見出し画像

2020 ACL GS MD5

ACLグループステージ第5節。前節でリーチとなっていたがよもやの敗戦。しかし状況はさほど変わらず、この試合でもドロー以上ならばGS突破となる。

オビはすっかりスタメンを掴んだようだ。目を引くのは高野のウイング起用。これまで途中交代でこのポジションに入ることはよくあり「見慣れた配置」ではあったが、スタートからというのは過去あったかどうか。


勝たなければ先が閉ざされる相手と、若干の余裕のあるうち。

この対戦、特に序盤どうなるのかは興味引かれるところだった。しかしキックオフしてみると、意外にも相手は様子見といった格好だった。

これについての意図はわかりかねるが、2月に対戦した時に、スコアこそ2-1だったものの7割近い保持率とシュート19(枠内7)で圧倒したことを考えれば、それなりにリスペクトもあったのかもしれない。

そうは言ってもプレス強度も高いとは言えず、そのおかげで保持前進が可能で、15分までにカウンターを中心に何度か決定機を迎えた。


それらを逸し続けた17分、先制点を得る。

中央で下がりながら受けようとしたエリキがファウルを受けた後のリスタート。タカからシン、そしてブンへと左へ受け渡すと前方にはスペースがあった。そのまま持ち上がったブンはボックスのわずか外から迷わずシュート。これが鮮やかにニアサイドに刺さる。相手GKが見送ってしまうような見事な得点だった。


その後相手は前からのプレス意識を高める。それによって前進できなくなったわけではないが(ただし度々引っかかったが…汗)、ファイナルサードへ持ち込むものの、クリーンにシュートできないか、ブロックされるという場面が多くなる。

追加点は奪えなかったが、ほとんどの時間を相手陣内で過ごした前半となった。



後半。うちは1点で勝ち切れるチームではないので追加点が欲しい。

また、後がない相手はどうするのか。

これに対する相手の答えは前半から傾向としてはあったロングボールによる攻撃だったのだろうと思う。ただ、Jで対策されたようなサイドからサイドへというものではなく、どちらかというと中央裏に蹴るシンプルなものだっただけにうちとしては容易く対応できた。


50分、相手の攻撃を中盤でカット。喜田が素早くテルに渡しそのままカウンターで持ち上がる。中央寄りにコースを取り進むと代わりに右に開いたマルコスがフリーに。そこへラストパスでワンタッチシュート。綺麗に逆サイドへ転がしゴールを陥れた。

しかし間も無く52分、ここでまたPKを与えてしまう。

この試合に限らず度々見られるのが、サイドに誘導したにも関わらず刈り取れない守備面での脆弱さであり、数的優位でも突破されてしまうことが多く、結局はボックス内に到達されてしまうといった場面。

この時も3対2になったものの突破され、ボックス角でチアゴが相手のクロスを手に当ててしまったという流れ。

さすがのオビもそう何度も止められない。これで2-1。


相手の攻勢がこれで強まるかと心配した。だが結果としては喜憂に終わった。得点直後こそ前への守備の姿勢を見せたが、その後は試合開始直後のような雰囲気に。

相手の保持の時間がやや増えるものの、裏返してスペースを前進し、カウンター気味にゴールに迫ることが増える。

70分には意味のわからない得点。笑

左サイドでぐるぐる。いつもの光景で速く逆サイドへ展開しないと捕まる…などと思っていたところ、タッチを割りリスタートとなり、スローインを中央にいたエリキが受けにこの左サイドへ出てくる。

収めるのが難しくなったバウンドをなんとエリキはオーバーヘッドで中央へクロス。そこへ鋭く反応したのがテルだった。相手DF二人の間に割って入るように走り込み落下してくるボールを蹴り込んだ。


残り時間20分弱で2点のリード。まず大丈夫だろう…

この後78分のような危ない場面も訪れるのだが、ダメを押したのは交代で入った阿道だった。

また左でぐるぐる。しかし相手を3人ほど集めた中でAJが長く速いクロス。ボックス中央は2対3ではあったが十分疎だった。近い相手の前に上手く出た阿道がダイレクトボレーを叩き込んだ。

このシーン(と、先のテルのゴール場面)は、得点のためには必ずしも人数は必要ではなく、また局地的には数的優位である必要もないということを示している。第一に必要なのは走り込みやボールプレーを可能にする選手間隔(=スペース)であるということだ。



かくしてスコアは 4-1 となりタイムアップ。この勝利によりグループ2位以内が確定し、クラブ史上初となるACL決勝トーナメントへの進出が決定した。

皆よくやってくれた。快挙である。

しかしアンジも言うとおり、まだ何も成し遂げてはいない。頂点をひたすら目指して走り続けよう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?