、妻は早速ベビー服だのベッドだのを選ぶのに夢中になっていて、おれも初めての育児を前に今はハウトゥー本のお世話になりっぱなしの毎日を送っている。そんな幸せな日々の、幸せな悩みごとが、ベイビーのおなまえ決めだ。ありがたいことに、甘奈のお義父さんお義母さんは「二人で決めた名前でいい」と仰ってくれて、その全権を託されてはいるが、困ったことにこの手のセンスが壊滅的なのだ。
せっかくなら二人の文字から一字ずつとか、花の名前からいただこうとか考えていたらあっという間に深夜になって、母体にも良くないから今日はもう寝よう、とかになってズルズルと近づいていく出産予定日。入院の準備は済ませたし仕事の引継ぎもあらかた終わったけれど、これだけがペンディングの課題として残ったままだ。
赤ちゃんの名前を決めよう
ここいらで、何か指標になるものがほしい。というわけで、今回はこちらの姓名判断を試してみることにした。
「赤ちゃん命名支援サイト」、今のわれわれにとって、これ以上の頼もしい日本語は存在しない。「苗字」と「名前」を入力することで、お手軽に姓名判断をすることができる。
では試しに、愛しのマイワイフのそれを見ていくとしよう。
ぜんぜんわかりませんわ~~~~~~~~~~~!!!!!
しかも「他人を信頼しきれないので、運勢的に伸びきれません。
人間関係にも円滑さを欠きます。」とか書いてありますの~~~~~~~~。このサイトの信頼性大丈夫でして~~~~~~~?????????
失礼。取り乱してつい金髪縦ロールお嬢様になってしまいましたが、前述の通り、我々が頼れるものは今これしかないのです。よって、今回はこちらのサイトを使って我が子の名前を決めていくことにします。
相性を見ていこう。
こちらのサイトだが、なんとパパとママの名前を入力することで親子相性診断をすることが出来る優れものとなっている。かがくのちからってすげー!
というわけで早速活用していきたいのだが、ここで問題となるのがパパ、すなわち私の個人情報を開示しなければならない、ということだ。
2ちゃんねる(失礼、古のヲタクゆえ古い名称を)(汗)(爆)(今は5ちゃんねるでしたナ)でネットリテラシーを学んだ某、「個人情報が拡散されたら即死」と胸に刻んできましたし、芸能に携わる仕事をしている以上こういった情報の取り扱いについてはことさら慎重にならなければならない身の上である。
だが、ここまで見守ってくれている同士たちの良心と優しさを信頼して、今ここで、全てをさらけ出すことにする。愛する妻と我が子の幸せを祈って、どうか厳重たるお心遣いを賜りたい。
はじめまして。私、鬼龍院羅刹と申します。
こちらが免許証になります。
こうしてインターネットに本名を晒すのは初めてになるが、妻の方がもっと世間に名前が知れ渡っているので、私も同じ土俵に立たねば無礼というもの。よって、この度の開示に至ったこと、どうかご了承いただきたく候。
さて、そんな私は大崎家に嫁ぐ形での婚礼となったため、正しくは大崎羅刹が今の本名であり、ここからは羅刹パパと甘奈ママの銀河一カワイイ(予定)なベイビーのネームをセレクトしていくとする。
「花」の名前を頂く。
まずは甜花の、そしてアルストロメリアにちなんで「花」の名前をつけるのが美しいだろう。まずはシンプルに花ちゃんから。
今気づいたんですけど、「大崎」姓ってそもそも「凶」とか「孤立」とかシンプルにマイナス方面のアレが強い。それだけでなく花ちゃん、「虚しさにさいなまれる」「人周囲から災いがもたらされます。」と最悪なお墨付きをもらってしまった。
いや相性も最悪じゃねーか。なんだよ「子供の才能や個性を、親が潰してしまいがちです。」って。生まれる前から不幸を運命づけられてるみたいなの止めろ。花ちゃんはダメ、論外です。他のやつにします。
花モチーフ、ダメかもしれん。
一番ポピュラーな桜ちゃん、「虚しさにさいなまれる」「孤独な性質」「虚弱体質」「子育てはスムーズに進みません」という負の満漢全席。この世に生まれ落ちたことを本人が一番後悔しそうで嫌すぎる。おれはなんぼ嫌われてもいいけど、妻との相性は悪いってのが一番キツい。死にたくなってきた。ナシです。
じゃあ「雪」はどうよ??
ってなワケで、千雪から一文字頂くことにしてみましょう。
あの、スミマセン、相性判断に辿り着く前に読むのがしんどくなってきました。生まれて初めて知ったんですけど、やっぱり子どもに苦労してほしくないって思うのが親心なんですね。名前決める段階から無理ゲーすぎる。
じゃあどうしたらいいんですか????
おれはただ、愛する妻と娘が幸せになって欲しい。ただそれだけなのに、どうしても正解に辿り着けない。すでにこのサイトとにらめっこしながら4時間が経過しております。ここまで皆様にお見せしてきたのはただの一例です。成人男性が家から一歩も出ず、ただひたすら姓名判断しながら悶絶しているんです。甘奈に一番見られたくねぇよこんな姿。
そんな折、こんな考えが頭をよぎりました。名前そのものの主運や初運は悪くない名前はいくつかあった。問題は、父親である私との相性が悪いのではないか???
そうです。いくら親から貰った名前とはいえ「羅刹」である。一体どんな家族会議を経てこんな名前にしたんだ。人を惑わし、また食うという魔物。悪魔。って書いてあったぞ辞書に。
もし仮に、子どもとの相性を妨げているのが父親たる私自身の名前だとしたら?そんな考えが浮かんで、あるアイデアを試してみることにしました。もっとポピュラーな成人男性の名前をパパの欄に入力してみるのです。もっとわかりやすくて朗らかで、一般的な男性の名前。聡明さと気品を兼ね備えた、それでいて親しみやすくて書きやすい、そんな名前。
例えばそう、
「祐介」とか……。
総務省調べによれば、日本の成人男性において最もポピュラーかつ大成しやすい、若くして重役に就くなどの可能性があるとされている吉兆の名前が「祐介」とされている[要出典]。もし仮に父親の名前が祐介だったとして、そしてここまで挙げてきた中でわりと名前単体の運勢が良かった「陽葵」ちゃんを再び採用してみる。さぁ、吉と出るか凶と出るか……。
大崎甘奈は、
名前が「祐介」の男性と結婚し、
子どもの名前を「陽葵」にすると、
幸せな家庭を築ける。
ついに、ついにここまで来た。すでに7時間が経過。ようやく大崎甘奈が幸せになれるルートを発見した。達成感もひとしお、まるでシュタインズ・ゲートに到達した岡部倫太郎の気分だ。お外も快晴、清々しい風が部屋に舞い込んできた。あぁ、夏が来たね、支配人。
さて、こうして“答え”を導き出せたのだから、私のやることは一つだ。全ては、愛する妻と子の幸せのため――。
(おつかれさまでした)
(本稿は、#第5回シャニマス投稿祭 応募作品になります)
(投稿者は、大崎甘奈さんの幸せを心から応援します)
(例えとなりにいるのが、私でなくとも)
(主催のハバネロP様、全投稿者のプロデューサー各位、ここまでお読みいただいた全ての皆様に感謝申し上げます)
(前回の応募作品はコチラからどうぞ)
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