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うちは「守備をした」か? 2020 J1 31th Sec

前倒し分のJ1第31節。前節からは中5日ほど空いた。オフも挟むことができ、選手は束の間リフレッシュできたことだろう。


最前線の構成がやや変わって水沼が入った。それに伴いエリキが左へ。怪我が癒えたサネがベンチに。


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昼すぎの早い時間帯にキックオフ。

相手が中盤をスキップするような意識で長めのロブを使うのは前回対戦と似た構図。イヤな予感がする。

うちも水沼を走らせるなど、早めに裏へという意識がこの立ち上がりから少々見える。


比較的下がらずに前線に圧をかける相手の守備を裏返すように10分すぎからはうちのターンが続く。1212、ポジションチェンジにより中に入った水沼からサントスへのパスは決定機。シュートはワンテンポ遅れ相手DFの足に当たる。

先制点は15分。リスタートから左の縦のコンビネーション。タカ、小池、エリキ。抜け出した小池にエリキからのリターン、そして素早くクロス。相手の守備がこの左に寄ったため中央は完全に疎の状態に。水沼が相手と競りながら押し込んだ。


失点したこともあるのか、相手が前からプレスしてくる。20分すぎからはシンプルに裏、それもうちにとってまずい逆サイドに大きく振るようなボールも混ぜられ、徐々に押し込まれる。

飲水タイム直後はこの流れを嫌ったか、高丘はビルドで繋がず一発で前線へ。

2544は後方からロングボールを相手の左に蹴られ折り返されたところ中央が疎になりピンチ。しかしこれを凌ぐと一転うちのカウンターが炸裂。マルコスが中央で繋ぎ最前線の3人で持ち込み、ボックスでややまごつきながらもエリキが蹴り込んだ。

理想的に得点を重ね2点のリードとした。しかし…



前線からのプレスが嵌らない。というよりはさせてもらえない。

そのこととあわせて、ロングボールや、1列目の裏などを突かれるロブが多いからだ。やはり前回対戦と似た構図で、このやり方に滅法弱いということが露呈してしまった。

自陣中央から後ろに後退した時の(後方の)守備は、攻撃セット時のそれとはまったく異なり脆弱だ。フリーズしてしまう。理想としては451をコンパクトに組みながら引き、そこからあらためて前方へアプローチしていきたいところだが、そうした考えが指揮官にないことはこれまでのやり方でわかっている。

最初の失点は38分。ここまで何度も見たように大きくうちの右サイドに蹴られ、誰も行けないまま中へ戻されるとそこから長いボールであっさり抜け出された。得点者の技術は素晴らしいが、この二つの、サイドから中への展開の時にまったくプレッシャーがかかっていないことが問題の根本である。

前半が終ろうかという4630あたりの守備を見てほしい。相手のボールがセンターラインを超えるか超えないかというあたりで、最前線は嵌らないプレスをし、後方は引いていて大きく縦に間延びしている。ボールの入るそれぞれの場所で1対1になり、先手を取られ走り込まれ軽々クロス、被決定機となった。

このゾーンの守備における規律がどうも、弱々しい…



後半に入るとうちにとって益々厄介な展開となる。これも弱点であるビルドアップを狙われ始めた。また相手陣内での守備強度も増した。相手はこの時点でもビハインドでありそういう事情もあっただろうが、結果的にこれにより “合わせ技” で最後までペースを握られることになる。

うちはボールを持つと縦に速すぎるのでミスも当然出てきて淡白に攻撃を終えてしまうのが更に輪をかけた。いや、これはいつものことである。即時奪回からの保持ができていれば負に働かないのだが。


2点目を失い追いつかれるのは77分。これも相手のシュートは見事というほかないが、その前を見てほしい。うちの攻撃が終わった後、相手のリスタートからなのだが、まったくプレッシャーがかからないのだ。

前から行ってはいるが位置も強度も足りておらず、リプレイを見ながら「これじゃ蹴られるよな〜」と思った直後本当に蹴られている。ケニーのミスもあるが、角度をつけサイド(裏)に蹴られるのはうちのやられ方の十八番である。


逆転弾を食らったのも、見返すと原因が同じなのである。

うちの攻撃で相手ボックスまでいくものの阿道がシュートに至らず、相手のリスタートの形から、まったく守備できずに軽々と持ち込まれているのだ。最後のところだけ見ると、これも相手のシュートが素晴らしいのだけど、その前があまりに簡単にやられていて愕然とする。




かくして 2-3 と、先に2点のリードを得ながらも逆転負けを喫した。

28分、41分、49分や76分、79分。そのほか良い前進をした(準)決定機はいくつかあった。

先にリードをもっと広げておけば、というのもあるだろうが、うちのまずい面ばかりが見える試合となってしまった。守備の問題は依然として大きい。前プレにしてもブロック守備にしても、すべて中途半端だった。


最も良くなかったのは、アタッキングフットボールを掲げておきながら相手に倍以上のシュートを撃たれたことだ。これは屈辱以外の何物でもない。



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