見出し画像

渡せなかった餞別 2020 J1 7th Sec

J1第7節。
この時期だがアウェイ札幌なので昼間の試合となっている。

この日の直前、遠藤渓太の独ウニオン・ベルリンへの期限付移籍が発表された。
下部時代も含め、マリノス在籍は2桁となる年を数えるが、2020年現在まだ22歳。今が一番良い時で、更なる成長を期待する選手である。

その渓太のマリノスにおけるラストゲームとなるこの試合、勝点3をもって送り出すことができるだろうか。


スタメン

コンディション面からマルコスやテルなどが不在で大きくスタメンが入れ替わる。
とはいえ水曜に試合があった連戦の中にあり、シンや喜田などの疲労蓄積も気になるところ。試合序盤、相手の出方もあるが、再開後の試合の構図を見てもわかるとおり不覚をとらないようにしたい。


前半

相手の守備はここのところ「対策」として定番となった前プレ。
しかし完全にコンタクトするほどの激しいものではなかった。さらに10分までにはその雰囲気も消えている。

0550や0628からなどの一連のプレーを見ると、このくらいの圧であれば十分前進できるのだ。エジは素晴らしい。

0800はファイナルサードのサイドで繋ぎ、戻してからスルーパスで惜しいシーンも作り出した。
ブンにボールが渡った瞬間に、タカが中央に戻る移動をしたことなどから、相手から見て右周りのルートが想像されたのではないか。スルーパスを刺す一瞬の空白ができた。よく見ていた。

1320、ビルドアップにプレッシャーをかけられるものの最後は梶川が「飛ばすパス」。
相手6人ほどを自陣深くに引き込んでからのそれは効果的である。

AJの先制点は見事なシュートだった。
そこに至るまでのパスワークは1436付近から始まるが、やはり相手の前線のプレッシャーが甘いように思う。
降りて受けようとしたAJはコンタクトを受けたが、そばのケニーはフリーでいる。スペースが空いているのである。余裕で水沼のサイド前方へロブを送ったためふたたびAJが間に合ってシュート、ゴール。


いつかと同じように、この時点までは勝てると思っていたのだけどねぇ…


直後の失点はGKから直接蹴られたサイド裏のボールから。
これに対して有効な防ぎ手はないと思っているがどうなのだろう。とにかく走って最後は体を張って、ということくらいしか思いつかず、戦術的リスクの一部として受け入れざるを得ない。

今日の「主役」、遠藤渓太がこのタイミングで交代となってしまうアクシデント。
続報によると腿裏の痛みということで、不運であり残念ではあるが仕方ないだろう。


17分には早くも逆転されてしまう。
直接的には「また」シンが対応を誤ったということなのだが、直前はうちのスローインなのである。
GKからのそれの時も思うことだが、リスタートが早すぎて、まだ離れていない相手がプレスをかけやすい状況で始めてしまうことにも問題があるのではなかろうか。

ここでごちゃごちゃして、跳ね返りが不運な形でうちのゴール方向へ。これが間接的な要因。
梶川へ戻すのはリスクがある。Pアークに走り込んでいる選手がいる。逆サイドはおそらく空いているので、そちらが見えていれば、ということだが、はてさて。


まだこの時点では20分にもなっていない。

1955なども非常に惜しいシーン。
うちのショートコーナーから始まり、ボールを戻す方向性に釣られて相手が中途半端に上げた結果2-3列目、さらにはその後サイドを意識させられた横方向にもギャップを作ってしまう。

ケニーに代わって中にポジションした水沼にAJがスルーパス。見事な身のこなしでショートクロスまでいくが大津に惜しくも合わず。決まっていれば美しかった。


相手GKからのロングフィードで一気にピンチ、が再度見られたのが3624。
これはまずいですねぇ。もれなくシュートまで行かれるとなると。



後半

ハイ負けたよ! 負けた負けた!
さっさと終わるよ! えっ何だって? 周りが煩くてさぁ!


挙げれば良かった点も多くある。


5232のビルドアップ未遂なんか好きなんだけども。
梶川に戻されたあと、向かっていく相手の背後に浮く喜田。ヘルプで寄ったタカが梶川からのパスをワンタッチでそのフリーの喜田へ。これもレイオフの一つの形。残念ながらここで絡まれてしまうのだが、ここでも2タッチめで前方へのボールを出せていれば、というプレーだった。

ビルドアップでいえば、5434から始まり5530でタカが受け損なった長いボール回しだが、これも興味深い。なぜかというと、U字に回しながらも相手を動かし、結果的には前進のきっかけを作れているのである。うちから見た1.5列目の脇のスペース、これが左右に1度づつできている。

一発で刺すようなボールばかりでリズムを失うのは良くない。
辛抱強く回すことで穴はできる。速度が必要だが、中盤の選手がこの場面では献身的に上下動を繰り返していた。今後も求めたいことの一つである。



試合が終わった時、オレは小中の頃苦手だった体育の、とりわけマラソンで走り疲れて肺が焼けるような感覚を思い出そうとしていた。

選手はこの連戦で疲れていることだろう。
判断に体がついていかない部分もあるのではないかと思う。

しかし、クラブ全体で考えれば、事情はどこも同じでイーブンだとも思う。
失敗しながらも前進していくしかない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?