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2021.06.10

最近よくBUMP OF CHICKENの『天体観測』を聴いている。

2003年releaseから18年経った、この曲をはじめて聴いたのは多分TVだった、なんとなくチャンネルを変えずに流し見していた時この曲のサビが流れてきてTVを見入った記憶がある。きっかけはそこにある。
その当時、流行りのJーpopしか知らなかったし今思えばTVで流れてくる音楽しか知るすべを持っていなかったから当たり前なんだと思う。けれど、あのライブハウスからお茶の間へとやってきたあの曲がブラウン管の向こう側にいる僕の世界を広げてくれたのは間違いなかった。

今じゃ日本中誰しも知っているこの曲でBUMP OF CHIKENを取り巻く環境が変わったと聞いた。想像もつかない世界、アンテナを伸ばしてこちら側の世界に来てくれていた人を飛び越え音楽なんて必要なかった人たちに届いていく。そこで好きになってもらってまた沢山の人が目の前に現れる。現に当時ライブハウスという場所を知らなかった僕に届いて、突き動かされるように僕はライブハウスに足を伸ばし、そしてミュージシャンとして生きている。音楽はどこまでいっても音楽だけれど、時に自分が作った想像以上の力を持つ時があって、人を動かし、人を元気にしたり励ましたりする。自分が一番実感してる。

TVで流れてきた音をキッカケにBUMP OF CHICKENにのめり込んでいく。最初に買ったCDは『orbital period』というアルバムで、これがまた傑作で間違いなく自分の人生を突き動かした1枚だしそこにあったのは自分と楽曲の1対1の関係だった。そんな関係性にいくつもの日々を支えられ救われてきたと思う。そしてそこに突き進むに至る原点は結局天体観測なんだと思う。

そうは言っても学生の頃はそこまでこの曲を延々とリピートするような聴き方ではなかった。他の曲も同じくらい聴いてたからそんなに特出して聴いたって印象ではないんだと思う。それでもjupiterというアルバムは何度も何度も擦り切れるほど聴いたし、コード譜を必死に覚えてカバーした。

高校生の時、お年玉でスコアブックを買って必死に曲を覚えた。多分それが今の自分の土台になっている、あの時は努力とかではなく、ただただあの曲を弾いてみたくて、もっと知りたくて、楽しくてしかたなかったのだと思う。

そうやって10年以上経った今でも聴いている。たまにあのザラザラとした質感をもったMVをYouTubeに見に行ってしまう。

天体観測が流行り物で埋め尽くされた言葉で固められた音楽でなくて本当に良かったと思う、何年も何年も聴いていく度にその深見に触れていく、イントロのフィードバックからずっと今を繋いでいってくれている。

そういえば天体観測は天体観測の歌ではなく、心を覗きこむ歌らしい。なんか今の自分にはとてもしっくりくるし、今こんなにリピートして聴いている理由がわかった気がした。

そうやって僕たちは、知る機会があればどこまでも可能性を広げる力を持っているのだと思う。だから世の中に発信していかなければいけないし、知ってもらわなければいけない。まだ見ぬ人へと届ける為に今日も音楽を作っている。

途切れかけていた気持ちを引き締めて、曲を作っていこう。



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