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虫のすみかづくり


昔、図画工作の時間で
【虫のすみかを作りましょう】というのがあった。

お菓子の空き箱などを持参して、
鳥の巣箱ならぬ
虫のすみかを作って
学校の庭に置く。
図画工作の時間が終わったら回収。

そこに本当に虫が入ってくることはなくて、

多分作るだけの時間が4コマくらい
あった気がする。虫のことを考えて、たとえば虫が入りやすいようにとか、隠れやすいようにとか、そんな創意工夫に重点が置かれた虫のすみかづくりだった。

私は給食の
200ml入りくらいの牛乳パックを
家のかたちに見立てて、
屋根をフタのように上から外せるようにして
「家」を作ろう!と思った。
虫なんて全然どうでもよくて(笑)

かわいくしよう!
屋根は赤の水玉模様にして、
ドアもちゃんと開けられるようにして、
小さいベッドとソファをいれよう!
貝殻も飾ろう!

すごく楽しいミニチュアの家作りに
取り掛かった。

ちょうどそのころ
NHKのわくわくさんで
電気がつくミニチュアの家づくりをやっていたので、
図工が終わったらおばあちゃんに
電気をつけられるようにしてもらおう!
と、思った。(結局、やらなかったけど)

思った以上の完成度だったので
「虫のため」をそっちのけで
壊されたり汚されたりしない場所にぱっと置き、すぐに回収した。

こんな調子だったので
図工の成績は
よい、ふつう、もう少し のうち
「ふつう」だった。

私は1センチ幅の折り紙で
小さい折り鶴が折れるし
ロゴやマークも写し絵のように綺麗に描ける。
私って実はすごい才能を持ってるかもしれない!なんて空想にふけって
子供のころの私は
けっこう自分に自信があったと思う。

先生も「器用だね〜」と
ミニチュアの家をほめてくれたのに。

でも結局私の評価は「ふつう」だった。
むっ、とした。

幼い頃は
自分が「ふつう」じゃないことを
求めていたらしい。 
すごいなと思う。
魂が喜ぶことも簡単にやっていた。 

どうやら本当の私はこっちだ。
人も自分もまだ知らない才能を持っていて
ちょっと自分に酔っていて
ふつうじゃないことを誇る。
あの頃の私に習って
変態でナルシストで情熱的な私を生きていこう。
(昨日の記事も“生きる”で締めてたなあ)







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