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1を得たのか、2を落としたのか 2020 J1 9th Sec

8月らしい暑さの中のナイトマッチ、J1第9節。

過去の対戦成績がTLで散見されたが、個人的にはそのデータについては何の影響も価値も感じていない。というのは、選手もコーチングスタッフもその時々で変わっていて、持続的な何かをもって評価することができないからだ。

そういったことに関係なくこの日はホーム日産。何が何でも勝ちたい。


スタメン

チアゴは大事をとってか見送りに。
サブには電撃復帰の松田詠太郎! 出番はあるか。


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想定された拍子抜け感

既にわかっているとおり、ビルド隊にプレッシャーがきつくない時のうちは素晴らしい。

相手がそれを仕掛けてくるという予想も当然できるのだけど、オレ個人はトップの「彼」の選手タイプを考えるに、それは選択しないのではないかと何となく想像していた。

するとその通りで、相手はCBに対し、さほど寄せて来なかった。むしろミドルゾーンにおいてプレスに手を焼いたのは相手の方ではなかったか。

そのため、そこからファイナルサードまでは前進でき、この日も序盤からうちらしいサッカーを表現できていたように思う。


0249、リスタートで逆サイドのSHが裏に走り出すところなどを見ても、一般的なうちへの対策は意識されていたようだ。このへんはプレー精度に助けられた面があるかもしれない。

その直後の0257。
シンが対面の選手を一瞬外し、トランジションの中崩れた2ライン間のハーフレーンで待つAJへ。ここから加速しつつボックスで逆サイドのエリキへ渡るような大きなクロス。おそらくこれは中央を狙ったのだろうが。
ボールの動きとして左から右へとベクトル逆転したこのシーンは当然のようにエリキをフリーにしており素晴らしいもので、最初の決定機と言ってよかった。

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それでも0522など、ギリギリでオフサイドを掻い潜られる被決定機もあったりはした。
この序盤、CKもまとめて与えていたりもする。こういった構図もまさにうちらしく、いつものようにリスクを孕む展開だった。

CKの得点確率は低いし、ほとんど偶然のものだという見方をしているオレだが、相手に多く与えてはダメだ。相手のCK機会を限りなく無くし、自分たちは多く得る。いつでも確率的に上回りたいのである。

2520、喜田のカウンター阻止&ボール奪取から反転前進のショートカウンターも素晴らしく非常に惜しかった。マルコスは最後に逆サイドでフリーのAJをよく見ており決定的だった。おそらくこのパスがオフサイド、だよね? これも決まってほしかった場面。


悪夢と奇跡の生還

相手が引かない、ビルド時のプレスが厳しくない、などの条件つきではあるが、今のうちは誰が出場しても一定のクオリティを保ち前進・攻撃できるようになっている。これは素晴らしいことだ。

だがそうしてうちらしいサッカーを展開しながらも得点できないでいると、またも悪夢が襲う。

いくつか危険な場面はあっても完全にうちのペース。その中でまた先制を許す…
なぜ繰り返される? さすがのオレも怒りで手元にある何かを壊しそうだった。笑

ミスが多いこの競技は、確率的にコントロールされなければならない。それを実現しようとするのが戦術。
前へ行っても得点できないとなると、人の薄い後方でこのような失点になっても不思議はない。実際後半も危険な場面は何度かあり、それもやはり確率的に起こっていると言うべきだろう。多くの試合で似た構図が見てとれるように。

このまま負けるのはあまりに悔しい。せめてドローに持ち込みたい。
とはいえこの後も、なぜこれが決まらないというような場面はいくつかあって不思議で仕方ないというのが率直な感想ではあるが…

得点が湿っている今、怒りに震えながらも祈るしかなかった。
すると77分に待望の得点! これで1-1に。
ビハインドのせいなのか、大津が入ったことによるものなのか、幅が無くなり人が濃い中でトリッキーなシュートがよくも決まったものだ。
アド、ありがとうな。君の得点でどうにか心の平静が戻ったよ。

かくして薄氷の勝点1。
果たして我々は1点を得たのか、2点を失ったのか。現状を考えれば前者だろうか。

詠太郎はいきなりの出番でクオリティを示した。よかったぞ。これからも頑張れ。


希望するのはこんなプレー

試合の中でちょうど良い場面があったので書いておく。

図は4125、パギから始まった攻撃の最後の段階。
左から迂回し右のマルコス、中央でポスト役となるエジへ渡り水沼とパス交換した4146の場面なのだけど、中央で相手の配置も意識も完全に集めているため、逆サイド、背中側の裏は狙えば決定的な場面が作れる。

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現実にはエジが持ったまま相手に倒されるのだが。

エリキはこの時点で十分幅をとっており気配がほぼ消えている。更にマーカーとなる相手SBもボールを見ており、オレに言わせると「大チャンス」。なぜ裏へ出さない〜! と思ったものだった。
映像とともに見てほしい。この場面がなぜチャンスかの感覚はぜひとも共有したい。

この形になったら、先に書いた0257のAJのように、ほぼ見ないで出すことも可能だろう。(エリキの位置にいる選手の)配置とプレー選択が約束事になってさえいれば。

だが知られているとおり、うちのウイングはファイナルサードでこの動きをしない。仕込みがないのである。「まずは足元」で受けるというプレーが常態となっている。

このエリアでミドルサード以前と同じプレーをしようとしても受けてから走る広さも時間もすぐに無くなってしまう。裏へ走りスペースで受け、1タッチとそれに準じるパスの連鎖で相手に認知エラーをさせシュートする時間を作りたい。

もしこのパスが通れば、シュートもクロスもいけるが前者は可能性が低いので、ショートクロスだろう。
うちの選手のあとの4人は全員前向きに飛び込める。平行クロスで合わせるのが第一。同時に相手もGKエリアまで引き連れることになり、PKスポット付近にスペースができるので、そこで浮く選手がいればマイナスに戻しても決定機、というわけだ。

今回のエントリーはこれにて。ではまた。

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