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突然打ち上がった花火 2020 J1 11th Sec

もう試合だよ! J1第11節。

なぜダブルを喰らわなければならなかったのかという昨年の忌まわしい記憶、これは何としても払拭しなければならない。

勝つぞ勝つぞ勝つぞーーー(怨念)


スタメン

怪我から復帰のテルとサネ! 高野トレーナー! 皆が待っていた和田拓也!
今は誰が起用されても楽しみだ。行くぞ!


ピーターとの再会

うちから離れ監督となったピーターのチームは、ここ何戦かで波に乗る兆しを見せている。

少々前の試合を見てみたが、1タッチで繋ぐプレーが上手くなっている。これによってうちのプレスを掻い潜られると厄介だと思っていた。

そしてそれは0024のプレーにも現れていた。また、プレス合戦の様相も。

相手も前から守備をするチーム。1on1の要素が強まりスペースが空くため、準カウンターが多くなるオープンな試合になることは事前に予想された。

点は入るだろうが、展開としては祈るしかない。確率的コントロールがしにくい。いや、元々アンジはそれをしない人だが。


するとその通り、ボールが行ったり来たりする… と思うも束の間の0110。うちの陣内に入られピンチとなるが、跳ね返したボールをセンターサークルの自陣側で受けたサントス、何とそのまま相手を引き摺るようにドリブルで持ち込み得点してしまう。

このコロナ禍で今夏の花火大会はすべて取りやめとなる中、突然打ち上がった派手な花火、といった趣の鮮烈なゴール。これにはただ笑うしかなかった。

ともかく、試合展開としてどう転がるかわからない予感がする中での先制はとてつもなく気持ちを安定させてくれるものだった。


思わず唸ったのは、0620から始まり0640で終わった一連の攻撃。

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パギ、サネ、マルコス、喜田とビルドし、サイドの高野へ。このとき[1]のように大然とともに相手を2対2で引きつけて、高野は中央に再度上がってきたマルコスへ。

[2]の地域で相手はマルコスとサントスに入るパスを意識・警戒せざるを得なかったのだろう。
その瞬間にボックスに走り込んだテルへロブでラストパス。非常に惜しいシーンとなった。

過去しつこくウイングは中に入りながら裏を取れと言ってきた。これは一つの具現化したもの。外でアイソレーションしていても原理は同じで、逆サイド〜中央に相手の意識があるときにこのような連動を素早く行えば決定機となる。

また、この場面はボックスに近すぎたためテルの最後のプレーが難しくなった。チーム全体のシェイプがもう少し後方にあった場合にこれをやればもっと質の高い決定機となるはずだ。


椅子取りゲームのゆくえは

1150には1-1と追いつかれてしまった。相手のシュートは素晴らしかったが、間接的な原因として左サイドの密集を脱出されてしまったことがあるだろう。自分たちのスローインから始まっているので勿体ない失点。もう少し安全に繋ぐことはできなかっただろうか。

だが1840には大然の頭によるゴールで再びリード。
CKからの二次攻撃だが、ボールを持った高野と意思を同じくして左サイドに引き出そうと(フェイクで)動いたテルの頭脳的プレーも大きかった。結果としてプレーベクトルが左から逆転し中央へということになり、相手の中央の守りが解けた格好。


両チームとも、前からプレスするのはいいが、1stプレスの次、その次でコンタクトすることができない。プレスは一発で奪うのが目的ではなく

誘導 → 接近 → コンタクト(奪取)

で成り立つものと考えている。相手のボールがパスされる度に、レシーバーと守備者との距離が縮まっている必要がある。このことは守備の原則の範疇に入るのではないかと思うが…

そんな「椅子取りゲーム」が上手くできないチームどうし。

プレスが効かない。カウンターしては淡白に攻撃を終え、プレスでカバーできない崩れた陣形を相手もまたカウンター。短時間で攻守が切り替わるといった繰り返しのため、保持率もその他スタッツもほぼイーブン。笑

このヒヤヒヤ感は試合終了まで続くことになるのだが、前半リードを保つこともできなかった。チアゴがOG。

だがこれもサイドに出され揺さぶられ、クロスが入る時の中央をみて欲しい。2対2で完全に疎。被決定機でOGせずとも極めて危険なシーンであった。


残り10分の攻防

前節の、ウイングが中央へ寄る形は大筋で継続しているとみていいだろう。幅というかクロッサーはSBの役割になっている。後半になるとケニーは中に入って従来どおりで、非対称の様子ではあったが。

今季ウイングが抑えられてしまうことに対する一つの解、その探りの段階かもしれない。先に図解したようなパターンが再現性をもって出るのならば歓迎ではあるが。

また、サントスも縦横広く動くようになっている。8302にはまたも突然彼の理不尽シュートが突き刺さり勝ち越し。この瞬間、渡辺皓太はいとも簡単にサントスにパスしたが、相手の間隔がやけに空いているうえ縦にギャップも。疲れだろうか。

その皓太は8534に見事なダイビングヘッドでこのチームでの初得点を決める。

よく見るとこの場面もアシストの高野のプレー選択が光る。中央で一度はサントスがシュート体制になりながらも弾かれる。それを拾ったタカが高野へ預けるのだが、流れで自然にタカへリターンパスを出すような場面で高野はすぐさまクロスを入れた。

つまり左に相手の意識を集めた結果、中央が対応できなくなったのだ。


今日までそして明日から

89分に1点を返されるものの、「夏の夜の理不尽な花火」サントスの活躍は大きく、4-3と逃げ切り勝利を得た。

交代選手も奮闘してくれている。今季の異常な社会とこのリーグの日程の中では全員の力が必要だと思い知らされる。
後半になって保持率がやや上がったのは、彼らのおかげでもあるのかもしれない。

連敗せずに済んだし、冒頭のように昨年の借りを(一つ)返すこともできた。しかし正直なことを言えば、相手がやりあってくれたからこそ攻めることができ、そして同じように攻められた。そういった試合だったと思う。

個人的な好みで言えば好きでもなければ満足いく内容でもない。しかしこの連戦の中で何ができるかといえばコンディショニング程度のものだろう。実戦で選手を上手く入れ替えながら戦い続けなければならないということも、また事実である。

さあ、次に向かおう。



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