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解を探して荒波を進む 2020 J1 16th Sec


近年、かのチームにはめっきり勝てなくなっている。

オレは相性などというものは信じていない。過去のエントリーで言ったことの繰り返しになるが、何年にも渡る勝率を言ったところで、選手もコーチングスタッフも変わっている。たまたまでしかない。

また「うちは4-4-2の相手が不得意」のような言説も多い。

かつてのバルサがスタンダードな(Zonalな)4-4-2を手玉に取ってきたのを見てきたオレには違和感でしかないが。単純にウイングが使いこなせていないと感じている。

まぁいい。とにかくこの日はホーム。勝利を欲する理由はそれだけで十分だ。やろう。


これまた興味引かれるスタメン。前節の3バックを継続か。最前線の並び、距離感の設定も気になる。さぁ試合開始だ。


形としては3-4-3なのだろうが、前線は前節より中央に寄っていると感じる。

そもそもうちはポジションレスなのでそこをどうこう突き詰めても仕方がない。プレッシングが効くかどうかがまず興味の対象だった。

最前線が中央寄りなので、相手のSBを追うのはWBとなったブンと小池。このあたりが前節とは違っている。変わらないのはボールのないサイドのWBは引いて最終ラインを形成し4枚となっていること。相手のサイドチェンジに備えたものだ。

流れによっては相手も前からプレスしてくるが、これはうちが躱せる程度の強度。和田と皓太はポジショニングもパス出しも上手い。トランジションの場面など、無理なくそれでいて的確に味方に繋いでいく。


3バックになり、場合によっては4枚が担保される安心という以上に大きな要素だと感じているのは、CBまたはHVが前方にアプローチする守備をするようになっていることだ。

これまで中盤から前が前方へプレスへ行っても最終ラインはステイしている場面が多く、前が躱されると後ろ向きにヨーイドンとなり毎回ヒヤヒヤさせられていた。その雰囲気がなくなってきているのである。守備ははっきり最終ラインとその他で分担、「分断」とも言っていいようなイメージがあったが、全員が一つの生き物のように前方プレスで連動し効いている、と感じる。

1900のようにヒヤッとさせられる場面がないわけではない。しかし強度を保ちボールを回収しながら、うちは良いテンポ感で試合を進めた。

あの相手が守備が固いなどとは思わない。実際に前進を許しボックスにうちは入っているからだ。前半、スコアは動かなかったが、チアゴの前進からシュートなどオモシロシーンもあり楽しめた。Sofascore によればシュート15(枠内4)、相手にはシュートは2しか許さなかった。




後半。うちは前半と変わらず、集中を保った守備から攻撃へ、を繰り返す。

前で相手のミスをサントスが拾った流れからの攻撃、そのままカウンターとはならなかったが、保持から渡辺皓太が左に残ったままのマルコスへサイドチェンジ。そのまま中央へロブクロス。その先にはポジションを取り直しフリーでいたエリキが待っていた。背中側のポスト方向へとヘディングし先制。5114のことだった。

しかしこのリードもまた、長くは続かなかった。

5733に同点とされる。守りはセットした状態だったが、相手最終ラインから、同サイドに寄せるうちのやり方の穴を突くようなロブ。この時のシンの前へ出る守備は決して間違っていないと思う。しかしフリックのように頭で前へ出されてしまった。

動きの中でこのように繋がれたら守るのは難しい。Pアークの手前からカジの頭上を越されるシュートが刺さった。

ただ、うちはこのままやり続ければいい。60分ごろには保持から攻撃というペースを戻した。




ところが。

左サイドでロストしたことをきっかけに中央を使われ、数的不利の逆サイドへ一気に運ばれた。縦に抜け出そうとする相手選手を槙人が倒し一発レッド。所謂DOGSOである。

64分のこの退場によって試合の趨勢は変わってしまった。後のことは語らなくてもいいだろう。

どうしても相手に保持される。8512に勝ち越し点を奪われ、そのまま敗戦。これで直近3連敗、全てが先制しながらも逆転負けを喫したということになった。




サイドチェンジで揺さぶられながら裏を取られる守備面での課題は良くなってきていて、うち本来の攻撃の面もこの日、全般的に良かった。

問題が残るといえば、攻撃の最後の局面。シュート数を稼ぎつつも得点に至らない点だろう。結果としてこの日も1点どまりだ。

何度も言ってきたようにメカニズムの問題で、パターンとして具象に近いそれが仕込まれていないことにより攻撃はクロス一辺倒、またはアドリブによる無理な中央突破も目立った。

まぁ…その点諦めてはいるので置いておくとして、この日のように保持しながら数多く相手ボックスに入るならば、あの退場がなければ結果は異なっていたはずだとも言いたい。

今後、試合を通じてこの日の前半に似たパフォーマンスが平均的に出せたとしたならという仮定付きだが、統計的に結果も出るはずという論理も導ける。撃ち続けていれば一定の確率で得点になる。そういうものだからだ。


無策で破れているわけではないというところに見出す、わずかな希望。選手に、スタッフに託す。



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